西高東低の冬型の気圧配置が次第に緩み、西から高気圧に覆われるため、土曜は全国的に晴れ。3場とも風もあまり強くなさそう。日曜は高気圧がゆっくり東に抜け、西から天気が崩れ始める。中京と中山は曇りで競馬できそうだが、午後の阪神は小雨になるかも。日曜も風はそれほど強くないハズ。
【中山芝】
■状態良好でやや速い芝、やや内有利、やや先行有利
《Aコース3週目》
先週は木曜に13.5ミリ降った。土・日とも良だったが、先々週ほど乾いた状態ではなかった。土・日ともタイム差なし前後の時計だった。
今週は火曜に5.5ミリ、水曜に13.5ミリ降った。土・日は降らない見込みで、先々週と先週の中間くらいの含水率になるハズ。2週競馬で使われたが、みっちり芝が生えている様子で、そう簡単に状態は変わらないハズ。土曜は0.3秒速い時計を想定する。日曜はタイム差なし前後の時計を想定する。やや内有利、やや先行有利。
【中山ダート】
■路盤整備後2開催目のやや速いダート、やや外有利、やや先行有利
先週は木曜に13.5ミリ降り、ダートは土曜の2Rまで稍重で、その後は良になった。土曜は0.8秒前後、日曜は0.6秒前後速い時計になった。
今週は火曜に5.5ミリ、水曜に13.5ミリ降った。先週とほぼ同じくらいの含水率になるハズで、土・日とも0.6秒前後速い時計を想定する。やや外有利、やや先行有利。
【阪神芝】
■日曜に雨が降ってもそれほど遅くならない、やや内有利。やや先行有利
《Aコース3週目》
先週は月曜に0.5ミリ、火曜に8.5ミリ、木曜に4ミリ降った。芝は土・日とも良で、0.5秒前後速い時計だった。やや強めに北西の風(G前直線で向かい風)が吹いていた影響も多少あるかもしれない。
JRA-HPの写真を見ると、3コーナー内側の芝がよく残っている。今秋に入ってからAコース使用はすでに10週目だが、芝の状態はまだまだ行けそうな感じだ。
今週は火曜に0.5ミリ、水曜に5ミリ降った。先週より含水率は少なそうで、土曜はスタート時点から良で競馬できるものと考える。風の向きは先週とほぼ同じだが、先週ほど強くは吹かないものと考えて、土曜は0.7秒前後速い時計を想定する。日曜は曇りで、メーンレース前後に小雨が降り始めるかも。だが馬場状態を変えるほどは降らないものと考え、良の想定のまま、0.2秒前後速い時計を想定する。やや内有利。やや先行有利
今週のG1は朝日杯FS。1着賞金は7000万円で、同じ2歳G1でも先週の阪神JFと比べて500万円だけ高い。だがそう大きくは変わらない。普通は少しでも勝てる見込みのあるほうを選ぶが、どっちでも勝てるなら500万円高い方を選ぶかもしれない。
グランアレグリア◎が阪神JFではなくこっちを選んだのは、先週はルメールが香港国際競走に行ってしまうため、1週遅らせてルメールを確保したという話だが、藤沢厩舎にはもう1頭シェーングランツという本命級の牝馬がいたから、この使い分けはむしろ自然に見える。ちなみにシェーングランツが社台RH、グランアレグリアはサンデーR、さらに阪神JF2着のクロノジェネシスがサンデーR…と考えると、この馬がこっちに回ったのは回るべくして回ったのだという気がしてくる。
ここまでの2歳混合重賞は牝馬の1・2着が多く、2歳牝馬のレベルの高さを裏付けている。グランアレグリアは6月の新馬戦で先週勝ったダブルファンタジーに楽勝。しかも勝ちタイムは1分33秒6、上がりが33秒5で、時計的にも秀逸。ほとんど追わずに楽勝した前走のサウジアラビアCは出遅れ気味だったが、初戦は好発だったし、とくにスタートに不安があるわけでもなさそう。死角が見当たらない。
対抗○がアドマイヤマーズ。以下マイネルサーパス、ニホンピロヘンソン、ドゴール、ファンタジスト、ケイデンスコール、ディープダイバー、イッツクール。
【阪神ダート】
■標準的な含水率で標準的な速さのダート、やや内有利、逃げ・先行有利
先週は月曜に0.5ミリ、火曜に8.5ミリ、木曜に4ミリ降った。土曜の1~3Rが稍重、それ以降は良だった。土・日ともほぼタイム差なし前後の時計だった。
今週は火曜に0.5ミリ、水曜に5ミリ降った。含水はほぼ先週と同じくらいだが、風は先週ほど強くないと想定し、土曜は0.2秒前後速い時計を想定する。日曜は曇り、メーンレース前後から小雨が降る可能性もあるが、馬場状態を変えるほどは降らないものと考え、良想定のまま0.5秒前後速い時計を想定する。やや内有利、逃げ・先行有利。
【中京芝】
■やや軟らかめの芝で外差し傾向が始まる、やや内有利、先行差し互角
《Aコース3週目》
先週は月曜に1.5ミリ、火曜に5.5ミリ、木曜に5.5ミリ降った。また土・日とも北西の風(3~4コーナーで向かい風に相当)が強かった。時計は土曜が0.5秒前後速く、日曜はタイム差なし前後だった。
先週から少しずつ外差し傾向が出つつある印象。中京は夏の養生期間が短いので、見た目以上に芝が耕されやすい感じだ。3週目の今週はもう少しはっきりした傾向になるかもしれない。
今週は火曜に9ミリ、木曜に10.5ミリ降った。土曜の芝の含水率はほぼ先週同様だが、午前中の数レースは稍重で行われるかも。その後は良を想定、先週ほど風は強くないと考えて、土曜は0.3秒前後速い時計を想定する。日曜は午後から雲が増えるが雨になる前に開催を終われるハズ。タイム差なし前後の時計を想定する。内外互角、先行差し互角。
【中京ダート】
■含水高めで多少速いダート、先行差し互角、やや外有利
先週は月曜に1.5ミリ、火曜に5.5ミリ、木曜に5.5ミリ降った。土・日とも良で行われた。先々週も多少風はあったが、強く吹いたのはメーンレース前後だけだったのに対して、先週は土・日とも北西の風(3~4コーナーで向かい風に相当)が一日中強めに吹いていた。土曜は0.3秒前後遅く、日曜は0.6秒前後遅かった。
先週の当欄で、夏の時計と比較して中京ダートの時計が大幅に遅くなっていることを指摘した。先週もその傾向が確認できた。たぶん夏と秋の開催の間に大量の砂の継ぎ足しがあったのだと想像する。
今週は火曜に9ミリ、木曜に10.5ミリ降った。先週よりも含水率は高く、稍重→良という推移を想定する。気温が低いので砂の乾きも遅いハズ。土曜は0.5秒前後速い時計を想定する。日曜はやや乾いて0.3秒前後速い時計を想定する。

城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。