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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2020年07月04日(土)更新

【ラジオNIKKEI賞・CBC賞など】今週の馬場予報

太平洋高気圧の勢力が強いため、梅雨前線が本州にほとんど重なった状態で停滞し、前線上にできた複数の低気圧が西から東へ次々に通過していく。南から湿った空気が流れ込んで、阪神はすでに70ミリを超える大雨が降った。土曜の開催中は少し雨が弱まりそう。南南西の風が強そう。福島も開催前に30ミリ以上降っている。開催中も降り続いて、大雨になる可能性もある。函館は前線からは遠いが気圧の谷になっていて曇り、午後に小雨が降りそう。

日曜の天気は前線との位置関係で変わってくる。前線が少し南下して離れれば雨は弱くなるが、気象庁の予想天気図を見ると前線がそのまま停滞する可能性もあるようだ。福島と阪神はいちおう曇り時々雨、ただし福島は強く降る可能性もある。函館は晴れたり曇ったりを想定する。


【福島芝】


■大量に水を含んだ遅い芝、内外互角、逃げ馬注意!先行差し互角

《Aコース1週目》

2回福島の開幕は昨年に比べて1週間後ろにずれた。だが1回福島の閉幕も1週後ろにずれたので、インターバル期間の長さは同じだ。時期的にこの1週間のズレはほとんど影響ないハズ。昨年も今年も2回開催の前に2000㎡程度芝を張り替えた。ただし昨年はシャタリング作業を入れたのに対して、今年は入れてない。昨年は1週目に土日併せて55ミリという大雨が降り、日曜の芝が不良になって、それ以降芝がかなり傷んだ。そこで今年はシャタリング作業を省いたのだろう。そもそも福島の場合1回開催と2回開催の間が2カ月弱しかないので、シャタリングするには期間的にぎりぎりだ。

しかし今年も1週目に雨が降りそう。しかも開催中に相当降りそうだ。シャタリングをした・しなかったに関係なく、芝の傷みはかなり進むだろう。

今週は週頭からぐずついた天気で、水曜に14.5ミリ降った。金曜の夜から降り始めて開催前に30ミリ以上降っている。土曜の昼頃まで降り続き、その後は降ったりやんだりになりそう。土曜は曇り~雨、重~不良を想定し、1.5秒前後遅い時計を想定する。土曜の開催終了後に追加で降り、日曜の開催中は曇り、重を想定し、1秒前後遅い時計を想定する。内外互角、逃げ馬注意!先行差し互角。






【福島ダート】


■路盤整備プラス、含水高く、もっとも速いダート、やや外有利、先行差し互角

1回福島の後、コース全面のクッション砂洗浄、および部分的な路盤補修を行った。クッション砂を洗うと細かい成分が洗い流されて遅くなることがあるが、今は砂の成分比に気を使うようになっている。また部分的な路盤補修を行った。路盤が平らになると速くなる傾向がある。両方考えると、どちらかというと速くなる可能性が強いのではないか。

今週は週頭からぐずついた天気で、水曜に14.5ミリ降った。金曜の夜から降り始めて土曜の昼頃まで降り続き、開催前に30ミリ以上降っている。この後は降ったりやんだりになりそう。土曜は曇り~雨、不良を想定し、2秒前後速い時計を想定する。土曜の開催終了後に追加で降り、日曜の開催中は曇り、重~不良を想定し、1.5秒前後速い時計を想定する。やや外有利、先行差し互角。




【阪神芝】


■傷んだ状態にダメ押しの大雨で目いっぱい時計のかかる芝、やや外有利、先行差し互角

《Bコース2週目》

先週は木曜に0.5ミリ降っただけ。土曜は晴れ、良で、タイム差なし前後の時計だった。日曜は早朝に6ミリ程度降り、開催中は曇り→晴れ→2ミリ程度の雨、稍重→良→稍重と変化して0.8秒前後遅かった。

阪神は先々々週、先々週と続けて、週末近くに梅雨前線の雨が降った。雨量もかなり多かったが芝の状態がよいため16日の2Rが重になっただけで稍重どまりだった。ところが先週の日曜は開催前に6ミリ程度降っただけで稍重になり、いったん良まで回復したが、宝塚記念前に1~2ミリ降っただけで再び稍重になった。

先々週までの雨の競馬で芝がそれなりに傷んでいたのだろう。宝塚記念では芝が激しく飛んでいて、稍重というよりもっと悪く見えた。サートゥルナーリアは芝のゆるい最内に道中閉じ込められて体力を消耗した上に、上りがかかる芝で届かなかった。1・2着馬はいずれも外を回った馬だった。

今週は火曜に66ミリ降り、水曜に1.5ミリ降った。ただし金曜の昼から雨がずっと降り続き、土曜の朝までに70ミリ近く降っている。この先雨の降り方は強くなったり弱くなったりしながら降り続く見込み。土曜は雨、不良を想定し、2.5秒前後遅い時計を想定する。日曜は曇り時々雨、不良→重を想定し、2秒前後遅い時計を想定する。土日を通じて南南西の風(ゴール前直線でスタンド側から向こう正面へ向かう横風)が強そう。やや外有利、先行差し互角。




【阪神ダート】


■金曜夜から開催開始前までの大雨でシャブシャブの速いダート、やや外有利、やや先行有利

先週は木曜に0.5ミリ降っただけ。土曜は晴れ、良で、0.8秒前後速い時計だった。日曜は早朝に6ミリ程度降り、開催中は晴れのち雨、6Rまで稍重、10R以降重で0.8秒前後速かった。

今週は火曜に66ミリ降り、水曜に1.5ミリ降った。ただし金曜の昼から雨がずっと降り続き、土曜の朝にかけて70ミリ近く降っている。この先雨の降り方は強くなったり弱くなったりしながら開催中は降り続く見込み。土曜は雨、不良を想定し、2.5秒前後速い時計を想定する。日曜は曇り時々雨、重~不良を想定し、1.8秒前後速い時計を想定する。土日を通じて南南西の風(ゴール前直線でスタンド側から向こう正面へ向かう横風)が強そう。やや外有利、やや先行有利。




【函館芝】


■内が傷んで含水多めの軟らかい芝、内外互角、逃げ馬注意!やや先行有利

《Aコース4週目》

先週は木曜に6.5ミリ、金曜に17.5ミリ、土曜の朝にさらに4ミリ程度追加で降った。土曜は曇り時々小雨、稍重で、0.5秒前後遅い時計だった。日曜は早朝に3.5ミリ降り、曇り、稍重で1.2秒前後遅い時計だった。

先週の函館は土日とも稍重だった。函館は芝が軟らかいので稍重の競馬でも芝の傷みが早い。先々週と先週のJRA-HPの写真を見比べてみても、3~4コーナーの内の芝がかなりなくなっている様子が見える。函館の芝はオーバーシードしている芝と違うので、白くなっている部分の芝はなくなっていると考えていい。

今週は水曜に1.5ミリ、木曜に33.5ミリ降った。土曜は曇りのち小雨、稍重を想定し、1秒前後遅い時計を想定する。日曜は晴れのち曇り、良~稍重を想定し、0.5秒前後遅い時計を想定する。内外互角、逃げ馬注意!やや先行有利。




【函館ダート】


■路盤の状態がよく基本的に速い。含水多めで速いダート、やや内有利、逃げ馬注意!先行差し互角

先週は木曜に6.5ミリ、金曜に17.5ミリ、土曜の朝にさらに4ミリ程度追加で降った。土曜は曇り時々小雨、不良で2.6秒前後速い時計だった。日曜は早朝に3.5ミリ降り、曇り、不良で2.3秒前後速かった。

今週は水曜に1.5ミリ、木曜に33.5ミリ降った。土曜は曇りのち小雨、稍重~重を想定し、1秒前後速い時計を想定する。日曜は晴れのち曇り、稍重を想定し、0.5秒前後速い時計を想定する。やや内有利、逃げ馬注意!やや先行有利。



城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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