週末は西高東低の冬型の気圧配置。寒気が吹き込むため雲が広がりやすいが、雨は降りそうもない。西風が多少強い。
【中山芝】
■状態良好でやや速い芝、やや内有利、やや先行有利
《Aコース2週目》
先週は火曜と水曜に0.5ミリずつ降っただけ。土・日とも乾き気味の速い芝だった。土曜は1.1秒前後速かった。日曜は0.7秒前後速かった。
中山は毎年9月開催でB・Cコースを使い、12月開催はAコースを使う。今開催はコース戻しが行われるため、内に目に見えないグリーンベルトが生じていることになる。
だが先週の競馬を見る限り、目立って内が伸びていた印象はなかった。これはシャタリング、エアレーション等で全体を軟らかくしているので、未使用の内の軟らかさと、既使用の外の若干のデコボコさ加減を差し引きすると、走りやすさにそれほど大きな差がつかないということなのかもしれない。したがってグリーンベルトの存在は今後あまり気にしすぎないほうが得策かもしれない。
今週は木曜に13.5ミリ降った。土・日は雨は降らない見込み。金曜正午時点で含水率はぎりぎり良と稍重の境目くらいなので、土・日とも良を想定する。芝の状態は引き続き良好だが、先週よりは多少軟らかめと考えて土曜は0.8秒、日曜は0.5秒前後速い時計を想定する。やや内有利、やや先行有利。
【中山ダート】
■路盤整備後2開催目のやや速いダート、やや外有利、やや先行有利
先週は火曜と水曜に0.5ミリずつ降っただけで、ダートは土・日とも乾き気味だった。それでも路盤が平らになった影響で時計が速く、土曜は1.7秒前後、日曜は1秒前後速い時計になった。
今週は木曜に13.5ミリ降り、同じ良でも先週よりかなり含水高めの状態。土曜は2秒前後速く、日曜は1.2秒前後速い時計を想定する。やや外有利、やや先行有利。
【阪神芝】
■やや軟らかめも乾き気味でそこそこ速い芝、やや内有利。やや先行有利
《Aコース2週目》
先週は水曜に2ミリ降っただけで、芝は乾き気味だった。4回開催が雨に降られてばかりいたので、それと比べるとだいぶ速い状態になっていた。土曜は0.9秒前後速い時計だった。日曜は0.5秒前後速い時計だった。
ただしレースを見ていると、開幕2週目の、しかも乾き気味の芝にしては土飛びが意外と多かった。やや軟らかめな状態なのかもしれない。
今週は月曜に0.5ミリ、火曜に8.5ミリ、木曜に4ミリ降った。金曜正午時点で稍重発表だが、木曜の雨は夕方から夜にかけて降ったもので、含水率では先週とほとんど変わらない。土曜の朝までにさらに水はけすると考えて、土・日とも良を想定する。やや強めの西風(ゴール前直線で向かい風)を想定し、土・日とも0.5秒前後速い時計を想定する。やや内有利。やや先行有利
今週のG1は阪神JF。今年の2歳は牝馬のほうが質が高いという話らしいが、それだけに能力伯仲で、勢力図は曖昧としている。主力騎手の多くが香港国際競走のほうに行ってしまったこともわかりづらさをひとしおにしている。
過去10年ではそれほどテンが速くなってないことが多い。今回もそれほど速い馬はいない。ハナを切るのはジョディー、ウインゼノビア、レッドアネモスあたり。どれが逃げてもそんなには速くならないのではないか。
不思議なことに前走のアルテミスSで最後方からごぼう抜きして圧勝したシェーングランツ◎が土曜朝段階で5番人気。前走がハイペースによって派手に演出された大外一気だったとしても、あれだけの末脚を使える馬はそういない。
ソウルスターリングの半妹で、父がフランケルからディープインパクトに変わったことも阪神芝1600で行われる2歳戦ということを考えればむしろプラス。出遅れた場合でも両サイドを先行馬に挟まれたことである程度前に行ける。
対抗はタニノミッション○。新馬戦で残り300mからチョイ伸びしてあっという間に後続に差をつけた。ほんの300m走って上がり33秒4ならクロノジェネシスの32秒5にそう負けていない。
以下クロノジェネシス、ウインゼノビア、ダノンファンタジー、レッドアネモス、ジョディー、ビーチサンバ、グレイシア。
【阪神ダート】
■標準的な含水で、標準的な時計のダート、内外互角、先行差し互角
先週は水曜日に2ミリ降っただけで、土・日とも砂は乾き気味だった。土・日とも良で、土曜は1.6秒前後速く、日曜は0.3秒前後速い時計だった。砂がカラカラだったために逆に底着きして速くなったのかもしれない。
今週はほどほどの含水のある良を想定し、かつ、やや強めの西風(ゴール前直線で向かい風)を想定し、土・日ともタイム差なしの時計を想定する。内外互角、先行差し互角。
【中京芝】
■状態よく、やや軟らかめの芝、やや内有利、先行差し互角
《Aコース2週目》
先週は水曜に2ミリ降っただけ。芝には積極的に散水していたが、それでも含水率はかなり低めだった。その分時計はそこそこ速く、土・日とも良で0.8秒前後速い時計だった。
先週は今の時期に散水量が多い理由を疑問に思っていたが、調べてみたら中京は11月11日からずっと晴れ続きで、その間に降ったのが水曜の2ミリだけだった。要するに単純に芝のためにまく必要があった散水だった。
今週は月曜に1.5ミリ、火曜に5.5ミリ、木曜に5.5ミリ降った。その分散水は一回もしていないが、先週とほぼ同じ程度の軟らかさになっているハズ。芝の状態はよく、土・日の馬場状態は良を想定、またやや強い北西の風(3~4コーナーで向かい風)を想定し、土・日とも0.3秒前後速い時計を想定する。やや内有利、先行差し互角。
【中京ダート】
■ある程度含水ある標準的な速さのダート、やや先行有利、やや外有利
先週はほぼ3週間晴れが続いた中、水曜に2ミリ降っただけで、砂はカラカラに近い状態だった。土・日とも良で、土曜は0.2秒前後速く、日曜は0.4秒前後速かった。
7月の中京が良で1秒~1.5秒速かったのと比べると、かなり遅くなっているのは、インターバルの間に砂の継ぎ足し等の修正が入ったのではないかと考える。ダートが乾いていたせいで遅くなった可能性もあるが、ダートがカラカラだと逆に底付きして速くなることもあるので、含水率のせいではないと思う。いずれにせよきちんと判断するにはもう少し継続して見る必要がある。
今週は月曜に1.5ミリ、火曜に5.5ミリ、木曜に5.5ミリ降った。この先雨が降る気配はないので、土・日は良を想定するが、先週ほど乾いたダートにはならないハズ。土・日とも0.6秒前後速い時計を想定する。やや先行有利、やや外有利。

城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。