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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2015年04月24日(金)更新

今週の馬場傾向【東京・京都の開幕週】


【東京芝】


■目いっぱい速い芝。内有利だが、先行差しはほぼ互角     


《今週から2回東京が開幕。Aコース1週目》
 Aコースは昨年の秋の4回東京で7日間使われた。その後Bコース(6日間)→Cコース(5日間)→Dコース(8日間)とローテーションして、再びAコースに戻ってきた。前年にAコースが使われた4回東京は台風シーズンなので、たまたま週末が台風に当たって芝が傷んでしまう年もあるが、昨年の4回東京には雨中の競馬も高含水の競馬もどっちもなかった。であれば、まだ気温も高く年間でもいちばん芝が元気な時期なので、8日間競馬したダメージは最小限に見積もっていいことになる。

今週は火曜日から雨が降っておらず、22日から24日まで4日間続けて芝に散水している。そうすることが必要なくらい気温が上がって芝が乾いているわけだ。しかも今週末は土日ともスカッと晴れそうなので、東京の芝としてはもっとも速い状態で競馬が行われることは間違いない。1秒前後速くなると想定する。

状態としては、いわゆる"前が止まらない"開幕芝だが、同時に差し馬の決め手も長い直線で生かしやすい。したがって内有利だが、先行差しはほぼ互角である。




【東京ダート】


■力の要るダート。やや差し有利、内外互角


 今週は火曜日以降まったく雨が降っていない。また今週末は土日ともきれいに晴れる見込み。これだけ雨が降らなければ気温も上がっているので砂はかなり乾くはず。0.7秒前後遅いダートと想定する。日本でいちばんゴール前直線の長い東京で、目いっぱい遅いダートになるわけだから、よほどペースが緩まないと先行馬は残れない。やや差し有利、やや内有利。




【京都芝】


■前の止まらない速い芝。内有利、先行有利


《今週から3回京都が開幕。Cコース1週目》
 今週から始まる東京は2回東京だが、京都は3回京都。秋以降の開催数は京都のほうが東京より1回多い。その分京都のほうが傷んでいそうだが、実際にはそんなことはなく、昨年の3回京都のしょっぱなよりもCコースの状態はいい。その昨年の3回京都のCコースは最初から最後まで内有利、先行有利の速い芝だった。今年の芝はスタート時点からそれよりもいいということを肝に銘じておく必要がある。

ただし昨年の同時期はまるまる2週間雨が降らずに3回京都がスタートしたのに対して、今年は20日に25ミリ、21日に3.5ミリ降っているし、22日と23日には散水もしている。週末は土日ともすっきり晴れるとすると、芝の状態は昨年よりいいが路盤の状態は昨年より多少軟らかめ。であれば0.5~1秒前後速い芝という想定でいいはず。前の止まらない速い芝で内有利、先行有利。




【京都ダート】


■力の要る乾いたダート。先行差し互角、内外互角


 東京と比べると京都は中間に少し雨が降っている。それでもこれだけ気温が上がれば土曜まで水分が残るとは考えづらい。週末は土日ともすっきり晴れそうだし、力の要る乾いたダートになるはず。0.5秒前後遅いダートと想定する。先行差し互角、内外互角。




【福島芝】


■ある程度力の要る芝。先行有利、内有利


《今週からBコース。1回福島の最終週》
 かつての福島は芝が非常に傷みやすい競馬場だったが、番組編成の見直しによって開催数が大幅に減ったこと、走路の芝がほぼエクイターフに置き換えられたこと、また中京と違って厳寒期の開催がないことなどによってそれほど芝が傷まなくなった。

だが1回福島の1週目は雨の競馬になり、2週目(先週)は含水のある良の芝での競馬になった。それによって芝の傷みはかなり進んだ。先週は含水の高かった土曜日が0.5秒前後遅く、芝が乾いた日曜日は0.5秒前後速くなった。土日とも直線では外に出す馬が多かったが、コーナーでは馬群は内ぴたりを回っていた。したがって今週からのBコース替わりでコーナーの内の状態がよくなることはたしか。

今週は土日で芝のレースが合計10レース、障害戦が合計3レースある。障害戦があるとコース全体がまんべんなく耕されてしまう。今週は週アタマに多少降っただけで週末は晴れる見込みだし、芝はある程度乾燥しているはずだが、芝の傷みも同時に進行し、ある程度力の要る馬場になるはず。0.5秒前後速い~タイム差なし前後の芝になると想定する。先行有利、内有利。




【福島ダート】


■標準的なダートでやや先行有利、内外互角


 先週の土曜日は午前中が稍重、土曜日の午後から良になったが、時計は1日を通じてほぼタイム差なしだった。日曜日の時計もほぼ同じ。今週は週アタマに多少降ったが、気温が高いので週末までには砂が乾くはず。今週の土日も標準的なダートでタイム差なし前後の時計を想定する。やや先行有利、内外互角。



プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。


城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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