梅雨前線が列島の南岸に東西に伸びて停滞している。また太平洋高気圧から湿った空気が入り込んでいる。だが3場とも前線から距離があるので雨が降っても雨量は少なそう。土曜の福島は曇りで午後に小雨が降りそう。阪神はおおむね晴れ、函館は晴れそう。
日曜になると梅雨前線の活動が少し弱まるらしい。日曜の福島は晴れのち曇り、阪神は開催前に雨が降り、開催中は曇りのち晴れ、函館は早朝に雨が降る可能性があるが開催中は曇りになりそう。
【阪神芝】
■全体的に傷んだ状態で時計のかかる芝、内外互角、先行差し互角
《Bコース4週目》
先週は月曜に55.5ミリ、火曜に15ミリ、水曜に80ミリ、木曜に3ミリ、金曜に25ミリ降り、土曜の開催開始までに30ミリ強降った。土曜は曇り、2Rが不良、5R以降が重で、3.7秒前後遅い時計だった。日曜はおおむね晴れ、稍重で2.3秒前後遅い時計だった。
3回阪神は週末がほぼ雨に当たっている。先々週は金曜に85ミリ降った上に開催中も雨だった。先週も金曜に25ミリ降った上に開催中も雨が降った。しかもBコース4週目(4回阪神の最終日)だから、今週の芝が傷んでないハズがない。JRA-HPの写真を見ると内が集中して傷んでいるというより全体が傷んでいる感じだ。
今週は月曜に16.5ミリ、火曜に52ミリ、水曜に1.5ミリ、土曜の早朝に5ミリ弱降ったようだ。土曜の開催中はおおむね晴れ、含水多めの良を想定し、1秒前後遅い時計を想定する。日曜は開催前に雨が降り、開催中は曇りのち晴れ、含水多めの良または稍重を想定し、1.5秒前後遅い時計を想定する。ただし芝が傷んでいるので、土日とも雨が多めに降るとかなり遅くなる可能性がある。内外互角、先行差し互角。
【阪神ダート】
■やや含水多めのやや速いダート、やや外有利、やや先行有利
先週は月曜に55.5ミリ、火曜に15ミリ、水曜に80ミリ、木曜に3ミリ、金曜に25ミリ降り、土曜の開催開始までに30ミリ強降った。土曜は曇り、3Rが不良、8R以降が重で、2.4秒前後速い時計だった。日曜はおおむね晴れ、4Rまで重、6R以降稍重で、1.6秒前後速い時計だった。
今週は月曜に16.5ミリ、火曜に52ミリ、水曜に1.5ミリ降った。土曜の早朝に5ミリ弱降ったようだ。土曜の開催中はおおむね晴れ、含水多めの良を想定し、0.5秒前後速い時計を想定する。日曜は開催前に雨が降り、開催中は曇りのち晴れ、含水多めの良を想定し、0.8秒前後速い時計を想定する。やや外有利、やや先行有利。
【函館芝】
■芝の状態上々、やや乾き気味の速い芝、やや内有利、逃げ馬注意!先行有利
《Bコース2週目》
先週は火曜に7.5ミリ、水曜に3.5ミリ降った。土曜は曇りのち小雨、良で0.6秒前後遅い時計だった。日曜は曇り時々晴れ、良で0.3秒前後遅い時計だった。
函館はAコースの1週目に雨が降って内がある程度傷んだ。だがそれ以降は雨に当たっていない。先週からBコースになって傷んだ部分がカバーされた。JRA-HPの写真を見ても芝が抜けているところがなさそうで状態はよさそうだ。
今週は中間に雨が降ってない。土曜は晴れ、多少乾ぎ気味の良を想定し、0.3秒前後速い時計を想定する。土曜の開催後に雨が降り、日曜は曇り、標準的含水の良を想定し、タイム差なし前後の時計を想定する。やや内有利、逃げ馬注意!やや先行有利。
【函館ダート】
■路盤の状態がよく乾き気味でやや遅いダート、内外互角、逃げ馬注意!先行差し互角
先週は火曜に7.5ミリ、水曜に3.5ミリ降った。土曜は曇りのち小雨、良で0.6秒前後速い時計だった。日曜は曇り時々晴れ、良で0.3秒前後速い時計だった。
今週は中間に雨が降ってない。土曜は晴れ、乾ぎ気味の良を想定し、タイム差なし前後の時計を想定する。土曜の開催後に雨が降り、日曜は曇り、標準的含水の良を想定し、0.3秒前後速い時計を想定する。内外互角、逃げ馬注意!先行差し互角。
【福島芝】
■Bコース替わりも内に傷み残り、水を含んだ遅い芝、やや外有利、やや差し有利
《今週からBコース》
先週は月曜に0.5ミリ、火曜に0.5ミリ、水曜に4ミリ程度降った。土曜は曇り時々雨、6Rまで稍重、9R以降が重で、0.6秒前後遅い時計だった。土曜の競馬終了後に数ミリ、日曜の開催前にも数ミリ降った様子で、日曜は曇り時々雨、重で、2.6秒前後遅い時計だった。
先週の降水量は、気象庁の発表の数値とかなり違うので、馬場担当者に確認したところ、しとしと降りのときは数字が出づらいのだという。少量の雨が1週間ずっと降り続いていた感じだ。
Aコースは2週連続重の競馬だった。今週からBコースになるので少しは芝がよくなるハズだが、福島はもともと馬群がバラけやすい競馬場なので、むしろ外有利の傾向が強まるかもしれない。
今週は火曜に41.5ミリ、水曜に16.5ミリ、木曜に5ミリ、金曜に0.5ミリ降った。土曜は開催前に数ミリ降り、午前中曇り、午後に再び小雨が降ると考えて、稍重を想定し、1.5秒前後遅い時計を想定する。日曜は晴れのち曇り、稍重→良という推移を想定し、0.8秒前後遅い時計を想定する。やや外有利、やや差し有利。
【福島ダート】
■路盤状態よく含水多めでやや速いダート、やや外有利、逃げ馬注意!やや先行有利
先週は月曜に0.5ミリ、火曜に0.5ミリ、水曜に4ミリ程度降った。土曜は曇り→小雨、3Rのみ重、7R以降重で、1.5秒前後速い時計だった(4レース中3レースがスローペースなので1秒程度速くなるように補正した)。土曜の競馬終了後に数ミリ、日曜の開催前にも数ミリ降った様子で、日曜は曇り時々雨、不良で、2.6秒前後速い時計だった。
今週は火曜に41.5ミリ、水曜に16.5ミリ、木曜に5ミリ、金曜に0.5ミリ降った。土曜は開催前に数ミリ降り、午前中曇り、午後に再び小雨が降ると考えて、重を想定し、2秒前後速い時計を想定する。日曜は晴れのち曇り、稍重を想定し、1秒前後速い時計を想定する。やや外有利、逃げ馬注意!やや先行有利。

城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。