東京は梅雨前線の影響を受けて土・日とも曇り。阪神は梅雨前線との間に四国を挟んで土・日とも晴れそう。函館は北の高気圧の影響下で雨は降らないものの気温が上がらず土・日とも曇り。ただし強めの東風(ゴール前直線で向かい風)が吹きそう。
【東京芝】
■見た目以上に地下茎の充実した速い芝、やや内有利、先行差し互角
《Dコース2週目》
先週は月曜に22.5ミリ降り、金曜から土曜の朝にかけて12ミリ降った。土曜は1・6Rが重、9R以降は稍重だった。1Rは0.8秒前後遅かったが、6R以降はタイム差なし前後の時計だった。日曜は4Rのみ稍重、5R以降は良で、一日を通して0.7秒前後速かった。
芝は見た目ある程度内が擦り切れてきたものの、野芝の地下茎が充実している様子で、時計はまだまだ速い。また直線では全体外に展開することが多いものの、内外の状態に外差しと言えるほどの差はなさそうな印象。
今週は水曜日から木曜の朝にかけて23ミリ降り、その後はよく晴れた。土曜は小雨が降る中、一日中良を想定し、0.2秒前後速い時計を想定する。日曜は曇り基調だが、前日の雨は水はけしているので、0.5秒前後速い時計を想定する。土日とも風は強くなさそう。やや内有利、先行差し互角。
【東京ダート】
■含水率やや高めの速いダート、内外互角、やや先行有利
先週は月曜に22.5ミリ降り、曇りがちな中間を経て、金曜の昼から土曜の朝までに12ミリ降った。土曜は2・3Rが不良、5R以降が重で、一日を通じて2.5秒前後速い時計だった。日曜は一日中重で、2秒前後速い時計だった。
今週は水曜日から木曜の朝にかけて23ミリ降り、その後はよく晴れた。土曜は稍重からスタートするが、午後に入ると小雨が降り始めて含水率が保たれると考え、一日中稍重と想定し、1秒前後速い時計を想定する。日曜は一日中曇り、含水量多めの良を基調に考えて、0.5秒前後速い時計を想定する。土日とも風は強くなさそう。内外互角、やや先行有利。
【阪神芝】
■やや含水高めだが状態よくやや速い芝、内有利、先行差し互角
《Bコース2週目》
先週は月曜に3.5ミリ、火曜に0.5ミリ、金曜に0.5ミリ降ったが土・日は晴れ、土日を通じて乾き気味の良で行われた。先週はBコース替わりもあって時計が速く、土曜は1.4秒前後速かった。日曜は0.8秒前後速かった。
時計・芝の見た目とにもいかにも上々の芝だった。しばらく前の阪神はAコースとBコースの使用配分が均等に近かったのでBコースの傷み方が目立ったが、Aコースの使用配分を多くしたことでBコースの内が目立って傷むことがなくなった。
今週は火曜日に1.5ミリ、水曜に41.5ミリ降った。土曜はほぼ水はけした状態で、良からのスタートになる。スタート時点で0.8秒前後速い時計を想定。開始前からぽつぽつ降り始めている様子だが、降水量は少なそうで最終的に稍重まで、1秒前後遅い時計までの推移を想定する。
日曜日は曇りを想定する。雨は土曜の夕方に降りやみ、日曜までにほぼ水はけすると考えて、良で0.5秒前後速い時計を想定する。やや内有利、やや逃げ・先行有利。
今週のG1は宝塚記念。1着賞金は1億5000万円と春の古馬戦でもいちばん高いにもかかわらず、大阪杯、安田記念と比べてメンバーのレベルが見劣りする。
少し前まで春のG1戦線は天皇賞→宝塚記念の一本道だったが、今では同じ週にあるドバイWCか新設G1の大阪杯の比重が大きくなり、少なくとも今年にかんしては、天皇賞と宝塚記念の比重が相対的に軽くなった印象。だからこその『宝塚記念』狙いの馬がいるハズ。
サトノダイヤモンド◎のフランス遠征は2戦とも重馬場で、ディープ産駒が能力を生かせる環境ではなかった。金鯱賞は遠征帰りの様子見、大阪杯はいかにも仕掛けのタイミングをミスった。そう考えればここで復活はありうる。ただし今回も内枠で最初から出していくしかない上に、ペースが速くなりそうで、横綱相撲を強いられる厳しい状況だが、そういう競馬がこの馬には向いているハズ。
相手筆頭がヴィブロス。ドバイターフで1勝2着1回なら格は最上位。同厩のシュヴァルグランを控えに回して勝ちに来た印象。先行馬が多い中脚質的にも有利。
以下はゼーヴィント、パフォーマプロミス、ミッキーロケット、サトノクラウン、ストロングタイタン、ダンビュライト、キセキ、ノーブルマーズ。
【阪神ダート】
■含水率高めで速いダート、やや外有利、やや先行有利
先週は月曜に3.5ミリ、火曜に0.5ミリ、金曜に0.5ミリ降って土・日は晴れ。土・日を通じて良で行われた。砂がやや乾き気味で時計がかかり、土曜は1秒前後遅く、日曜は0.8秒前後遅い時計だった。土・日とも風はそれほど強くなかった。
今週は火曜日に1.5ミリ、水曜に41.5ミリ降った。土曜は良スタートもある程度の含水率はあるハズ。午前中からぽつぽつ小雨が降っていて、昼頃には稍重になっているものと想定する。雨量にもよるが0.5秒前後速い時計を想定する。
雨は土曜の夕方には降りやんでその後は曇りを想定する。日曜は含水高めの良を想定しタイム差なし前後の時計を想定する。やや外有利、やや先行有利。
【函館芝】
■平年並みの軟らかさだが先週より乾いて多少速くなる、内有利、逃げ・先行有利
《Aコース2週目》
先週は月曜に3ミリ、火曜に39ミリ、水曜に2ミリ降った。週末は土・日とも曇りでずっと良で行われた。土曜は0.5秒前後速く、日曜は0.7秒前後速い時計になった。
先週の時計を見る限り昨年函館の高速洋芝は再現してない様子。平年並みの、やや速めの洋芝と考えれば十分そうだ。
今週は水曜日に4.5ミリ、木曜日に1ミリ降った。中間は今どきの函館らしいぐずぐずした天気だったが、週末はよく晴れそう。また南西の風(3~4コーナーで追い風)が強めに吹きそう。先週より含水率が低くなりそうな分を加味して、土・日とも1.2秒前後速い時計を想定する。内有利、逃げ・先行有利。
【函館ダート】
■幾分砂の厚みが感じられるやや遅めのダート、内外互角、やや逃げ・先行有利
先週は月曜に3ミリ、火曜に39ミリ、水曜に2ミリ降った。ダートは土日を通じて良で、土曜は0.8秒前後遅く、日曜は0.5秒前後遅い時計になった。
先週はけしてカラカラの状態ではなかったハズなのに時計がかなり遅め。今年はクッション砂の全面洗浄を行っていることから、新砂の追加量が多めだった可能性がある。
今週は水曜日に4.5ミリ、木曜日に1ミリ降った。土・日とも晴れそうなので、先週より砂が乾くハズ。1秒前後遅い時計を想定する。内外互角、やや逃げ・先行有利。
城崎哲
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。
城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。