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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2020年12月12日(土)更新

【阪神JF・カペラS・中日新聞杯など】今週の馬場予報

土曜の朝方、列島の南岸に南北に伸びた気圧の谷は、時間とともに東に遠ざかり、冬型の気圧配置になる。中山は気圧の谷の影響で雲が多いが、開催中は降らないと想定する。他の2場はほぼ晴れ。

日曜も中山は気圧の谷が上空にあって雲が多そう。他の2場はおおむね晴れ。


【阪神芝】


■コース替わりで内がやや良くなったやや速い芝、やや内有利、やや逃げ・先行有利

《今週からBコース》

先週は中間雨が降らなかった。そこで火曜と木曜に散水したが、芝は乾き気味だった。土曜は晴れ、やや乾き気味の含水の良で、0.2秒前後速い時計だった。日曜は晴れ、やや乾き気味の良で、0.5秒前後速い時計だった。

6週間使ったAコースだったが、もともとのセッティングが硬めで、しかもほとんど雨に降られなかったため、芝が最後まで、ある程度速い状態のまま保たれていたようだ。さすがに直線は外に出したほうが伸びる感じだが、最内を走っての逃げ切りも多く、距離損の差を回収できるほど内外の差はなかった様子だ。

今週からBコースになる。Bコースの内はAコース使用時にかなり馬が走っているが、外に行くとまっさらに近いところがあるので、使い込んでいくと外有利になる。だが今週はBコース替わり初週なのでまだそうした傾向は出ないと考える。

11月21日から雨が降っていない。これでほぼ3週間降っていないことになる。週末も雨は降らなそうだ。土曜は晴れ、やや乾き気味の良を想定し0.6秒前後速い時計を想定する。日曜は晴れ、乾き気味の良を想定し、0.4秒前後速い時計を想定する。やや内有利、やや逃げ・先行有利。






【阪神ダート】


■乾き気味で、多少時計がかかるダート、内外互角、逃げ馬注意!先行差し互角

先週は中間雨が降らなかった。土曜は晴れ、カラカラに近い良で、0.2秒前後遅い時計だった。日曜は晴れ、やや乾き気味の良で、タイム差なし前後の時計だった。

今週も雨は降らなかった。これでほぼ3週間降ってないことになる。週末も雨は降らなそうだ。土曜は晴れ、カラカラに近い良を想定し、0.2秒前後遅い時計を想定する。日曜は晴れ、カラカラに近い良を想定し、0.4秒前後遅い時計を想定する。内外互角、逃げ馬注意!先行差し互角。




【中山芝】


■芝の状態いいが全体軟らかい、内外互角、やや逃げ・先行有利

《Aコース2週目》

先週は水曜に4.5ミリ降った。土曜は朝から小雨が降って、夕方までに4.5ミリ降った。土曜は小雨、稍重で、1.8秒前後遅い時計だった。日曜は晴れ、5Rまで稍重、それ以降良で、1.2秒前後遅い時計だった。

先週「この開催はAコース戻りがあるため、内にグリーンベルトがあるが、B・Cコースもそれほど傷んでないので、内有利になるかどうかは微妙」であると指摘した。

実際のレース結果は、土曜は小さい馬番が活躍したが、日曜は逆に大きな馬番が上位を占めた。土曜はスローペースが多く、活躍した小さい馬番の馬は、ほとんどが逃げ・先行した馬だった。ステイヤーズSは大きな馬番の馬が活躍したが、それも外から逃げ、先行した馬の前残りだった。

逆に日曜は外の馬が活躍した。土曜とは逆にハイペースが多く、内を狙って先行した馬が失速し、外から差した馬が上位に残ったわけで、おおむね展開で決まったようなもの。要するに内も外も芝の状態はよく、展開の助けがないとすれば互角と考えていいハズ。

今週の中間は雨が降ってない。中山は気圧の谷が近いので、土曜は雲が多く、また土曜の夜に小雨が降る可能性があるが、開催中の雨はないものと考える。土曜は曇り、良を想定し、0.8秒前後遅い時計を想定する。日曜は晴れ、良を想定し、1秒前後遅い時計を想定する。内外互角、やや逃げ・先行有利。




【中山ダート】


■多少しっとりした標準的速さのダート、やや外有利、やや逃げ・先行有利

先週は水曜に4.5ミリ降った。土曜は朝から小雨が降って、夕方までに4.5ミリ降った。土曜は小雨、稍重で、0.2秒前後速い時計だった。日曜は晴れ、5Rまで稍重、それ以降良で、0.2秒前後遅い時計だった。

他の2場と違って中山は曇りが多く、降水量にならない程度の小雨が中間に降っている。土曜にはさらに小雨が降った。それでも時計を見ると多少あまり速くなっていない。インターバルの間に若干新砂が足されたかもしれない。

今週の中間は雨が降っていないが、曇りの日が多かった。中山は気圧の谷が近いので、土曜の夜に小雨が降る可能性があるが、開催中の雨はなく、土曜の夜に降ったとしても雨量は少ないものと考える。土曜は曇り、標準的含水の良を想定し、0.2秒前後遅い時計を想定する。日曜は晴れ、標準的含水の良を想定し、0.2秒前後遅い時計を想定する。やや外有利、やや逃げ・先行有利。




【中京芝】


■晴れ続きで乾き気味の速い芝、逃げ・先行有利、やや内有利

《Aコース2週目》

先週はずっと晴れ続きだった。土曜は晴れ、乾き気味の良で、1秒前後速い時計だった。日曜も晴れ、乾き気味の良で、1秒前後速い時計だった。

先週書いたことだが、間違ってなさそうなのでもう一度同じことを書いておく。今年の中京は7月開催がなかったため、夏のインターバルが4~8月と長くなり、大面積を張り替えたうえで十分な養生期間を確保することができた。それによってこれまでの中京とはガラッと変わった丈夫で速い芝が実現しているようだ。

また、今回の開催は気温が下がっているので、夏の開催のような積極的な散水ができない。それらが相まって時計が速くなりがちだ。

先週日曜の2歳新馬戦の1分20秒9は芝1400の2歳レコードだった。新馬でのレコードというのが今の中京の芝の速さを象徴している感じだ。

先週土曜は芝の5レース中逃げ馬が3勝2着1回3着1回だった。5レースともスローペースではなかった。日曜になると5レース中逃げ馬は2着1回3着1回で、逆に差し馬の活躍が目立ったが、特に土曜日は前が止まらない芝になっている可能性がある。

中京も先月の21日以降雨が降ってない。しかもほとんど晴れ続いている。土曜は晴れ、乾き気味の良を想定し、0.8秒前後速い時計を想定する。日曜も晴れ、乾き気味の良を想定し、0.6秒前後速い時計を想定する。逃げ・先行有利、やや内有利。




【中京ダート】


■路盤状態よく乾いていてもやや速いダート、先行差し互角、内外互角

先週はずっと晴れ続きだった。土曜は晴れ、カラカラに近い良で、0.3秒前後速い時計だった。日曜も晴れ、カラカラに近い良で、0.6秒前後速い時計だった。

先週に限らず、路盤状態がいいらしく速い時計が出ている。ただし土曜のダート戦は牝馬戦が多かった。それが平均を大きくしている可能性があるので、土曜に関しては0.2秒下駄をはかせた。

今週もずっと晴れ続きだった。先月の21日以降雨が降ってない。土曜は晴れ、カラカラに近い良を想定し、0.5秒前後速い時計を想定する。日曜も晴れ、カラカラに近い良を想定し、0.5秒前後速い時計を想定する。先行差し互角、内外互角。



城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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