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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2015年03月13日(金)更新

今週の馬場傾向【中京開幕週の馬場】


【中山芝】


■土日を通じて切れ味が生きる状態で、先行差し互角。内外互角。     


《Aコースの3週目》
 先々週の日曜と先週の土日が続けて雨中での競馬になり、3~4コーナーの合流点部分の内側の芝がかなり傷んだ。ただし中山はもともと洋芝が薄い上に冬場の開催の連続で中間の洋芝の伸びがほとんどないため、傷んでいる部分が目立つが、洋芝がなくても野芝の根がまだかなり残っていて、見かけほど傷んでいるわけではない。また直線に入れば(馬群がバラけるので芝の傷みも分散して)内の芝の状態も遜色ない。JRA・HPにもあるように、全体として芝の状態はかなりいい。とはいえ3~4コーナーの内めが傷んだことは間違いなく、差し引き内伸びの状態ではなくなった。

 先週は水曜日に15ミリ降り、金曜日に1ミリ、土曜日に3ミリ、日曜日に0.5ミリ降り、土日とも稍重になった。雨量は少なかったが乾く間がなく、当日も降り続いたことで路盤が緩み、土曜日が1秒前後遅く、日曜日が1.5秒前後遅い芝になった。

 今週は月曜日に16.5ミリ、火曜日に4.5ミリ降ったが、金曜日正午の馬場発表は「良」で、すでにある程度水はけしている感じ。土曜日が晴れ、日曜日は曇りの予報だが、気温もかなり上がっているし、土曜日に晴れればさらに乾いて芝の状態は速めのまま維持される。土日を通じて切れ味が生きる状態で、先行差し互角。内外互角。




【中山ダート】


■力の要る遅めのダートで、やや先行有利、やや外有利。


 先週は週日から雨が降り続いて土日とも重になり、土日とも1秒少々速かった。先々週も土日とも稍重で、2週続けて速めのダートになったが、今週は週の前半に雨が降ったものの、水曜日以降は雨が降っておらず、金曜日正午の馬場発表は「稍重」。気温もかなり上がっていることから、土曜の競馬開始時点までにはほぼ良になるはず。土日も晴れる見込みなので、砂は乾きめである程度力を要求し、0.5秒前後遅いダートになると想定する。やや先行有利、やや外有利。




【阪神芝】


■雨量次第ではかなり遅くなる。先行差し互角、やや内有利


《Aコースの3週目》
 秋競馬開始以来の阪神のここまでの芝ローテーションは、A4日→B4日→A6日→B2日→A4日…だった。AコースとBコースしかない阪神の場合、それらを交互に使っていけば、BコースのときはAコースは走れないが、AコースのときはBコース部分も走るという単純な理屈でBコースの傷みが進みやすい。だが秋以来の競馬では、先々週、先週も含めてAコースばかりが雨に当たっていて、比較上内のほうがいいとは言えなさそうな現状になっている。とはいえ阪神の場合は内外回りがあるので、1日4レースあっても、それぞれのコーナー使用は2レースずつしかなく、コーナーの内はかなり温存されているはず。JRA・HPの記述も「2週続けて雨の中の競馬となりました。正面直線に傷みが出てきましたが、全体的には概ね良好な状態です」とある。直線の傷みは内外バラけるし、コース取りで避けることができるので、ある程度内の有利は今週も温存されていると見たほうがよさそうだ。

 先週の土曜日は雨中の競馬になり2秒少々遅く、雨が上がった日曜日は少し時計を戻して1.6秒前後遅かった。今週は週日の月曜日に19ミリ降っただけで金曜日正午の馬場発表は「良」だった。このまま競馬できるならある程度速くなるはずだが、阪神は今週も天気がはっきりせず、これから競馬開始までにある程度降る可能性が高く、日曜の午後にも降るという予報が出ている。ある程度芝の傷みも進んでいるはずなので、雨量的には少なくとも良発表で0.5秒程度遅く、稍重以上なら1~1.5秒以上遅くなりそう。先行差し互角、やや内有利。




【阪神ダート】


■切れ味が生きるダートで、やや先行有利、内外互角。


 先週は土曜日が稍重→重で0.8秒前後速く、日曜日は不良→重で、2秒弱前後速かった。今週は月曜日に19ミリ降っただけで、金曜日正午の馬場発表が「良」。だが土曜日は早朝から雨が降る予報で、稍重か重の競馬になりそうだ。日曜日は曇りのち雨の予報だが、いつ頃降り出すかが不明。いずれにせよ土日とも速めのダートになりそうで、土曜日が1.5秒前後速く、日曜日は1秒少々速くなると考える。切れ味が生きるダートになるはずで、土日ともやや先行有利、内外互角。




【中京芝】


■目に見えないグリーンベルトがあるが、むしろ差し馬がレースをしやすい


《Aコースの1週目》
 中京も阪神と同じようにAコースとBコースしかなく、それらを交互に使うことで傷みの分散を図っているが、阪神と違って中京には内回りと外回りがない。また今期から大幅増になった障害戦の負担も大きい。中京は12月の開催で6日間Aコースを使い、1月の開催で4日間Bコースを使って、今回Aコース戻しになる。阪神のところでも書いたように2つしかないコースを交互に使用する芝コースでは、使い込んでいくほどAコースのほうが比較上状態がよくなる。しかも1月のBコース開催は4日ともかなり含水のある状態で行われて時計もかかっていた。その後洋芝を追い蒔きしてシート養生したので、見かけ上は内外それほど差はなくなっているはずだが、Aコース部分のほうが状態がいいことは間違いないところ。今回はグリーンベルト開催と考えていい。だがたぶんそれは騎手にとっても明らかなことなので、内は馬が集中して窮屈になりやすく、逆に差し馬が漁夫の利を得やすいことも併せて考えておかねばならない。

 今週は月曜に9.5ミリ、火曜日に0.5ミリ降ったが、その後は晴れが続き、金曜日正午の馬場発表は「良」。阪神同様に土曜日の早朝と日曜の午後に雨が降る可能性はあるが、土曜の雨は阪神と比べて雨量が少なそうだし、日曜の雨も競馬終了後に降る可能性がかなりある。ある程度乾いた芝で、土日ともタイム差なし程度の時計を想定する。内のほうが芝がよく先行激化がありうるし、むしろ差し馬のほうがレースをしやすいはず。内外互角、先行差し互角と考える。




【中京ダート】


■力の要るダートで、先行差し互角。やや内有利


 月曜に9.5ミリ、火曜日に0.5ミリ降ったが、その後は晴れが続き、金曜日正午の馬場発表は「稍重」だった。阪神同様に土曜日の早朝と日曜の午後に雨が降る可能性はあるが、土曜の午前中の雨量が少ないなら、その後は晴れの予報で気温もかなり上がりそうなことから、ある程度ダートの乾きも早いと考えて、力を要求する遅めのダートになり、0.5秒以上遅くなると想定する。日曜の雨は競馬終了後になる可能性がかなりあるので、土曜の乾いた状態をそのまま引き継いで、0.5秒以上遅い時計になると考える。力の要るダートで先行差し互角。やや内有利。



プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。


城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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