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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2018年12月22日(土)更新

いざ、グランプリの馬場状態は?

日本海と太平洋にある2つの高気圧に挟まれた気圧の谷が本州上空にあるため、雲ができやすい状況になっている。また九州の南にある低気圧が、土曜に太平洋側をすり抜けるように通過しつつ本州に湿気を吹き込む。

阪神の雨は土曜の午前中までで上がり、開催中は晴れたり曇ったり。中山は土曜の午後に雨が降りそうだが、日曜は晴れのち曇り。両場とも風はあまり強くないハズ。


【中山芝】


■芝の状態いいが多少内が緩くなっている印象、内外互角、やや先行有利


《Aコース4週目》

先週は火曜に5.5ミリ、水曜に13.5ミリ降り、土・日とも晴れた。土曜は0.6秒前後速く、日曜はタイム差なし前後の時計だった。

土曜から日曜にかけての時計変化が大きいのは、芝の傷みがやや進んできたキザシという可能性もあるが、芝の写真を見るといかにも状態はよさそう。土曜は7R未勝利戦と9Rひいらぎ賞のレベルが若干高かったために平均時計を押し上げたのかもしれない、と考えて、外差しを過剰に意識しすぎないようにする。

今週は月曜に3ミリ降っただけ。午前中は先週とほぼ同じような乾いた良で、かつ大一番に向けて念入りに整備されている(ハズ)。プラスαを加味して0.7秒前後速い時計を想定する。土曜の昼過ぎから夕方にかけて雨が降りそうだが、稍重までの悪化と考えてタイム差なしの時計を想定する。日曜は良を想定し0.5秒前後速い時計を想定する。内外互角、やや先行有利。


今週のG1は有馬記念。2016年から1着賞金が3億円に増額されJCと肩を並べた。タイプの違う両者を双峰に並べて有馬を頂上決戦の場にしたかったのだろうが、残念ながら今回は同じ財布の2頭が対決を避ける結果になった。

両者と対戦して、いずれも惜敗しているのがキセキ◎。もともと不器用な追込み馬だったが、日経賞を境に前に行き始め、天皇賞はレイデオロの0.2秒差3着、JCはアーモンドアイの世界レコードの0.3秒差2着と、脚質転換に見事に成功した。だがどちらも舞台は東京だった。

逃げ馬にとって東京より中山のほうがいいことは一般論として周知の事実。多少枠順が外めでも、ここは十分にハナが切れる組み合わせ。今回舞台が変わることで逃げ馬としてのパフォーマンスがさらにアップする可能性はあるハズ。JCのレコード好走の反動はあるかもしれないが、そこは目をつぶってないものとする。

当然相手はレイデオロ○。以下サトノダイヤモンド、クリンチャー、モズカッチャン、マカヒキ、パフォーマプロミス、ミッキースワロー、シュヴァルグラン、ブラストワンピース。



【中山ダート】


■路盤整備後2開催目のやや速いダート、やや外有利、やや逃げ・先行有利


先週は火曜に5.5ミリ、水曜に13.5ミリ降り、土・日とも晴れた。土曜は1~3Rが稍重、それ以降は良で、0.5秒前後速かった。日曜は0.6秒前後速い時計になった。

今週は月曜に3ミリ降っただけ。土曜のスタート時点ではカラカラに近いハズ。カラカラだと砂がバラけやすいので路盤に蹄が着きやすく、逆に速くなる可能性がある。土曜の午前中は1秒前後速いダートを想定する。土曜の午後は雨になりそうだが、カラカラの状態で表面だけ濡れるのでむしろ遅くなる可能性があり、タイム差なし前後の時計を想定する。日曜は先週並の状態と考えて0.5秒前後速い時計を想定する。やや外有利、やや逃げ・先行有利。



【阪神芝】


■Bコース替わりも土曜朝方の雨でやや馬場が緩む、やや内有利、先行差し互角


《今週からBコース》

先週は火曜に0.5ミリ、水曜に5ミリ降った。芝は土・日とも良で、0.5秒前後速い時計だった。ただし土曜はやや強めに北風(ゴール前直線で斜め向かい風)が吹いていたが、日曜は風はほとんど吹いてなかった。だから風の影響を差し引きした上で芝自体の状態として考えれば土曜のほうが多少速かったかもしれない。

JRA-HPの写真を見ると、3コーナー内側の芝がよく残っていることがわかる。先週も同じことを書いたが、今週はBコース替わりしてさらに上積みがありそうだ。

以前の阪神では、AコースとBコースの使用頻度がほぼ同じだったので、Bコースに替わると逆に内が傷んでいることがよくあったが、今は3対1くらいでBコースの使用頻度が少ない。そのためBコース替わりがあった場合は、素直に内の芝がよくなったという受け止め方でいいハズ。

今週は日曜に10ミリ、月曜に2.5ミリ降った。さらに金曜の夜から土曜の朝にかけて4ミリ程度雨が降った。競馬が始まるまでに雨は止み、その後は晴れたり曇ったりのハズ。土曜は稍重→良という推移を想定し、0.2秒前後速い時計を想定する。日曜は夕方頃雨が降る可能性もあるが、その前に競馬を終えると考えて、晴れの良を想定し、0.5秒前後速い時計を想定する。やや内有利、先行差し互角。




【阪神ダート】


■やや含水率高めで多少速いダート、内外互角、やや逃げ・先行有利


先週は火曜に0.5ミリ、水曜に5ミリ降った。ダートは土・日とも良で、土曜は0.5秒前後速く、日曜は0.2秒前後速かった。

今週は日曜に10ミリ、月曜に2.5ミリ降った。さらに金曜の夜から土曜の朝にかけて4ミリ程度雨が降った。金曜時点での含水率が10%超だったので、このまま稍重発表だったとしても土曜の競馬開始時点では重に匹敵するくらいの含水量になっているハズ。ただし土曜の雨は競馬開始前にやみそう。土曜は稍重想定で、1秒前後速い時計を想定する。

日曜は晴れるが、気温が低い現状では砂の乾きも遅いハズ。稍重を想定し0.5秒前後速い時計を想定する。内外互角、やや逃げ・先行有利。



城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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