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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2015年01月30日(金)更新

今週の馬場傾向【今年初の東京開催】


【東京芝】


■土曜日は含水があり力の要る芝。日曜日にはかなり速くなる。


  Dコースの1週目。

 昨年の東京はAコースを7日、Bコースを6日、Cコースを5日使った。18日間開催があり稍重になった日が5日間あったが、重以上になった日は1日もなかった。非常に天候に恵まれていたといっていいだろう。秋の開幕週は0.7秒前後速かったが、昨年内の最終日(JCの開催日)には0.3秒くらい遅くなった。ただし最後の週は週日に合計56.5ミリ降っているので、良といっても稍重に近かった。

 Dコースは今週からお披露目になる。Cコース使用の時にDコース側にもはみ出して走るとはいえ、Cコースの時の芝の状態がよかったので、Dコースにはみ出して走っている馬はそれほどいなかった。したがってDコースの状態は本来なら上々だが、金曜日に雪になった。JRA・HPによれば金曜日正午までに雨量にして8ミリ降り、馬場発表は「稍重」だったが、その後も雪、みぞれが降り続いて最終的には16ミリ程度降ったようだ。後半はみぞれになったが、雪かきが必要なくらい積もったようだ。

 雪かきすると芝は傷むが、もともとの芝がそれほど傷んでないので、表面が荒れるだけで、大きく傷むことはないだろう。11時40分スタートの最初の芝の未勝利戦の時点ではたぶん重だと思うが、その先の府中は土日とも晴れ、気温もある程度上がりそうなので、土曜日の午後の特別戦からは稍重、日曜日の午後には良に回復するのではないか。土曜日の芝は1.5秒遅い~0.5秒遅い範囲で、日曜日になると0.2秒くらい速くなると考える。土曜日中は含水がありやや力の要る芝で、やや内有利。先行差し互角。日曜日には水が抜けて通常の芝に近づき、やや内有利、やや先行有利になる。




【東京ダート】


■前が止まらないダートで、やや先行有利、やや外有利。


 ダートに積もった雪をある程度雪かきしても、その後ほっておくとダートが凍りやすいため、たぶん今夜は徹夜でハロー車を走らせることになる。金曜日の積雪は降水量にして16ミリ程度だが、現在の気温が1~2℃なので、夜が明けて気温が上がるまでダートの水分が乾くことはない。金曜日正午の馬場発表が「重」だが、その後も降っているので、おそらく土曜日の前半は不良で、気温が上がって後半に重にまで回復し、日曜日の昼に稍重に回復する感じだろう。

 雪かきした後の芝は意外と乾きが早いが、雪かき後のダートは砂と雪をかき混ぜる感じになるのでじっとり濡れる。土曜日は普通に2~1.5秒近く速くなり、日曜日は1~1.5秒程度速くなるのではないか。木曜日に凍結防止剤を散布しているが、凍結防止剤入りのダートは乾き気味の時にちょっとべたつき気味になったり、乾きが悪くなったりする。時計的には前が止まらないダートの範疇だが、凍結防止剤の影響を考えるとすれば、日曜日のゴール前で多少先行馬の脚を鈍らせるように働くかもしれない。理屈はそうでも微妙すぎて、やや先行有利、やや外有利と考えておくのが無難だろう。




【京都芝】


■コース替わりで内がよくなり、やや内有利、先行差し互角


 今週からBコース。

 昨年秋からここまでの京都は、Aコース9日間→Bコース4日間→Cコース7日間→Aコース9日間というコース・ローテーションだった。今年はどの競馬場もそうだが、京都はとくに天候に恵まれてこれまで芝が稍重になった日が4日しかなく、重以上にはなっていない。先週まで使われていたAコースは秋以降18日間も使われているのに、先週の時点でもまだそれほど内が悪くなっていなかった。

 今週からBコースになる。Bコースは昨年4日間使われただけで、Aコースと比べればその負担は全然軽い。今回のBコース替わりで内はほぼ一新して、全体としても相当状態がよくなっている。

 京都は金曜日が降水量が4ミリ程度の雨だった(府中と違って雪は降らなかった)。金曜日正午の馬場発表は「稍重」だったが、京都は土日を通じて曇りが続く予報なので、午後に良になるにしても、含水のある稍重に近い良の状態のまま推移するだろう。土の違いがあって京都は含水量に敏感で、0.5秒前後遅い芝になりそう。コース替わりで内がよくなったことは明らかにつきやや内有利、先行差し互角。




【京都ダート】


■土日とも内有利、土曜日は先行有利、日曜日は先行差し互角。


 先々週、先週の京都ダートはいずれも木曜日に10ミリ超の雨が降り、その水分が残って先々週は土日とも重、先週は日曜日の午後まで重で昼過ぎに稍重になった。今週は金曜日の昼までに4ミリ降った。金曜日正午の馬場発表は先々週が「不良」、先週は「重」で、今週も「重」だった。おそらく含水量にすると今週がいちばん少ないはずだが、週末が曇り予報であることも考慮して土曜日は重で、日曜日に稍重になると考える。

 時計的には先週の土曜日が重で1.6秒前後速く、日曜日は1秒前後速かった。今週もほぼそれと同じくらいか、少し遅いくらいだろう。先々週、先週とも土日とも内有利だった。脚質面では土曜日は先行有利で、日曜日になると先行差し互角になった。含水量が近そうなので今週も同様の推移になると考える。土日とも内有利、ただし土曜日は先行有利、日曜日は先行差し互角。



プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。


城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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