土曜は列島を二つの低気圧が挟み込むようにして進んでいく一方、三陸沖にある高気圧から湿暖気が吹き込む。阪神は朝のうちに雨がやみそうだが、中山と福島は一日中強い雨が降り続く。また3場とも風が強そうだ。とくに中山と福島は低気圧と高気圧の風の合流点に位置するため、雨風ともに強い“春の嵐”になりそう。
日曜は低気圧が離れていき、3場とも曇りまたは晴れになりそう。
【中山芝】
■含水多く、内が傷んでぬかるんだ芝、中~外有利、差し有利
《Bコース3週目》
先週は木曜に1ミリ降っただけ。土曜は晴れ、乾き気味の芝で0.9秒前後速かった。日曜は朝のうち5ミリ程度降り、曇り、稍重で0.5秒前後遅かった。
土曜の芝は乾き気味だったにもかかわらず、大きめの馬番の活躍が目立った。ニュージーランドTなど勝ち馬は相当外を回っていたが結局差し届いた。日曜は朝のうちの5ミリ程度の雨で稍重になり、内を走った馬が失速する競馬が目立っていた。
中山の芝コースは内外回り合流点の3~4コーナーがとくに傷むが、直線では馬群がバラけるので、全体がまんべんなく傷む感じになりやすい。そのため皐月賞で内から穴馬が突っ込んでくることが多かった。その経験則を生かしたいところだが、今の直線は、そういう経験則が通用しないほど傷みが進んでいる。とくに土曜は一日中大雨になりそうで、もし開催を強行した場合は泥沼のような競馬になりそうだ。午前中のレースが終わった時点で中断し、残りは月曜に順延する可能性がある。
土曜の芝レースは4R以降。雨だけならともかく風がある程度以上に強くなれば芝戦が行われない可能性もある。その場合でも、50ミリを超えるような雨量が予想されることから、日曜の芝がたっぷり水を含んで内がぬかるんで緩くなっていることは間違いない。土曜の競馬が月曜に順延した場合、日曜の競馬が行われた後なので、内の傷みがさらに進んでいるハズ。今の中央ではめったにみられない、典型的な外差しの馬場になりそうだ。
今週は月曜から火曜朝にかけて66.5ミリ降った。その後は晴れたり曇ったりだった。土曜の開催開始までに25ミリ程度すでに降っている上に、この先さらに雨が強くなる。しかも強風も予想され、土曜の芝のレースは行われない可能性が高いと思う。土曜の芝戦が行われた場合は、不良で3秒前後遅い時計を想定する。日曜は不良→重という推移を想定し、2.5秒以上遅い時計を想定する。月曜は稍重→良という推移を想定し、1.2秒前後遅い時計を想定する。中~外有利、差し有利。
【中山ダート】
■水が浮いて目いっぱい速いダート、やや外有利、逃げ・先行有利
先週は木曜に1ミリ降っただけ。土曜は晴れ、含水多めの良のダートで0.5秒前後速かった。日曜は朝のうち5ミリ程度降り、曇り、稍重で0.3秒前後速かった。
今週は月曜から火曜朝にかけて66.5ミリ降った。その後は晴れたり曇ったりだった。土曜は開催開始までに25ミリ程度すでに降っている上に、強雨に加えて強風が予想され、やれても午前中までではないか?強い南風(ゴール前直線で追い風)も考えられることから、不良で、2秒以上速い時計を想定する。日曜は不良を想定し、2秒以上速い時計を想定する。月曜は重→稍重という推移を想定し、1秒前後速い時計を想定する。中~外有利、逃げ・先行有利。
【阪神芝】
■やや傷みかけの上に水をたっぷり含んだ時計がかかる芝、やや中~外有利、やや逃げ・先行有利
《Bコース3週目》
先週は10日間晴れが続いた状態で、土曜も晴れ、乾いた良で0.3前後速い時計だった。日曜は開催開始とほぼ同時に雨が降り始め、開催終了までに10ミリ弱降った。稍重→重という推移で2秒前後遅い時計だった。
土曜はともかく日曜は大きめの馬番の馬が好走していた。だが桜花賞は、勝ったデアリングタクトは大外回っていたが、内内を逃げたスマイルカナが3着し、2着のレシステンシアも2番手追走だった。最終レースも最内通った馬と大外回った馬の対決になり、内を通った馬が勝っていた。外のほうがやや良いが、距離分を考えるとまだ内外互角の状態っぽい。
今週の土曜は早朝に20ミリ強降って、この先は小雨→曇り→晴れ、重~稍重を想定し、2秒前後遅い時計を想定する。土曜は西風(ゴール前直線で向かい風)が強く吹きそう。日曜は晴れ、稍重→良という推移を想定し0.5秒前後遅い時計を想定する。やや中~外有利、やや逃げ・先行有利。
【阪神ダート】
■含水多めで速いダート、やや外有利、やや先行有利
先週は10日間晴れが続いた状態で、土曜も晴れ、乾いたダートで0.4秒前後遅い時計だった。日曜は開催開始とほぼ同時に雨が降り始め、開催終了までに10ミリ弱降った。良→稍重という推移で0.4秒前後遅い時計だった。
今週は月曜に14ミリ降った。土曜も早朝に20ミリ強降った。この先は曇り→晴れ、不良を想定し、2秒前後速い時計を想定する。土曜はとく土曜は西風(ゴール前直線で向かい風)が強く吹きそう。日曜は晴れ、重→稍重という推移を想定し、0.5秒前後速い時計を想定する。やや外有利、やや先行有利。
【福島芝】
■含水多めで時計がかかる芝、やや外有利、逃げ・先行有利・先行差し互角
《Aコース2週目》
先週は10日くらい雨が降っていなかった。その分多めに散水していた。土曜は晴れ、良で、0.3秒前後速い時計だった。日曜は晴れ時々曇で、良で、タイム差なしだった。
今週は月曜に15ミリ雨が降った。その後水曜に1回散水した。また土曜の開催開始前に5ミリ程度降った。土曜は雨、稍重→重→不良という推移を想定し、タイム差なし→2秒前後遅い時計を想定する。土曜は東北東の風(ゴール前直線で斜め向かい風)が強そう。日曜は晴れ、重→稍重→良という推移を想定し、タイム差なし前後の時計を想定する。やや外有利、先行差し互角。
【福島ダート】
■含水多めで速いダート、逃げ・先行有利、やや外有利
先週は10日くらい雨が降っていなかった。土曜は晴れ、乾き気味の良で、0.7秒前後遅い時計だった。日曜は晴れ時々曇りで、良で、0.4秒前後遅い時計だった。
今週は月曜に15ミリ雨が降った。また土曜の開催開始前に5ミリ程度降った。土曜は雨、稍重→重→不良という推移を想定し、2秒前後速い時計を想定する。土曜は東北東の風(ゴール前直線で斜め向かい風)が強そう。日曜は晴れ、不良→重という推移を想定し、1秒前後速い時計を想定する。逃げ・先行有利、やや外有利。

城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。