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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2020年06月13日(土)更新

【エプソムカップなど】今週の馬場予報

関西は水曜(10日)、関東は木曜(11日)に梅雨入りし、東西に長く伸びた梅雨前線が九州から関東にかけて列島に重なっている。土曜の東京は金曜の夜から雨が降り続いていて開催中も降り続きそう。阪神も同様に一日中雨になりそう。函館はほぼ晴れ。

引き続き日曜も東京と阪神はほぼ雨。両場は前日から雨が降り続いていると考えられるので馬場の含水は目いっぱい高いハズ。函館はほぼ曇り。


【東京芝】


■傷んでいる上に雨でゆるゆるになったシーズン最終盤の芝、内外互角、先行差し互角

《Cコース3週目》

先週は月曜に1.5ミリ、火曜に2ミリ降った。ただし火曜以降連日散水していた。土曜は曇り、標準的含水量の良で0.6秒前後速かった。土曜の競馬終了後にゲリラ豪雨があり、一気に46ミリ降った。日曜は晴れ、稍重で0.2秒前後速かった。

東京芝マイルのレコードは昨年のヴィクトリアマイルの1分30秒5だから、安田記念のグランアレグリアの1分31秒6はそこそこ速く、前日の雨を考えればこんなものか。だが、たしかにアーモンドアイは出遅れたが、致命的な出遅れではなく、また上りも勝ち馬が33秒7でアーモンドアイが33秒9だった。普段のアーモンドアイなら十分差し切れていた時計で、やっぱり中2週が響いたのだと考えたくなる。

内目がかなり傷んできたように見えるが、3m外は冬競馬で8日間使われたDコースなので、外に行ったからといって芝の状態がそんなに良くなるわけではないハズ。先週の競馬を見ると、逃げ馬がよく残っている一方で、大きめの馬番が差して好走するパターンが目立っている。直線の内目はまあまあ維持されているが、3・4コーナーは内目が傷んできた現れだと考える。

今年もそうだが、今週梅雨入りすることが多い。東京競馬も今週含めてもう3週を残すのみで、芝がある程度傷んでいるのはもちろんだが、梅雨入りを契機に馬場悪化を繰り返しているうちに時計が遅くなることが多い。まさしく今週は大雨に当たった感じだ。

今週は木曜に4.5ミリ降った。土曜は前日の夜からすでに30ミリ程度降っている。さらにこのまま開催終了まで降りそう。不良を想定し、2秒以上遅い時計を想定する。いったん雨はやむが、日曜の開催時間に重なってまた降り出しそう。日曜は重~不良を想定し、1.5秒前後遅い時計を想定する。内外互角、先行差し互角。






【東京ダート】


■水に砂が浮き気味で目いっぱい速いダート、外有利、差し有利

先週は月曜に1.5ミリ、火曜に2ミリ降った。土曜は曇り、標準的含水量の良で0.6秒前後速かった。土曜の競馬終了後にゲリラ豪雨があり、一気に46ミリ降った。日曜は晴れ、3Rまで不良、7R以降が重になり、1.7秒前後速い時計だった。

今週は木曜に4.5ミリ降った。土曜は開催前にすでに30ミリ前後降っている上、開催中も一日中雨がふりそう。不良を想定し、2秒以上速い時計を想定する。いったん雨はやむが、日曜の開催時間に重なってまた雨が降り出しそう。日曜は雨、不良を想定し、2秒前後速い時計を想定する。やや外有利、やや差し有利。




【阪神芝】


■雨が降り続いてゆるゆるになった遅い芝、内外互角、逃げ馬注意・先行差し互角

《Aコース2週目》

先週は1週間雨が降ってなかったが、連日散水していた。土曜の朝にも晴れたり曇ったりで途中小雨も降った。やや含水ある良で0.3秒前後遅かった。日曜は晴れ、含水少なめの良で0.5秒前後速かった。

普通に計算すると土曜はもう少し遅く、日曜はもう少し速いが、土日でそんなに大きくタイムが変わるのは変なので差を縮めてある。とくに日曜は5R中3Rがスローペースだったので、平均タイムが信用できない。

2回阪神は2週目に梅雨入りにぶつかることが多く、それを境に時計が遅くなる。ただしここ数年の阪神はめぐりあわせがよく、年間を通じて不良になったことがほとんどなかったが、今週は雨に直撃されそう。時計がかなり遅くなるだろう。

先週は結構大きめの馬番が来ていたが、内が伸びていた。阪神の芝は、AコースとBコースを交互に使うため、直線部分はとくに、ダブって使われるBコースの内側が傷みやすく、Aコースの内側は意外と傷んでいないことが多い。重~不良になって内が嫌われた場合、逃げ馬が盲点になる可能性があるが、それも雨量次第か。

今週は木曜に20ミリ、金曜の午前中に1ミリ、夜に10ミリ程度、土曜の朝にも2ミリ程度降っている。土曜は午前中は小雨だが、昼過ぎから本降りになりそう。土曜は雨、不良を想定し、2秒以上遅い時計を想定する。雨はその後もずっと降り続きそう。日曜の開催は小雨、不良を想定し、2秒以上遅い時計を想定する。内外互角、逃げ馬注意・先行差し互角。




【阪神ダート】


■水が浮き加減で目いっぱい速いダート、内外互角、やや先行有利

先週は1週間雨が降ってなかった。土曜は晴れ、カラカラに近い良で、0.2秒前後遅い時計だった。日曜は晴れ、カラカラの良で、0.8秒前後遅い時計だった。

今週は木曜に20ミリ、金曜に1ミリ雨が降った。夜に10ミリ程度、土曜の朝にもさらに2ミリ程度降っている。このまま降り続くと考えて土曜は雨、不良を想定し、2秒以上速い時計を想定する。日曜は小雨、不良を想定し、2秒前後速い時計を想定する。内外互角、やや先行有利。




【函館芝】


■年間でもっとも状態のいい乾き気味の芝、内外互角、やや先行有利

《Aコース週目》

一昨年前から函館は夏の開催前にエアレーションに加えてシャタリングもするようになった(それ以前はエアレーションだけしかやらなかった)。洋芝はもともと遅いのに、さらに軟らかくしているわけだ。それでも乾いた状態ならば芝はそれなりに速いが、含水すると一気に遅くなり、かつ時計が遅い状態が翌週以降も引き継がれるような感じだ。

北海道には梅雨がないといわれるが、本州に近い函館は梅雨前線の影響を受ける。そのため函館開催は6月中盤から7月の前半にかけて雨に当たりやすい。だが今週はまだ梅雨入りしたばかりなので、梅雨前線の位置が低く、今週の函館にはたぶん雨は降らない。来週以降雨に当たる可能性は相当高いので、まだ雨に降られてない今週の馬場は函館としては飛び切りいいことになる。

今週は木曜に7.5ミリ雨が降った。土曜は晴れ、標準的含水の良を想定し、0.3秒前後速い時計を想定する。日曜は曇り、やや乾き気味の良を想定し、0.5秒前後速い時計を想定する。内外互角、やや先行有利。




【函館ダート】


■路盤の状態がよく基本的に速い。標準的含水の標準的時計のダート、やや内有利、逃げ・先行有利

函館が小回りコースなのにもかかわらず、ダートの時計が比較的速いのは路盤の状態がよいからだろう。というのは夏の函館開催はほんの6週間しかないのに、毎年砂を洗浄し、路盤の補修もちょこちょこやっている。他場に比べてコースの負担がかなり小さいハズ。

今週は木曜に7.5ミリ雨が降った。土曜は晴れ、含水多めの良を想定し、0.3秒前後速い時計を想定する。日曜は曇り、標準的含水の良を想定し、タイム差なし前後の時計を想定する。やや内有利、逃げ・先行有利。



城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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