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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2014年11月14日(金)更新

今週の馬場傾向【秋の福島最終週】


【東京芝】


■微妙に前が止まらない芝で先行馬の穴を警戒


 Bコース3週目。(今週までBコースで、来週からCコース)。

 先週は全国的に雨の予報で、東京がいちばん降りそうな感じだったが、結局はいちばん降らず、日曜日の午前中に1.5ミリ降っただけで、時計的にもほとんど影響なかった。土曜日が0.4秒速く、日曜日がタイム差なしだった。今秋の東京は全般的に雨が少ないし、先週も含めて週末が強い雨にまだ当たっていない。今秋の東京の時計は、開幕週に0.8秒ほど速かったが、芝の状態がよく温存されているため、それ以降もほぼ0.2秒速い~0.4秒速いの間に入っていて、非常に安定している。

 先々週と先週の降水量はほとんどなかったが、天気は曇りでカラっとしてはいなかった。今週は、先週の日曜日に1.5ミリ、水曜日に2ミリ降った。また週日に散水していない。先週と違って今週は金曜日から日曜日まで晴れが続きそうだ。

 含水量の測定値としては先週とほぼ同じはず。であっても、今週の芝は先週より微妙に乾き気味になると思う。先週より0.2秒くらい速くなると考えて、0.6秒前後速い芝になると予想する。先週は、コーナーは内を回って直線では外目に追い出す競馬が多くなっていた。もちろん芝は外の方がいいのだが、きつい競馬になれば内の取り合いになると考えられるし、それほど内の芝が追い比べで見劣るとは思えない。微妙に前が止まらない芝でやや先行有利、やや内有利。先行馬が穴になるはず。




【東京ダート】


■今秋いちばん力の要るダート。内外互角、やや先行有利


 先々週の東京ダートは土曜日の午後に10ミリ降って、土日とも稍重になり、日曜日は1秒近く速くなった。先週は週日に雨が降らず、予報では日曜日に雨が降るはずだったが、午後に1.5ミリ降っただけで、ほとんど影響なく、土日ともタイム差なしだった。結局今秋の東京ダートでは先週がいちばん遅かった感じだ。

 今週は水曜日に2ミリ降ったが、週末に晴れるので先週よりも砂は乾くはず。先週よりさらに0.2秒遅くなると考えて、0.2秒遅いダートになると考える。土日とも内外互角、やや先行有利。力通りの競馬が期待できる。




【京都芝】


■先週同様に新品同様の芝、内有利、やや先行有利。


 Bコース2週目。(今週までBコースで、来週からCコース)。

 京都は3・4コーナーに内・外回りがあるのと、馬群がバラけやすいコーナー形状から、東京に比べると秋の芝が傷みづらい(芝の傷み出しが遅い)。しかも今年秋の京都は天候的なめぐりあわせがよく、これまでほとんど雨の中で競馬していないため、芝自体がさほど傷んでいない。先週からBコースが使われているが、京都の柵の移動幅はJRA全競馬場の中でもっとも大きく、Bコースになると柵が直線で4m、直線で3m外側に移動する。それだけ外に移動すると、内の傷んだところがほぼカバーされ、とくにコーナー部分の芝がほぼ新品同様になる。今週はその翌週。

 先週は土曜日は曇りで雨は降らなかった。土曜日は0.5秒前後速かった。だが日曜日は8時ごろから正午まで1~1.5ミリの雨が合計6.5ミリ降り、午後も小雨が降り続いた。その結果日曜日はやや時計がかかって0.2秒前後速かった。また先週にコース替わりしてコーナー部分の内の芝がよくなった影響は大きく、かなり内有利、先行有利になった。直線もほぼ内ぴったりの攻防になることが多かった。

 日曜日に6.5ミリ降って以降今週は雨が降っていない。週日に3回も水撒きしているのは速くなりそうな気配を担当者が感じているからだろう。したがって水まきによる効果は先週からの現状維持程度で、先週の競馬始めより目立って遅くなることはない、と考える。また冒頭に京都は内外回りがあるから、秋の芝の傷み出しが遅い、と書いたが、コース替わり後の内の傷み出しも同様の理由で遅い。したがって今週は時計においては先週の土曜日程度、内外回りの有利不利、先行差しの有利不利についても先週の(とくに土曜日の)傾向を引き継ぐ。土日とも0.5秒速い時計と予想する。内有利、やや先行有利。




【京都ダート】


■内有利。先行差し互角も、早め展開なら前崩れもありうる


 先々週から京都ダートは少し時計が遅くなった感じで、土日ともほぼ0.2秒前後速かった。先週も土曜日までは乾いたダートだったので、先々週同様に0.2秒速いダートだった。日曜日は8時ごろから正午まで1~1.5ミリの雨が合計6.5ミリ降り、午後も小雨が降り続いた影響で少し時計が速くなった。みやこSが競る形で前が早めにやり合ってしまったため思ったほど速くならなかった分を多少上積みして、0.7秒くらい速かったと考える。

 今秋は週日に雨がない上に久々に雨の心配のない週末になりそう。しかも先週と違って晴れそうなので、先週の土曜日と同等以上に力が要るダートになるはず。おそらく今秋の京都ダートでもっとも力の要るダートになる。時計的には土日とも0.2秒遅い前後、内有利。先行差し互角。早め展開なら前崩れになりがち。




【福島芝】


■まだ内の芝がそれほど悪くない。先行差し互角。内外互角。


 Cコース2週目。秋福島の最終週。

 10年近く前まで秋の福島は3歳未勝利戦の最後の受け皿として多くの開催数をこなしていたので、毎年秋の開催の後半には芝が禿げてほとんどなくなっているような状態になっているのが普通だった。そういうイメージはなかなか消えないモノで、今でも秋の福島の芝といえば悪くて当たり前のような気がするが、その先入観はかなり前からスクラップ化している。震災を経て福島の芝コースは馬が走る部分に関してはほぼ全面的にエクイターフになっている上、これだけ開催数が減ってしまうと物理的にそう簡単には芝は悪くならない。昨年の秋の福島なんて最後まで芝がほとんど悪くならなかった。

 だが今年から、昨年まで中央でやっていた障害戦の大半がローカルに移されることになった。1週約3レース障害が行われることになるので、影響はかなり大きいはず、と思っていたのだが、これまでほとんど良で競馬できたことが大きく、最終週になってもまだ芝の傷みがそれほど目立たない。先週からCコースにコース移動したのが大きく、映像で見るとコーナー部分の内がとくにいい。ただし時計的に見ると、最初が速かっただけにここへきてある程度遅くなっていることはたしか。先週の土曜日は0.4秒ほど速かった。日曜日はさらにかかって0.2秒前後遅かった。福島は馬群がバラける競馬場なので、全体としての芝の傷みはそれなりに進んでいるようが、内外を見るとやはりコース替わりの影響が大きく、外伸びの馬場にはなっていない。

 先週の日曜日に1.5ミリ雨が降って以降、まったく降っていない。秋開催の福島は雨が少なく、週に1回は散水していたものの、今週は週日に散水をしていない。今後のことを考えてここは散水を控えたのだろう。また今週末は晴れる予報である(北陸は降る予報なので、降るとしたら福島だが、ここでは晴れるものと考える)。最終週ながら先週と互角か、あるいはもっと速い芝になるはず。0.3~0.5秒程度速い芝と予想する。土日とも先行差し互角。内外互角。




【福島ダート】


■乾いて時計がかかるダート。やや先行有利、やや外有利


 雨が降る予報が出ていた先週の日曜日の午後、ぱらぱらと断続的に1.5ミリしか降らなかった。これで福島は先々々々週から3週間ほとんど降ってないも同然ということになった。先週の土曜日は0.2秒遅く、日曜日は午前中の雨で0.5秒前後速かった。日曜日はお湿り程度の雨でタイム差なし。

 今週は晴れる見込みで、砂はさらに乾いて時計がかかるはず。0.3秒前後遅くなる可能性がある。やや先行有利、やや外有利。



プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。


城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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