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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2020年06月06日(土)更新

【安田記念・鳴尾記念など】今週の馬場予報

太平洋の南に梅雨前線ができていて九州の南にかかっている。また日本海側と太平洋側に高気圧がある。日本は高気圧に挟まれて気圧の谷になっている。本州が梅雨前線の影響を受けるのはまだ先だが、日本海側の高気圧から湿った空気が吹き込むため、土曜の東京は曇りで、午後に雨が降る可能性がある。阪神は晴れたり曇ったり。

日曜は高気圧に覆われて2場ともおおむね晴れそう。


【東京芝】


■地下茎が張っているが水をたっぷり含んだ軟らかい芝、内外互角、先行差し互角

《Cコース2週目》

先週は木曜に1.5ミリ降っただけ。その代わり開催日も含めて連日散水していた。土曜は0.8秒前後速かった。日曜は0.5秒前後速かった。

ダービーの時計は2分24秒1でごく平凡なものだった。オークスの時計もそんなに速くなかったし、目黒記念の時計もまあまあ程度。オークスの時は他の芝のレースの時計が速かったので3歳牝馬のレベルを疑ったが、ダービーは他のレースの芝の時計もそんなに速くなかった。オークスの時もそうだが、とにかく水をガバガバまいている。この暑さなので散水は芝にとっても必要だが、芝を軟らかくする意味でもかなり貢献していたハズだ。時計がそれほど速くなっていないのはその効果が出ているのだろう。

今の芝状態を考えると2着馬は若干外を回りすぎたかもしれないが、距離損がなくても結果は同じだったっぽい。あんなに楽にダービーを勝った馬はこれまで見たことがなかった。時計よりそっちを信じるべきかもしれない。ディープインパクト最後の世代で最高傑作が現れるというのは、確率の問題として考えるとちょっとできすぎた話だが、勝負事だと考えればいかにもありそうな話でもある。

今週は月曜に1.5ミリ、火曜に2ミリ降った。ただし火曜以降連日散水している。土曜の午後に雨が降る可能性はかなり高そうだが、土曜の開催中には降らないものと考える。土曜は曇り、良を想定し、0.5秒前後速い時計を想定する。土曜の夜に10ミリ以下程度降ると考えて、日曜は晴れ、含水多めの良を想定し、0.3秒前後速い時計を想定する。内外互角、先行差し互角。






【東京ダート】


■粒度細かめでやや速いダート、やや外有利、先行差し互角

先週は木曜に1.5ミリ降っただけだった。土曜は晴れ、良で0.1秒前後速かった。日曜は曇り、3Rごろ雨がざっと降ってすぐやんだ。含水少なめの良で0.6秒前後速い時計だった。

今週は土曜は曇り、雨が降らないという想定の良で、0.3秒前後速い時計を想定する。土曜の夜に10ミリ以下程度降ると考えて、日曜は晴れ、稍重→含水多めの良という推移を想定し、0.6秒前後速い時計を想定する。やや外有利、先行差し互角。




【阪神芝】


■向こう正面を部分的に張り替えて状態のいいやや速い芝、やや内有利、やや先行有利

《Aコース1週目》

2回阪神終了後向こう正面直線と外回り3コーナーの芝を合わせて1200㎡張り替えた。一昨年と昨年はこの時期には張り替えてなかった。どの部分を張り替えたかが少し気になるが、JRA-HPの写真を見ると、内回り3コーナーの内側の芝がきれいに育っている。一番傷むところなので、このあたりの前後を張り替えたと考える。

昨年の1回開催と2開催はそれほど雨に当たってなかったが、3回開催は週末に雨に降られることが多く、結局かなり時計がかかった。2回開催と3回開催の間にエアレーションをするので、雨が多いと最近はかなり軟らかくなる傾向がある。今年の1回開催と2開催は昨年以上に雨が多く、後半はかなり時計がかかっていた。それが今回の1200㎡の張り替えにつながったのだろう。関西の梅雨入りは近そうだし、これから毎週雨に当たる可能性もあるが、少なくとも今週の芝はかなり状態がいいハズ。

今週は月曜から雨が降っていない。週末も雨は降りそうもない。ただし開催前にエアレーション作業しているので路盤が軟らかく、連日の散水でそれなりの含水が与えられ時計は抑え気味に出るハズ。土曜は晴れ、乾き気味の良を想定し、0.3秒前後速い時計を想定する。日曜は晴れ、乾き気味の良を想定し、0.5秒前後速い時計を想定する。やや内有利、やや先行有利。




【阪神ダート】


■カラカラに近い乾いた状態で、そこそこ時計がかかるダート、やや外有利、先行差し互角

阪神は春のダートでも時計があまり速くならない。これは凍結防止剤を使う真冬の開催がないので平均時計自体が速いことが大きく影響している。また他場のように夏のインターバル期間が長くないので、砂の補充も不定期で行われている印象。

今週は月曜から雨が降っていないのでダートはカラカラ。土曜は晴れ、カラカラに近い良を想定し、0.3秒前後遅い時計を想定する。日曜は晴れ、乾いた量を想定し、0.5秒前後遅い時計を想定する。やや外有利、先行差し互角。



城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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