台風が去った後にやってきたのは未曾有の猛暑。小倉は引き続き高気圧に覆われて高温・晴れの週末を迎えそう。だが新潟には前線が近づいて土曜は晴れるものの日曜は気温も下がり天気も崩れそう。前線の上に位置する札幌は土・日とも晴れたり曇ったり。雨は降らなさそうだが、気温は多少下がりそう。
【新潟芝】
■乾いた速い芝→含水多めだが保持力を保った芝、先行差し互角、やや外有利
《Aコース2週目》
2週間雨が降っていない状況で先週の開幕を迎えた。土・日とも晴れで、土曜は1秒前後速い時計だった。日曜は1.4秒前後速い時計だった。
7月~8月前半の新潟は雨が非常に少ないことが多く、そのため芝が硬くなって高速馬場になりやすかった。シャタリング・エアレーションを積極的にやるようになってからある程度の軟らかさが確保できるようになったが、それでも速い時計が出やすいことは間違いない。
その後も雨が降っていないので、3週間近く雨が降ってないことになる。JRA_HPによれば先週より芝の含水率はさらに低いようだ。土曜はこのまま気温の高い晴れを想定し、先週並の1秒前後速い時計を想定する。
その後前線が低気圧を伴って近づくので、日曜は雨になるようだ。少なめの雨量で朝からずっと降り続くと考えて、(含水多めの)良→(含水多めの)稍重という推移を想定する。日曜は西南西の風(ゴール前直線で向かい風に相当)が強そうな分も加味して、0.3秒前後速い→0.2秒前後遅い、という推移を想定する。先行差し互角、やや外有利。
【新潟ダート】
■カラカラで時計がかかるダート→しっとり濡れた速めのダート、やや外有利、先行差し互角
先週は2週間雨が降らずにカラカラのダートだった。土曜は0.2秒前後速く、日曜は0.4秒前後速い時計だった。
中間にダートのメンテナンスがあったので、もう少し遅くなっているかと思ったが、時計面では春の開催の傾向がほぼ継続していた。
その後も雨が降らず、これで3週間まったく雨が降っていないことになる。土曜はカラカラのダートでタイム差なし前後の時計を想定する。日曜は朝から小雨が降り続くが、ダート戦は少ない上に、時間的にもトビトビなので、雨量の割には状態変化は大きいハズ。良→稍重→重という推移を想定し、0.2秒前後速い→0.6秒前後速い、という時計推移を想定する。やや外有利、先行差し互角。
【小倉芝】
■先週の台風の影響は僅少で今週も速い芝、逃げ・先行有利。やや内有利
《Aコース2週目》
先週の小倉も他場と同様2週間以上ほとんど雨が降ってなかった。土曜はカラカラに近い状態で1秒前後速い時計だった。日曜は台風の接近で午後から雨になり、メインレース前後には土砂降りになった。馬場発表は良→稍重だったが、11・12Rは限りなく重に近い稍重だったハズ。1~8Rまで1秒前後速く、10Rは0.5秒前後遅く、11・12Rは1.2秒前後遅い時計だったと考える。
月曜以降ずっと高温の晴れが続き、含水面では先週の台風の影響は残っていない様子。高気圧にすっぽり包まれた形になるので土・日とも風はそれほど強くないハズ。土曜は高温の晴れ、先週土曜並の速さの良を想定し、1秒前後速い時計を想定する。日曜も同様の天気で0.8秒前後速い時計を想定する。やや内有利、逃げ・先行有利。
【小倉ダート】
■乾き気味で力の要るダート。内外互角、やや先行有利
先週の土曜は晴れて目いっぱい乾いた状態の良で、0.6秒前後速かった。日曜は7Rまで良、9Rのみ稍重だった。もともとがカラカラな状態だったので濡れるのに時間がかかったはずだし、また9Rの頃はまだ雨の降りが弱かったので、1日を通して0.2秒前後速かったものとする。
先週の土・日を比較してカラカラの土曜の時計より雨が降った日曜の時計のほうが遅いのは、前述したように9Rまでに降った雨量が少なかったことに加えて、土曜は風がほとんどなく、日曜はゴール前での追い風が強かったせいもあるのかも。ゴール前の追い風は向う正面では向かい風になるので、意外に時計が速くならないようだ。
先週も書いたが、小倉のダートは凍結防止剤を使用する真冬の開催があるため平均タイムが遅い。そのため凍結防止剤を使用しない開催としては0.5秒前後速い…くらいが普通の時計に相当する。
今週は土・日ともピーカンの高温の晴れ。風は土・日とも強くなさそう。土・日とも0.3秒前後速い時計を想定する。やや先行有利、やや外有利。
【札幌芝】
■野芝並の速さを依然として維持した芝。やや先行有利、内有利
《Aコース2週目》
先週の札幌は10日くらい雨が降らない状態で開幕を迎えた。土・日とも晴れの良で、土曜が0.2秒前後速い時計、日曜が0.4秒前後速い時計だった。
先週は土・日とも不思議とスローペースが多く、本来はもう少し速くても不思議ではなかった感じ。といってもびっくりするほど速かった一昨年の札幌の芝ほどは速くない様子だ。
先週は札幌も高温だったが、今週は前線の上(北)に位置する関係で先週ほど気温は上がらないハズ。金曜日の段階で芝の含水率が先週より高いことになっているが、この含水の多少がレースに影響するとは考えづらい。
今週は土・日とも晴れまたは曇りで雨は降らないものと考える。芝の状態はまだ上々の状態を維持しているハズ。土・日ともあまり風もなさそう。土・日とも0.5秒前後速い時計を想定する。内有利、やや先行有利。
【札幌ダート】
■乾き気味でやや力の要るダート。やや先行有利、やや内有利
10日間ほど雨が降らないで迎えた先週は、週末も雨が降らなかった。土・日とも良で0.2秒前後遅い時計だった。
その後も雨は降らず今週のダートも目いっぱい乾いた状態。土・日とも良で0.2秒前後遅い時計を想定する。やや先行有利、やや内有利。

城崎哲
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。