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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2014年07月11日(金)更新

今週の馬場傾向【台風一過の馬場】


【福島芝】


■内外とも芝の状態上々で速い時計が出る。内有利、先行差し互角


 Aコース2週目。

 先週の福島は金曜日に13ミリ、土曜日に4ミリ降っていたが、土曜日の午前中のレースが稍重だっただけで、午後には良に回復した。先週のこのコーナーでは中間の降水も考慮して「0.3秒前後遅い中速の芝」と予想したが、これが大外れで、実際には速い時計が連発し、0.7~1秒も速かった。先週の福島芝の時計が予想外に速くなった理由として考えられることは、1回福島の後に張り替えた3~4コーナー内の芝の定着がいいこと、気温が上がって野芝の地下茎が急速に充実してきたこと、福島の芝コースの水はけが改善していること…など。また先週も書いたように、福島は昨年の秋以来ほとんど開催が雨らしい雨に降られたことがなく、もともとの芝の状態がいいことも間違いない。

 その後月曜日に11ミリ、水曜日に84ミリ、木曜日に8ミリ降り、金曜日正午の時点で稍重だった。土曜日の競馬開始までに良に回復することはほぼ確実だが、先週同様の含水があるはず。多少時計を割り引いて0.5~0.8秒速い芝と予想する。先週日曜日の時点で芝の傷みも感じられなかったことから、依然として内有利。ただし時計速めなので上がり能力が発揮しやすく先行差し互角。




【福島ダート】


■含水高くやや速め。先行有利、内外互角


 先週は土日を通じて稍重馬場で、思ったよりも時計が速かった。クッション砂を洗浄したとあったので、砂が粗めになるかと考えたのだが、ちょっと考えすぎで、土日とも1.5~1.8秒速かった。

 今週の福島も月曜日に11ミリ、水曜日に84ミリ、木曜日に8ミリ降り、金曜日正午の時点で重だった。土日に雨が降ることはなさそうなので、後は砂がどれだけ乾くかだが、カラカラになってしまうことはなさそうなので、0.5秒前後速い時計と予想する。逃げ・先行有利。同じ小回りダートでも函館などとと違って福島ダートは外枠の馬が比較的好走する傾向がある。内外互角。




【中京芝】


■含水ありやや時計がかかる外差し馬場。


 Aコース2週目。

 昨年の秋以来中京のAコースは12日間も使われている。しかも2回中京の最終日には当日48ミリも雨が降ってドボドボの馬場になっていた。しかも先週は週日にも雨が降ったし、土曜日に37ミリ、日曜日にも10ミリ雨が降った。ところがよほど水はけがいいらしく、それでも土曜日が稍重、日曜日は良で競馬できていた上に、土日とも0.2秒前後速く、芝の状態もかなりよかったように見えた。

 今週の中京の降水量は先週に比べると少なく、水曜日に3ミリ、木曜日に7ミリ降っただけだが、先週の高含水の競馬の後遺症で内の芝の傷みは相当進んでいるはず。0.5秒程度遅い馬場になり、外差し馬場になると予想する。差し有利、外有利。




【中京ダート】


■含水ありやや速め、先行差し互角。内外互角


 先週は木曜日に19ミリ降り、金曜日の夜半から土曜日朝にかけて37ミリ、日曜日も10ミリ降って、予想した雨量を大幅に上回って2.5秒前後速いダートになった。

 今週は全国的に台風に振り回された週だったが、中京は比較的降水が少なく、水曜日に3ミリ、木曜日に7ミリ降っただけだった。開催日は晴れそうなので、時計を戻してタイム差なし~0.5秒ほど速いダートになると予想する。

 先週は時計が速くなって逃げ・先行馬圧倒的に優勢だった。普通のダートなら遅くなったほうが先行有利になると考えるが、中京はもともと差し有利なダートなので、速くなることで逆に仕掛けが遅れ気味になったのかもしれない。今週は元に戻って先行差し互角。内外互角になるはず。




【函館芝】


■Bコース替わり効果大きい。内有利、先行有利。


 今週からBコース。

 洋芝の特徴は徐々に傷みが蓄積することで、それはタイムに如実に現れる。だが今年の函館は1週目こそ多少含水のある芝だったが、それ以降は雨という雨には当たっていない。その分週日に積極的に散水しているが、これは洋芝は維持管理するのに野芝以上に水を必要とするためで、こうした散水が原因で芝が軟らかくなることはない。

 平年よりも開幕当初の時計は遅めだった。これは昨年のロング開催を受けて張り替え面積が平年より多めだったため、平年よりやや路盤が軟らかめであることを示している。だがそこから先週までほとんどタイム的な変化がないということは、今の芝の状態が非常によいことを示している。

 芝がいい分馬群が内に集中しやすく、先週の競馬を見るとさすがに3~4コーナーの最内に1本芝ハゲラインができていた。だが9レースも11レースも最内通った馬が勝っていて、先週まではぎりぎり内有利といえた。さらに今週からBコースにコースを替える。函館のBコースはコーナー、直線とも柵が4m外に移動するため、傷んでいたところがほぼ完全にカバーされるのが特徴。

 先週は(洋芝としては)ほとんど含水のない状態で0.2秒前後速い馬場だった。今週は台風の影響で木曜日に22ミリ降ったが、Bコース替わりで内の芝がよくなる。差し引きゼロと考えて、0.5秒前後速い時計を予想する。Aコース6日目の先週の時点でも内有利、先行有利だったのだから、Bコース移動により今週はさらに内有利、先行有利になるはず。




【函館ダート】


■多少速くなっても依然として先行有利、内有利


 先週は乾いたダートだったので、もう少し時計がかかるかと思ったが、結局タイム差なし程度の時計に落ち着いた。

 今週は木曜日に22ミリ降ったので先週よりも含水が高くなる可能性が高いが、気温も20度以上に上がっているので乾くのも早いだろう。どの程度まで乾くかによるが、0.5~1秒程度速いダートになると考える。小回り函館につき多少速くなったとしても依然として先行有利。内有利。



プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。


城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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