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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2015年01月16日(金)更新

今週の馬場傾向【京都ダートは差し馬に注意】


【中山芝】


■水分を含んだやや速めの芝で先行差し互角、内外互角


 3週目のCコース。

 中山は先々週からCコースが使われている。冬の中山がCコースで行われるのは例年通りだが、今期の中山は9月の開催がなかったことによって通常なら9月→12月→1月がそれぞれB→A→Cとローテーションするところ、Bを飛ばしてA→Cというローテーションになった。Bコースを走っているときはCコースの内側も馬が走るが、Aコースを走っているとき6m外側のCコースまではみ出して走ることはほとんどない。したがって例年のCコースは「若干使用感あり」なのに対して、今年のCコースは「限りなく新品同様に近い」芝と考えるのが適当なわけだ。

 先週(2週目のCコース)は火曜日に7ミリ降っただけで路盤は乾き気味、週末は晴れの競馬で、タイム差なし~0.5秒速い時計だった。

 それに対して今週は木曜日に37.5ミリ雨が降った。金曜日は晴れ。金曜日正午の馬場状態は「稍重」だが、中山は昨年路盤工事をして排水性が改善しているので、土曜の競馬開始までには良に回復するはず。先週までの競馬で内が傷んだ気配はあまりないが、ここまでのCコースと比べればかなり含水が多くなるため、0.5秒遅い~タイム差なしの範囲の時計を予想する。やや速めの芝で先行差し互角、内外互角。




【中山ダート】


■力の要るダートで先行差し互角、やや外有利


 中山は先週の木曜日に2回目の凍結防止剤(塩化ナトリウム、塩化カルシウムの混合物)をまいたが、木曜日に37.5ミリの雨が降ったので、あらかた流れてしまったはず。金曜日正午の馬場発表は「不良」。ここ数日気温が多少高めだし、金曜日もよく晴れたので、土曜日は稍重の競馬になりそうだ。土日とも晴れそうなので、日曜日の午後あたりから良馬場に回復するのではないか。

 先週まではほとんど雨が降っておらず、ダートは乾いて時計がかかっていた。先週は土曜日が0.5秒前後遅く、日曜日が1秒前後遅いダートだった。だが週末近くにまとまった量の雨が降った今週は一変して速いダートになるはずで、土曜日が1~1.5秒速く、日曜日が0.5~1秒速い範囲の時計になりそう。先行差し互角、やや外有利。




【京都芝】


■やや時計がかかっても内外の状態に差はない。やや先行有利。内外互角。


 今期2回目のAコース3週目。

 昨年秋の京都は、Aコース9日間→Bコース4日間→Cコース5日間というコース・ローテーションだった。昨年秋のAコース使用時は天候に恵まれてそれほど芝が傷まなかった。その後B、Cコースを合わせて9日間使い、Aコースに戻った。1開催9日間Aコースが使われるうち、今週は3週目(6~7日目)になる。

 1週目はかなり速かったが、2週目の先週は時計が落ち着き、タイム差なし前後になった。2週目も数字上降水はなかったが、1週目が晴れていたのに対して2週目はだいたい曇っていた。その差は意外と大きいのかもしれない。

 今週は木曜日に17.5ミリ雨が降り、金曜日正午の馬場発表は「重」。時期的に水分が抜けづらい上に、予報では明日の京都は昼前後に雨か雪。少なくとも土曜日は重~稍重になりそう。日曜日の特別戦が始まる頃に良に回復するかどうかだ。

 土曜日の昼に雨が降るかどうかにもよるが、京都の芝は含水量に比較的敏感で、先週より遅くなるのはほぼ間違いない。土曜日が1.5秒前後遅い芝、日曜日は1秒前後遅い芝になるのではないか。時計がかかるようになったからといって芝の状態はよく、内外の状態にも差はない(外差しの芝ではない)。先週の日曜日に外の馬ばかり来たのはタマタマだと思う。やや先行有利。内外互角。




【京都ダート】


■先行有利、やや外有利。日曜日は差し馬に多めに注意を払うこと


 先週の京都は火曜日に6.5ミリ雨が降っただけだったが、曇りが続き、気温が上がらず、湿度が高かったために、金曜日の馬場発表から稍重で、土曜日も1日中稍重になった。洗濯物が乾かない状況になるとダートも乾かなくなるということだろう。土曜日の時計はタイム差なし前後だった。日曜日は良になり、0.6秒前後遅かった。とくに先週の土曜日の時計が馬場状態の割に遅かったのは、凍結防止剤をまいている効果かもしれない。

 今週は木曜日に17.5ミリ降って金曜日正午の馬場発表は「不良」。17.5ミリで凍結防止剤が流れるかどうかは微妙なところ。予報では明日の京都は昼前後に雨か雪なので、土曜日が重、日曜日にならないと稍重にならないかもしれない。重で1.5秒前後速く、稍重になって0.5秒前後速くなると考える。先行有利、やや外有利が基本だが、日曜日は差し馬に多めに注意を払うこと。




【中京芝】


■今週からBコース。やや先行有利。やや外有利。


 今週からBコース。

 1回中京は今週と来週の2週間(4日間)だけBコースで行われる。ちなみに昨秋の2回中京は6日間Aコースだった。また次の2回中京になると再びAコースに戻る。2回中京は6日間開催で、ずっとAコースを使い、最終日に高松宮記念がある。たしかにこのローテーションなら2回中京がグリーンベルト開催にならないことは間違いない。

 中京には優先的にエクイターフが回されているが、それでも中京の芝は傷みやすい。開催が冬期に集中している上に、地形的に名古屋の冬がとくに寒いということもある。だが最大の理由は、中京がこの時期の障害戦の大部分を引き受けているためだ。障害専用コースがない中京では平地の芝コースに置き障害を置いて障害戦をすることになる。しかも障害戦は3000m級の長丁場なので、通常の芝レースの2レース分以上の負担がかかる。多少平地の芝レースを減らしても、障害戦が1日に2レースもあると冬期で弱っている芝が一気に傷んでしまうわけだ。

 昨年の秋は前2週は乾いた状態で競馬できたが、最後の1週はじめっとした天気で一気に芝が傷み、完全に内を避けた競馬になった。したがってBコースになっても直線部分の内側はある程度傷みが残っているが、コーナー部分の内側の傷んでいる部分はカバーされた状態だ。

 今週は木曜日に30.5ミリ降り、金曜日正午の馬場発表は「重」だった。だが京都と違って中京は土日とも晴れる予報につき、土曜日の午後のレースまでに良に回復するのではないか。ただしまだ水分が残っている3、4レース目に障害戦があるため、芝レースが始まる前にかなり傷みが進んでしまう可能性がある。それを見込んで土曜日は0.5秒遅い~タイム差なし前後、日曜日が0.3秒遅い~0.3秒速い程度の時計になると思う。やや先行有利。やや外有利。




【中京ダート】


■稍重または重でも差せる馬場で、先行差し互角、内外互角。


 木曜日に30.5ミリ雨が降って金曜日正午の馬場発表が「不良」。土日とも晴れる予報だが、気温が低いこともあり、そう簡単には砂は乾かない。土曜日は重、日曜日の正午過ぎくらいに稍重になると考える。秋以降の中京のダートは比較的時計がかかっていて、重で0.5秒前後速く、稍重でタイム差なし程度になると予想する。稍重または重でも差せる馬場で、先行差し互角、内外互角。



プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。


城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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