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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2014年11月28日(金)更新

今週の馬場傾向【秋の東京・京都最終週】


【東京芝】


■最終週でも芝の状態は良好 内外互角、先行差し互角


 Cコースの2週目。

 長年競馬をやっていてもJCの週には少しだけお祭り気分になり、JCが過ぎるといよいよ年末が近づいていることに気付く。芝もそろそろ冬の芝になりつつある。

 東京は京都と違って内外回りがないので、開催が頻繁に雨に当たるといくらコースが広いとかエクイターフだとかいっても芝は傷みがちだ。だが今秋の東京は全般的に雨が少ないし、強い雨にもまだ当たっていない。Cコース替わりした先週は週日の木曜日に13ミリ降ったが、開催中はずっと晴れの競馬だった。そのため3日連続開催であっても芝の傷みは最小限に抑えられた。とはいえ時計的には秋開幕の4回東京のしょっぱなは1秒弱速かったのが、少しずつかかるようになってきていて、先週は3日間を通じて0.2秒速い~0.2秒遅いの間だった。

 今週は週日の火曜日に11.5ミリ、水曜日に43ミリ、木曜日に2ミリ降り、金曜日正午の時点の馬場発表の芝は「稍重」だった。金曜日に降ってないし、気温も多少高めなので、土曜日には「良」に回復するはずだが、土曜日の天気も曇りなので、ちょっとしっとり目の「良」と考えていいはずだ。土曜日は0.5秒前後遅く、日曜日に晴れれば馬場が乾いて0.2秒前後遅い状態になるだろう。

 先週から使われているCコースは、コーナー部分、および直線部分の内側がかなり白くなっている。これは洋芝が飛んで下の野芝の色が現れたもので、野芝のベースにはまだそれほど傷みはないはずだ。先週も土・日のうちは先行有利、内有利がはっきりしていた。月曜日になると一見外の差し馬が攻勢を強めていた。ただし見かけ上外の馬番が強かったようでも、ほとんど馬場の内めでの攻防だった。

 もちろん持ち出す余裕があれば外のほうが芝はいいが、最終週であっても外を回って距離損するデメリットを相殺できるほど内の芝の状態はまだ見劣っていない。先行差し互角、内外互角。




【東京ダート】


■先週より速いダート。先行差し互角、やや外有利


 先週は木曜日に13ミリ雨が降って金曜日正午の馬場発表が稍重。その後金曜日も土曜日もずっと晴れたが、良に回復したのは土曜日の午後だった。タイムは土曜日が0.7秒前後速かったが、日曜日以降はずっと良で、日、月ともタイム差なし程度になった。

 今週は火曜日に11.5ミリ、水曜日に43ミリ、木曜日に2ミリ降り、金曜日正午の馬場発表でダートは「重」だった。先週と違って金曜日はずっと曇りだったし、土曜日も曇りが続きそうなので、土曜日は前半が重で、午後になって回復しても稍重までか。したがって先週の土曜日より速くなるはずで、土曜日は重で2秒~1秒速い前後、日曜日は前半稍重、正午頃に良に回復したとして、先週の土曜日なみの0.7秒速い前後になると思う。ただし前が止まらないというより、ちょうど差しごろの速さになる可能性が高く、先行差し互角、やや外有利になるのではないか。




【京都芝】


■秋京都の最終週も芝は上々、内外互角、先行差し互角


 2週めのCコース。

 先週からCコースが使われたが、3日間連続開催の月曜日の時点でCコースの内の芝はまだ青いままだった。東京と違って京都には3・4コーナーに内・外回りがあるため秋の芝はもともと傷みづらいし、しかも今年秋の京都は天候的なめぐりあわせがよく、これまでほとんど雨の中で競馬していないため、芝がいい状態で温存されてきた。今週はCコース2週目になるが先週大きく芝が傷んだ様子もなく、依然として芝の状態は上々のはず。

 今週の京都は火曜日に19.5ミリ、水曜日に1.5ミリ降った。東京と比べると雨量が少ないし、止んだのも早く、金曜日正午の馬場発表の時点ですでに「良」だった。週末は土曜日に雨が降りそうだが、土曜日の午前中に5ミリ以下の雨量で降って、午後には止むものと考えると、もともとの芝がある程度乾き気味なのでさっさと水はけしてそれほど時計も遅くならない可能性が高い。土曜日が0.5秒遅い前後で、日曜日は0.3秒速い前後の芝に戻ると思う。

 先週はCコース替わりで内側の芝が一新し3日間を通じて内有利、先行有利だった。今週の芝もいいとはいっても先週ほどではなく、内外互角、先行差し互角だろう。




【京都ダート】


■ちょうど差しごろの速さで、やや差し有利、外有利。


 先週は2週続けてほとんど雨が降らなかったため、白く乾いたダートで、3日間とも時計はタイム差なし~0.2秒前後遅い範囲だった。

 今週は火曜日に19.5ミリ、水曜日に1.5ミリ降り、金曜日正午の馬場発表は「稍重」だった。また土曜日には小雨が降りそうだ。土曜日の午前中に5ミリ以下の雨量で降って、午後には止むものと考えるが、すでに金曜日の時点で稍重なので、この雨の影響は多少あり、土曜日は1秒前後速くなりそうだ。日曜日は晴れそうだが、気温・湿度的に砂の乾き方もゆっくりだろうから、0.6秒前後速い程度になりそう。ちょうど差しごろの速さで、やや差し有利、外有利。



プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。


城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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