土曜の東京と小倉は次第に晴れそうだが、京都は雲が残りそう。日曜は冬型の気圧配置となって3場とも晴れそう。土・日とも小倉は風がやや強そう。
【東京芝】
■先週の開催順延の影響はほとんどなし、芝の状態上々、内外互角、やや差し有利
《Dコース4週目》
先週は水曜に10ミリ降った。また土曜は降雪を見込んで開催中止になったが、実際に雪が降ったのは土曜の夕方からで、日付が変わる頃まで降って降雨量は0ミリ、積雪にして1センチあるかないかだった。土・日ともスローペースが多かったのであまり信頼できるジャッジではないが、土・日とも良で0.2秒前後速かったと考える。
雪かきをするにしても東京の場合は人海戦術が可能で器械に頼らずやれるため、芝の傷みが少ないことが多い。先週の雪は降雪量自体少なかったし、影響も僅少だったと考える。
今週は雨が降ってない。土・日も晴れそう。土・日とも良を想定し、先週より速くなると考えて、0.5秒前後速い時計を想定する。内外互角、稍差し有利。
【東京ダート】
■凍結防止剤入りで時計がかかるダート、やや外有利、やや差し有利
先週は水曜に10ミリ降った。また土曜は降雪を見込んで開催中止になったが、実際に雪が降ったのは土曜の夕方からで、日付が変わる頃まで降って降水量にして0ミリ、積雪にして1センチあるかないかだった。日曜は4Rまで重、それ以降は稍重で0.8秒前後遅く、月曜は一日中稍重で同じく0.8秒前後遅かった。
先々週の金曜に凍結防止剤がまかれた。先々週の時計は稍重で速かったが、先週になると時計が遅くなった。ダートでは除雪の際に器械で砂と雪をまぜこぜにするため、砂と凍結防止剤がかき混ぜられて雪かきの後のダートは時計が遅くなるものと考えている。
今週は10日ほど雨が降ってない。土・日も晴れそう。凍結防止剤が砂中にある乾き気味のダートと考えて、土・日とも良を想定し、0.8秒前後遅い時計を想定する。やや外有利、やや差し有利。
今週のG1はフェブラリーS。1着賞金1億円。1着賞金7億9000万円のドバイWC、1着賞金1億6500万円のドバイゴールデンシャヒーンのステップレースとして定着している。今回出走馬のうちドバイWCにはゴールドドリーム、ノボバカラ、ノンコノユメの3頭、ゴールデンシャヒーンにはコバノキッキング、モーニン、ノボバカラの3頭が予備登録しているが、1番人気のインティの登録はない。
インティ◎はもともと体質が弱かったらしく、4歳の4月までデビューが遅れ、間に1年の休みを挟んでの6連勝であり、かつ前走が初めての重賞挑戦だった。ドバイを視野に入れる前にポンポンと勝ち上がってしまったのだろう。しかし6連勝はすべて圧勝。東京のダートマイルで先行脚質がどうかだが、実はこの馬は末脚が強烈。前にいる馬にいちばん速い脚を使われたのでは他の馬にはなすすべがない。
相手筆頭がサンライズソア、以下オメガパフューム、ゴールドドリーム、コバノキッキング、ノンコノユメ、モーニン、サンライズノヴァ、ユラノト。
【京都芝】
■路盤が軟らかく時計がかかり気味、内外互角、先行差し互角
《Bコース4週目》
先週は日~月曜にかけて7ミリ、水曜に2ミリ降った。土・日は晴れて日曜は芝に散水もしている。土曜は良で0.9秒前後遅い時計だった。日曜も良で1.2秒前後遅い時計だった。
押しなべて時計は遅いが、芝の状態はよさそうだ。やや最内は避けている感じだが、大きくは広がらずに馬群の真ん中付近を抜けられた馬の好走が目立っている。
今期の京都の管理面での特徴は、日曜の昼前(?)に散水していることだ。それによって日曜の馬場の乾きすぎを防止し、時計をコントロールすることに成功しているようだ。ちなみに日曜に散水することに関しては「馬場状態を恣意的に変えることになるから」という理由で、まだ馬場造園課としての統一見解にはなってないハズ。試験的な試みなのかどうか京都はそれを先んじてやっていることになる。
京都はここまで10日間ほど雨が降っていない。ただし先週より多少含水多めだ。このまま雨が降らないものと考えて、ほぼ先週並の時計と考える。土・日とも良を想定し、1.3秒前後遅い時計を想定する。内外互角、先行差し互角。
【京都ダート】
■時計から推測するに凍結防止剤入り(?)でやや遅いダート、やや外有利、先行差し互角
先週は日~月曜にかけて7ミリ、水曜に2ミリ降った。その分の含水が残って土・日とも稍重だった。土曜はタイム差なし前後、日曜は0.7秒前後遅い時計になった。
1月に入ってから含水量の多寡にかかわらず時計が徐々に遅くなっている。遡って調べてみると、1月5日の段階で京都の課長さんが「まだ凍結防止剤はまいてません」と言っている。「まだ」と言っている点が気になるが、とりあえず他に考えようがないので、昨年5回京都と1回京都の間のインターバル期間中に凍結防止剤をまいたのだと考えた。その影響がまだ残っているものとここでは考えることにする。
今週の中間は雨が降っていない。このまま週末も雨が降らないものと考え、土・日とも先週より乾いた良になると想定し、1秒前後遅い時計を想定する。やや外有利、先行差し互角。
【小倉芝】
■目いっぱい軟らかいセッティングで時計がかかる、内外互角、先行差し互角
《Aコース2週目》
先週は水曜に1.5ミリ、木曜に0.5ミリ降った。開催日も土曜と日曜にそれぞれ小雨が降った。土曜は1.5秒前後遅く、日曜は1.9秒前後遅い時計になった。
週日、週末ともに、まとまった量は降らなかったが、断続的に降って、幾分下が緩んでいたのかもしれない。だがそれにしても予想したよりもずっと遅い時計になった。スローペースのレースはほとんどなく、風も弱かったので、この時計は芝の問題だ。
もちろんJRAはエアレーションやシャタリング等で路盤を耕し、遅い時計になるような軟らかめのセッティングをしている。だから遅い時計が出るのはある意味狙い通りなのだが、開幕週でこの含水でこの時計というのは相当な遅さだ。
小倉の場合は年に2回しか開催がなく、この1回開催が終わると次の開催は真夏までない。したがってこの開催で芝がかなり傷んでしまったとしても十分夏までにリカバリが可能だし、芝のデキもいいので、ここは目いっぱい軟らかくした結果と考えるべきかもしれない。だとしたら今週も遅い時計は継続するハズ。
今週は月曜に4.5ミリ降った。また金曜の夜に0.5ミリほど降ったようだ(もう少し降るかと思ったが意外と降らなかった)。土・日とも良を想定し、1秒前後遅い時計を想定する。内外互角、先行差し互角。
【小倉ダート】
■含水高めだが(凍結防止剤入りで?)やや遅いダート、やや内有利、やや先行有利
先週は水曜に1.5ミリ、木曜に0.5ミリ降った。開催日も土曜と日曜にそれぞれ小雨が降った。土曜は0.9秒前後遅く、日曜は1.3秒前後遅い時計になった。
前回「中間に凍結防止剤をまいたとは書いてないので、それはそのまま受け止めることにする」と書いたが、1年前にオーバーホールしたダートコースで、しかも稍重で、このペースでこの時計は、砂に凍結防止剤が入っていたからだ、というくらいしか考えられない。
HPに「クッション砂の凍結防止のため、コース全面に凍結防止剤を散布する場合があります」という断り書きがあるのは、インターバル期間中に凍結防止剤をまいてもいちいち作業としてHPには書き残さない、という意味だと思う。だが砂に入った凍結防止剤は、まいた直後の時計に影響が出るというよりも、むしろその後徐々に影響が出てくるものだし、影響はその後何週にもわたって残るものだ(と当方は考えている)。だから凍結防止剤のまいた・まかないは、芝のシャタリングやエアレーションと同じく、逐一HPに記載してほしいと思う。
今週は月曜に4.5ミリ降った。また金曜の夜に0.5ミリほど降ったようだ。土曜は稍重→良という推移を想定し、1秒前後遅い時計を想定する。日曜は良を想定し、やはり1秒前後遅い時計を想定する。やや内有利、やや先行有利。

城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。