相変わらず梅雨前線が居座っているが、昨年と比べると今年は不思議なくらい台風の発生数が少ない。まさかと思うが、これ、コロナの影響で航空機が飛ばないため、温室効果ガスが減っているせいだったりして?
25日は太平洋高気圧が張り出して前線が北上する。前線に近い新潟は曇り時々雨になりそう。札幌は曇り時々晴れ。
26日も前線が居座りそう。新潟は午前曇り、午後雨になりそう。札幌は曇り。
【新潟芝】
■状態上々も雨で軟らかくなった芝、内外互角、逃げ馬注意!やや先行有利。
《Aコース1週目》
今年は春の新潟の開催前にAコース部分(2160㎡)を張り替え、春の新潟開催後にBコース部分(7010㎡)を張り替えた。また開催前にシャタリングとエアレーションを行っている。これらの作業はほぼ毎年恒例で、今年もほぼ同じステップを踏んで開幕を迎えたということだ。
ご存じのように、新潟は年間を通じてイタリアンライグラスのオーバーシードをしていない唯一の野芝100%のコースだ。だから丈夫で速いんだ、ということが以前は言えたが、丈夫で速いコースほど念入りにシャタリング、エアレーション作業をして芝を軟らかくするため、最近は野芝コースだからといってそんなに速くならないことが多い。といっても1週目の土曜日だけはかなり速いが、その後はけっこう時計が落ち着いてしまうことが多い。
ただ野芝100%なので、芝が丈夫なのは間違いなく、大雨さえ連続して降らなれば芝はなかなか傷まないし、目立って時計が遅くなることもない。またAコースを使用するのが昨年の秋以来だということも大きく、そう簡単に内が傷まない。新潟芝はコース特性的に外有利になりやすいが、内の芝がいいため人気薄馬の逃げ切りが起こりやすいということは覚えておこう。
今週は水曜に0.5ミリ、木曜に5.5ミリ降った。さらに金曜の夜から土曜の朝にかけて10ミリ程度降った。土曜は曇り時々雨、稍重を想定し、0.5秒前後速い時計を想定する。日曜は曇り→雨、稍重前後を想定し、タイム差なし前後の時計を想定する。内外互角、逃げ馬注意!やや先行有利。
【新潟ダート】
■降ったりやんだりで締まった速めのダート、やや外有利、先行差し互角
昨年の夏と秋の新潟ダートは雨ばかり降っていたため時計がやたら速かった。今年の春新潟もそれを引きずっているようなところがあった。中間にクッション砂の洗浄があったのでいったんリセットと考える。
今週は水曜に0.5ミリ、木曜に5.5ミリ降った。さらに金曜の夜から土曜の朝にかけて10ミリ程度降った。土曜は曇り時々雨、稍重を想定し、1秒前後速い時計を想定する。日曜は日曜は曇り→雨、稍重前後を想定し、1秒前後速い時計を想定する。やや外有利、先行差し互角。
【札幌芝】
■ある程度硬さがあり速い洋芝、内有利、先行差し互角
《Aコース1週目》
2017年と2018年は開催前にエアレーションとシャタリングをセットで行っていたが、昨年はシャタリングを見送り、エアレーションしかしてなかった。今年も昨年と同様にエアレーションのみで開催に臨む。一昨年に台風が多く最終的に芝がかなり傷んだため、洋芝のコースにシャタリングは不要ということになったのだろう。
昨年の夏以降に芝を1万500㎡張り替えた。一昨年が4350㎡で、昨年は5500㎡だからほぼ倍増している。洋芝のコースは使われていくうちに軟らかくなっていくが、最初はそれなりの硬さがある。雨が降らなければ2週間くらいは速さが維持されると考える。もちろん芝の状態は絶好だ。
札幌芝は基本的に逃げ・先行馬有利であり、しかも開幕週の速い芝ということでペースが速くなりやすい。そのため逆に前半ほど差し馬が活躍する傾向があることに注意。
今週は火曜に5ミリ降った。ほぼ連日散水している。土曜は晴れ、やや含水多めの良を想定し、0.8秒前後速い時計を想定する。日曜は曇り、標準的含水の良を想定し、0.7秒前後速い時計を想定する。内有利、先行差し互角。
【札幌ダート】
■やや乾き気味だが、路盤の状態がよくやや速いダート、やや内有利、逃げ・先行有利
札幌のダートは使用頻度がきわめて少ない上に、毎年クッション砂を全面洗浄していて路盤の状態がいい。今年もある程度速い状態が保たれているハズだ。
今週は火曜に5ミリ降った。ほぼ連日散水している。土曜は晴れ、やや乾き気味の良を想定し、0.2秒前後速い時計を想定する。日曜は曇り、やや乾き気味の良を想定し、タイム差なし前後の時計を想定する。やや内有利、逃げ・先行有利。
城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。