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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2015年07月24日(金)更新

今週の馬場傾向【いざ、3場ラストウィーク】


【福島芝】


■速い芝も多少内が傷み加減。やや先行有利、内外互角


《Bコース2週目。今期福島最終週》

かつての福島は芝が非常に傷みやすい競馬場だったが、番組編成の見直しによって開催数が大幅に減ったこと、走路の芝がほぼエクイターフに置き換えられたこと、また中京と違って厳寒期の開催がないことなどによってそれほど芝が傷まなくなった。

関東以南は先週の週末に梅雨明け宣言が出たが、東北にはまだ出ていない。天気図を見ると福島、宮城の上を前線が横切っている。いつ雨が降っても不思議ではないが、土曜日の予報は曇りのち晴れ。多少降ったとしても今の気温ならさっさと水はけしてしまうはずなので、土日とも良馬場で競馬できると考える。

先週は台風11号の影響で木曜日に36.5ミリ降ったが、それ以降は土曜日に2.5ミリ降っただけで土日とも良馬場だった。土曜日は0.2秒速く、日曜日は0.3秒遅かった。2回福島が始まって以来少しずつ遅くなっている。

今週の中間は月火に21ミリずつ降り、木曜にも8ミリ降り、芝への散水はしていない。金曜日正午の馬場発表が『良』。このまま土日とも晴れて良で競馬できる公算が強い。酷暑で芝は乾くことは乾くが、湿度が高くカラカラにはならないだろう。ほぼ先週並の0.5秒前後速い~タイム差なしの時計を想定する。

モニターで見ると全般的には芝の状態はよさそうだが、3~4コーナーの内側と直線の最内部分の芝が多少ヘタってきているのがわかる。これが中央場ならこの程度の傷み方なら大した影響はない、と書けるのだが、ローカルは芝のレース数が多く、コース取りの自由さもない。先週に比べれば多少外の馬への目配りも必要になるはず。やや先行有利、内外互角。




【福島ダート】


■乾いて多少力の要るダート。先行差し互角、やや外有利


先週は木曜日に36.5ミリ降り、土曜日に2.5ミリ降った。木曜の36.5ミリの雨がずっと抜けず、土日とも稍重のまま、土曜が0.7秒前後速く、日曜日が1.3秒前後速かった。先週も書いたが、思ったよりかなり速い。先週は前日散水するような状況でないので、ダート自身の水はけが悪くなっているため速くなっていると考えるべきだろう。

今週の中間は月火に21ミリずつ降り、木曜に8ミリ降った。金曜日正午の馬場発表が『稍重』。先週の金曜発表は『重』だったから、先週よりは乾いて、たぶん良で競馬できるハズ。土日ともタイム差なし~0.5秒速い前後のダートを想定する。先行差し互角、やや外有利。




【中京芝】


■乾いた芝でそこそこ速いが内が傷み加減。内外互角、やや差し有利


《Bコース2週目。2回中京最終週》

秋の未勝利戦がなくなって福島の芝があまり傷まなくなったのに対して、中京は冬の開催と梅雨時の開催しかなく、幅員が広いので出走頭数も多く、本州の競馬場なので障害戦も引き受けねばならないとあって、芝の傷みやすい条件が全部揃って今やいちばん芝が傷みやすい競馬場になった。

しかも先週は台風11号の通過点に近く、木曜は42.5ミリ降り、金曜も2.5ミリ降り、土曜日も朝のうち雨が残って5.5ミリ降った。土曜日は重の開催になり、0.2秒前後遅かった。日曜は午前中は稍重、8Rから良に回復し、0.4秒前後速い芝だった。先週からBコースに替わったが、土曜日に重の競馬になった影響は大きく、土曜日はもちろん、日曜日も外に展開する競馬が多かった。内の3mほどが傷んでいる様子だったが、ただし日曜日の最終レースでタガノザイオンが内ぴたりを走って勝っている。土曜の重で急に傷んだ分、芝が乾けば案外内外の差はないかもしれない。

だがそれは芝が乾けば、という条件付き。今週の中間も水曜日に19ミリ、木曜日に21.5ミリ降って金曜日正午の馬場発表が『重』。土曜は晴れて気温も40度近く上がりそうだが、湿度もきわめて高いので、やや水分を含んだ良になり、先週土曜日並の0.3秒前後速い芝になると想定する。日曜日には芝はさらに乾き、0.5秒前後速い芝になると想定する。内外互角、やや差し有利。




【中京ダート】


■乾いて力の要るダート。先行有利。内外互角


金曜日正午の馬場発表が『不良』だった先週は土曜日の前半が不良で、後半に重に回復した。1日を通じて1.8秒前後速かった。日曜は前半重で後半稍重に回復した。前半は1秒前後速かったが、後半は稍重といってもかなり乾いていてほぼタイム差なしだった。今週は金曜日正午の馬場発表が『重』で先週以上に気温が上がりそうなので、少なくとも先週の日曜日後半程度の時計に早々になると考えて、土曜はタイム差なし前後、日曜は0.5秒前後遅い時計になると想定する。中京のダートは良で時計がかかるようになると先行有利になるようだ。内外互角。




【函館芝】


■雨の競馬で土日とも先行有利。土曜は内外互角、日曜はやや外有利


《Bコース2週目。2回函館最終週》

先週は中間は雨が降らず、土曜が曇りで0.3秒速く、日曜は小雨が0.5秒前後遅かった。先週からBコースに替わったが、4週間競馬してきたAコースは最後には内に芝禿げラインができていたが、先週Bコースの内はまだそれほど遜色なかった。それは当然今週に引き継がれる。

今週の中間は大した雨は降っていないが、今週末の函館は早朝から降り始めて大雨になるという予報が出ている。芝の状態は上々といっても、最終週の芝で、ある程度土も練れているはず。土曜は不良になって1.5秒前後遅くなると想定する。先行有利、内外互角。日曜も雨が降る予報。雨量次第ではさらに遅くなるが、土曜ほどは降らないと考えて、1~2秒遅くなると想定する。ただし土曜の競馬で内が傷むはずなので、先行有利、やや外有利になる。




【函館ダート】


■水が浮いた速いダート。内有利、逃げ・先行有利


先週は中間の降水はなく、土曜日も開催中の降水はなく0.5秒遅かった。日曜日は午前中に小雨が降ったが良のまま0.2秒前後速かった。今週は中間の降水はなかったが土曜にかなりまとまった雨が降りそうで、土曜日は目いっぱい速くなると考えて2秒前後速くなると想定する。日曜は多少水が引いて1.5秒前後速いダートになると想定する。土日ともやや外有利、逃げ・先行有利。



プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。


城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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