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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2015年10月16日(金)更新

今週の馬場傾向【東京は雨の影響に注意】


【東京芝】


■雨が降り続けば一気に遅くなる可能性も。内有利。逃げ馬と差し馬が有利


《Aコース2週目》

秋しょっぱなの開幕週だった先週、芝はびっしり・しっかり生えていて、しかも速い一方ではなかった。中間まったく雨が降らず、週末も晴れの予報だったが、予想に反して土曜日は朝から曇り、日曜日にも1.5ミリ雨が降った。1.5ミリの雨量は大したことはないが、1日中曇っているのと1日中晴れているのではかなり違う。芝の時計は土曜日が0.7秒速く(ただし9Rの牝馬1000万がスローで遅かったので補正している)、日曜日が0.5秒速く、月曜日が0.3秒速かった。また毎日王冠は1番人気のエイシンヒカリが逃げて勝ったが、勝った馬が別格に強かった印象で、前が止まらない芝ではなかった。

今週は月~木までよく晴れたが、金曜日にしとしと細かい雨が降った。JRA・HPでは正午までの雨量が3.5ミリとなっているが、その後も数ミリ降り増しているようだ。衛星画像を見ると大きな雲は南の海上の離れたところを動いているが、関東の上空にだけ薄い雲が取り残されている。この雲が明日も雨を降らせるらしい。正午の馬場発表が稍重なので、予報通りこれから降り続けば明日は重になるだろう。ただし曇っているのが関東だけなので明日のどこかのタイミングで晴れることもあると思う。明後日は晴れ一時雨の予報で、重から始まったとして最終的に稍重まで回復するかどうか。

調べてみると昨年秋~今年春までの東京は一度も重以上になったことがなかった。金曜や土曜の朝に雨が降ったことはあるが、開催までに止むので、水はけして稍重まで回復していた。だが東京の芝はもともとがかなり軟らかいセッティングなので、重以上になると一気に軟らかくなり時計がかかる可能性がある。明日の開催中に雨が止めばさっと回復して重でも0.5~1秒遅い程度の時計になると思う。可能性は少ないと思うが、金曜日のように1日中降り続いた場合は2秒前後遅くなることも考えられる。重くなっても内の芝の状態がいいことには変わりないので内有利。逃げ馬と差し馬が有利。




【東京ダート】


■しっとり濡れて締まったダート。先行差し互角、内外互角


先週は中間に雨が降らず、土曜が曇、日曜に小雨、月曜が晴れた。今の気候なら晴れていてもカラカラにはならないし、曇っていればなおさらなので、先週並の時計が今のダートの標準設定と考えていいと思う。先週は3日間ともほぼ0.3秒前後速い時計だった。春と比べると1秒くらい遅くなっている。中間にメンテナンスがあったことを考えるとだいたい納得できる数字だ。

今週も中間は雨が降らなかった。金曜日に週日細かい雨が降った。JRA・HPでは正午までの雨量が3.5ミリとなっているが、その後も数ミリ降り増しているようだ。これから降り続いて重以上になった場合は1.5秒前後速くなる可能性がある。そこから稍重に回復すれば1秒前後速い時計を想定する。先行差し互角、内外互角。




【京都芝】


■硬くなくても絶好芝の京都は前が止まらない。内有利、先行有利


《Aコース2週目》

東京と同じく京都も先週は中間雨が降らず、週末は土曜日が曇りで日曜日の開催前に3ミリ雨が降って開催中は曇り。月曜日に晴れた。東京とほとんど同じような経過に見えるが、東京と比べると京都は土日の湿度がかなり低く、日曜日は夕方には晴れていた。時計は土曜日が0.8秒前後速く、日曜日がタイム差なし、月曜日が0.3秒前後速かった。

 今週の中間も雨が降らなかった。また東京と違って週末は晴れる予報だ。晴れるなら先週の土曜日より少し速いくらいの時計になるはずで、土日とも1秒前後速い時計を想定する。内有利、先行有利。




【京都ダート】


■標準的な速めのダート。逃げ・先行有利、内有利


先週の京都は中間雨が降らず、週末は土曜日が曇りで日曜日の開催前に3ミリ雨が降って開催中は曇り。月曜日に晴れたが、湿度は東京と違ってかなり低かった。時計は土曜日が0.7秒前後速く、日曜日が0.3秒前後遅く、月曜日が0.2秒前後速かった。午前中に雨が降った日曜日の時計が遅かったのは6Rと12Rの牝馬戦が遅かったためだと思う。

今週の中間も雨が降らなかった。また東京と違って週末は晴れる予報だ。晴れるなら先週の土曜日より少し速いくらいの時計になるはずで、土日とも0.5秒前後速い時計を想定する。内有利、逃げ・先行有利。




【新潟芝】


■新潟の良馬場としてはいちばん軟らかい芝。やや外有利。先行差し互角


《Aコース1週目》

JRA・HPの記述に「8月中旬以降の低温と日照不足によって十分な生育が見られず、全体的にコースの内側に蹄跡が残った状態です」とある。これはそのまま受け止めてよさそうだ。今年の夏の新潟は6週間12日間で、開催日数としてはそれほど多くなかったが、最後の2週間は雨が降ったこともあって最後は内の芝がかなり傷んでいた。というのも今年の夏は前半こそ記録的な猛暑と言われたが、8月の後半になると曇りや雨ばかりになって前半の暑さがどこかへ行ってしまった。また新潟も夏の開催前にエアレーション作業して芝を軟らかくしていた。その影響もかなりあったはず。

だが夏開催が終わってから1カ月少々の短いインターバルの間に「開催前に芝馬場のクッション性確保のためエアレーション作業を実施しました」とあったのには少し驚いた。今回の3回新潟は2週だけなので、軟らかさを優先したということだと思うが、以前の新潟と比べると格段に軟らかくなっていることは間違いないはず。それに今週は中間の前半ずっと小雨が降っていた、水曜日以降は雨は降っていないが、気温も低いし含水もあるはずで、晴れの開幕週とはいえ、前が止まらない、というような芝ではない。タイム差なし前後の時計を想定する。

一方蹄跡は残っていても、山砂を入れるなどして補修しているので、現在はそれほど内外の差はないと思う。外に出せる外回りのレースでは馬群が外に寄って行く傾向が見られそうだが、内を突いてあっと言わせるシーンもありそうだ。やや外有利。先行差し互角。




【新潟ダート】


■乾いて多少力の要るダート。やや先行有利、内外互角


ダートはほんの1か月前まで開催していた2回新潟と同じく考えていいと思う。今週は週の前半に毎日少量ずつ降り続いていたが、水曜日以降は晴れている。金曜日正午の天気は稍重だが、日差しがあれば乾きも早いので、土曜日はアサイチから良になるはず。0.3秒前後遅い時計を想定する。やや先行有利、内外互角。



プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。


城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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