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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2019年02月23日(土)更新

中山・阪神の馬場状態を先読み!

南岸にあった低気圧が東に遠ざかり、3場とも土・日に雨が降る心配はなさそう。ただし土曜はやや風が強そう。


【中山芝】


■今週からAコース、見かけ白くても内の芝の状態上々、やや内有利、先行差し互角


《今週からAコース》

今週からAコースに戻る。Aコースは昨年の5回中山で1カ月使われたが、その間開催が雨に当たったのは、12月22・23日の1週だけで、それも2日合わせて1.5ミリ降っただけだった。

JRA_HPの写真を見ると、3~4コーナー内側がだいぶ白くなっているが、これは1月が寒かったために追い蒔きした洋芝の育ちが悪かったのだろう。インターバルの間に「芝馬場のクッション性確保のためエアレーション作業を実施」できるくらいだから、野芝の状態は悪くないハズ。またむしろB・Cコースで競馬した時のほうが雨が多かったので、内めのほうが伸びる状態になっている可能性が高い。

今週は火曜と水曜に数ミリ降っただけ。低気圧が接近した昨夜も結局雨は降らなかった。土・日とも良を想定し、0.4秒前後速い時計を想定する。やや内有利、先行差し互角。ただし土曜は北北東の風(G前で向かい風)がやや強そうなので、先行馬がより苦労するかもしれない。



【中山ダート】


■まだ凍結防止剤の影響を残す遅めのダート、やや外有利、やや先行有利


中山ダートは例年12月の最終週頃に凍結防止剤をまく(今年度もそれを踏襲している)。それから1カ月半くらいたっている。ではもう凍結防止剤の影響はなくなっているかというと、毎年2回中山の1・2週目くらいまでは時計の遅さが続くようだ。

というのは1月~2月前半はおしなべて雨が少ない。そのため凍結防止剤が流されることなく砂の中にとどまるのではないか。だが2月後半から3月にかけて雨が増える。凍結防止剤の影響が消えるのは、まとまった雨が何度か降って砂が洗われてからだ(とぼくは思っている)。

火曜と水曜に数ミリ降っただけ。土曜は朝のうち雲が多かったが、このまま雨が降らず開催が始まる頃には晴れそう。また土曜中は北北東の風(G前で向かい風)がやや強そう。土・日とも良を想定し、0.5秒前後遅い時計を想定する。やや外有利、やや先行有利。



【阪神芝】


■洋芝がよく伸びていてやや力を要求する芝、内有利、やや先行有利


《Aコース1週目》


阪神のコースはA・Bの二つしかなく、春は梅雨、秋は長雨の時期に開催があり、開催間のインターバルも短く、メンテナンスの難しさがある。その反面阪神に内・外回りがある効果はきわめて大きい。加えて真冬の開催がないことも大きい。しかも阪神は夏のメンテナンスでシャタリングを省略し、さらにエアレーションも年に2回程度しかやらないのが通例。

そのためうまいこと雨に当たらない年には、中央4場の中でもっとも芝がきれいで、もっとも芝が速い競馬場になるが、雨に当たる機会が多い年には芝がボロボロになってしまうリスクも抱えた競馬場でもある。

今年の阪神は9月の開催でかなり雨にたたられた。だが12月の開催を見ると、その割に内めが悪くなっている感じはなかった。JRA_HPの写真を見ても、内外まんべんなく洋芝が生え揃ってすごくきれいに見える。芝の写真が発表されるようになって以降、こんなによく洋芝が生え揃った写真は見たことがないような気がする。これだけ洋芝が伸びてもやっぱり硬めで速いのか、それとも洋芝の長さがスピードを吸収してくれるのか…が気になる。

今週は火曜に11.5ミリ降った。それ以降は雨は降ってない。土曜はやや含水多めの良を想定する。また北北西の風(3~4コーナーで向かい風)がやや強そう。0.2秒前後速い時計を想定する。芝が乾き、風も弱くなる日曜は0.8秒前後速い時計を想定する。内有利、やや先行有利。




【阪神ダート】


■土曜は北北西の風の影響あり、やや外有利、やや先行有利


真冬の開催がない阪神の場合凍結防止剤は年間を通じて使われないことが多い。だが阪神は6月と9月という雨の多い月に開催があるため、ダートの含水が多めになることが多く、その分平均時計が速い。比較上雨の降らない日の時計が遅くなりやすい。

今週は火曜に11.5ミリ降り、土曜開催前の時点では稍重だったが、気温もかなり高くなっているし、競馬が始まればレースごとにハローがかけられるので砂はどんどん乾くハズ。また土曜は北北西の風(3~4コーナーで向かい風)がやや強そう。土曜は良を想定し、タイム差なし前後の時計を想定する。日曜は砂は乾くがコーナーの向い風がなくなる。良を想定し、やはりタイム差なし前後の時計を想定する。やや外有利、やや先行有利。



【小倉芝】


■目いっぱい軟らかいセッティングでやや時計がかかる、やや外有利、先行差し互角


《今週からBコース》

先々週は土曜が稍重、日曜が稍重→良でいずれも1.5秒以上遅かったが、先週は土・日とも標準的な含水の良で、土曜は0.7秒前後遅く、日曜は0.5秒前後遅かった。

夏の開催の小倉は野芝100%なので、かなり耕していてもクッションがよすぎてやっぱり速くなりがち、それに対して冬の開催はガンガン耕している上に洋芝がふさふさ生えて相当遅く、時計面では両極端になる。

今週は火曜に23.5ミリ降ったが、週末の芝の含水は先週より小さいハズ。時計も先週より速く、とくに土曜は北北東の風(ゴール前で斜め追い風)がやや強いと考えられることから、土曜は良で0.3秒前後速い時計を想定する。日曜は風がなくなることから良で0.3秒前後遅い時計を想定する。やや外有利、先行差し互角。



【小倉ダート】


■火曜の雨で凍結防止剤が流れた可能性あり、やや内有利、逃げ・先行有利


先週は週初めの月曜に4.5ミリ降った。また先週のこの欄には「金曜の夜に0.5ミリほど降ったようだ」と書いたが、金曜の雨は降水量としてはカウントされなかった。土曜は稍重で1.5秒前後遅く、日曜は良で0.4秒前後遅い時計になった。

先々週・先週の時計から、インターバル中メンテナンスのために凍結防止剤を使って、それがまだ砂の中に残っているのだと考えた。

だが今週は火曜に23.5ミリ雨が降った。早朝から午後まで降り続いた雨で、凍結防止剤がかなり流された可能性がある。ただしどれくらい流されたかは時計を見てみないとわからない。また土曜は北北東の風(ゴール前で斜め追い風)がやや強そうだ。稍重→良という推移を想定し、0.3秒前後速い時計を想定する。日曜は風のない良を想定し、タイム差なし前後の時計を想定する。やや内有利、逃げ・先行有利。



城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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