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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2015年10月23日(金)更新

今週の馬場傾向【菊花賞を馬場から占う!】


【東京芝】


■軟らかく前が止まりやすい芝。やや外有利、やや差し有利


《Aコース3週目》

先週は月~木までよく晴れたが、金曜日にしとしと細かい雨が6ミリ降り、土曜日も朝のうちに10ミリ降り、雨が止んでからも1日中曇っていた。それで馬場発表が最初から最後まで稍重になった。土曜日は0.3秒遅かった。日曜日は晴れて朝から良になった。日曜日はタイム差なしだった。

JRA・HPに「3~4コーナーの内柵沿いに傷みが出始めましたが、その他の場所は傷みが少なく、概ね良好な状態です」と書いてある。内外回りがない東京の場合、向う正面半ば過ぎから3~4コーナーの内は真っ先に傷み始める場所だが、土曜日に雨が少々降っただけで今の時期に傷み始めるというのは若干タイミングが早すぎる。傷んでいるのが向正面の内だけにしては先週は外の馬番で決着することが多かったし、差しも決まりすぎだ。アイルランドTの1、2、3着は全部直線で大きく外に持ち出していた。ただし見た目にはそんなに内外差がある芝のようには見えない。おそらく芝のセッティングが軟らかいため、雨が大きく影響したのだろう。

今週は中間も雨が降ってないし、土日とも晴れる予報だ。先週と比べると馬場は乾くことを考えて土日とも0.3秒前後速い時計を想定する。ただ先週の競馬を見る限り、馬場が乾いたからといって今週急に内伸びの馬場になるとは考えづらい。やや外有利、やや差し有利。




【東京ダート】


■乾き気味だが標準的なダート。先行差し互角、内外互角


先週は中間は雨が降らなかったが、金曜日に週日細かい雨が6ミリ降り、土曜の開催前に10ミリ降った。それで土曜日は朝から不良で、最終レースに重になった。日曜は晴れたにもかかわらず1日中重だった。土曜日は内ばかり来て、日曜日は外ばかりきていたが、たまたまだろうか?

今週は今週は中間も雨が降ってないし、土日とも晴れる予報だ。今週は馬場が乾くわけだから土日とも0.5秒前後速い時計を想定する。先行差し互角、内外互角。




【京都芝】


■硬くなくても絶好芝の京都は前が止まらない。内有利、先行有利


《Aコース3週目》

京都のJRA・HPの記述は「内回り3コーナー付近に傷みが出てきましたが、その他の部分は概ね良好な状態です」である。書き方は東京と同じようだが、京都の芝のほうが状態はよさそうだ。というのは京都は開催前にエアレーション作業している。それは、それが可能なくらい京都は芝の状態がよかった、ということを示している。モニターで見ても京都の芝のよさはわかる。

今年の天候は7月後半~8月前半がやたら暑く、8月後半には涼しくなり、ほとんど日照がない日が続いた。東京より1カ月早く春開催が終わり、6月から芝整備を開始することができる京都のアドバンテージが状態に出ているのかもしれない。

先週の京都は中間雨が降らず、週末もそこそこ晴れた。東京と比べると京都は土日の湿度がかなり低かったはず。時計は土曜日が0.6秒前後速く、日曜日が1秒前後速い時計になった。特筆すべきは土日を通じて12レースした中で、3着内に2桁の馬番の馬がたった2頭しかいなかったことだ。そのうちの1頭が秋華賞を勝ったミッキークイーンだった。

今週も中間雨が降らず、土日も晴れが見込める。中間は毎日水撒きしていたが、それは先週も同じこと。であれば今週も先週並と考えて0.5~1秒速い芝と想定する。内有利、先行有利。

菊花賞の1番人気リアファルはたしかに血統的に飛びつきたくなるが、問題は17番という馬番。秋華賞では18番枠のミッキークイーンが見事に勝ち切ったが、今週は果たしてどうか。ぼく自身は内にもう1頭いるゼンノロブロイ産駒のタンタアレグリアとリアルスティールの組合せに気が惹かれる。




【京都ダート】


■標準的な速めのダート。逃・先行有利、内有利


先週の京都は中間雨が降らず、週末も土日とも晴れた。時計は土日とも0.3秒前後速かった。

今週の中間も雨が降らず、土日も晴れそうだ。であれば先週とほぼ同じ時計が見込める。土日とも0.3秒前後速い時計を想定する。先週の日曜日は京都にしては珍しく極端に速いペースが続き、差し・追込みの競馬になった。だが標準的なペースに戻りさえすれば逃・先行有利、内有利。




【新潟芝】


■新潟の良馬場としてはいちばん軟らかい芝。やや外有利。先行差し互角


《Aコース2週目。秋の新潟は今週まで》

JRA・HPの記述に「内回り正面及び向正面、内・外回り3~4コーナーの内側が傷んできました。その他の箇所もコースの内側に蹄跡がみられます」とある。先週も「日照不足で芝の生育が悪い」と書いていたが、それがエスカレートした感じ。現実に先週はかなり外差し傾向が顕著だった。開催前にエアレーションして芝が相当軟らかくなっている影響もあるだろう。

だがモニターで見ると芝がぼろぼろしている感じはほとんどない。芝は軟らかいけれども、しっかりしている感じ。馬群もそれほど外に寄せていない。たしかに外の方が多少伸びているような気がするが、内いっぱいを走って残った馬もいた。実は内を走っても何とかなる。ただし軟らかい分スタミナを要求し、前で飛ばすと垂れてしまう…というような状況と想像する。先週はハイペースが多くなって差し追込みの競馬になっただけで、先行差しは互角と見たほうがいいと思う。

先週は火曜日に9ミリ降って以降はずっと晴れ。時計は土曜日がタイム差なしで日曜日は0.2秒前後速かった。今週は火曜日に1.5ミリ降って以降降っていないし、散水もしていない。このままなら時計はもう少し速くなるはず。0.3秒前後速くなると見込む。先週騎手たちは行き過ぎて痛い目を見ているので、今週はちょっと控えめに行くはず。先行差し互角。やや外有利。




【新潟ダート】


■乾いて多少力の要るダート。やや先行有利、内有利


先週は水曜日以降は晴れたが、金曜日正午の馬場発表が稍重だった。土曜日以降は良になった。土日とも0.3秒前後速い時計だった。

今週は週の前半にほんのちょっと降ったが、水曜日以降は晴れている。金曜日正午の馬場発表は良だったし、先週よりも乾いているハズ。土日とも良馬場で競馬できると考えて、タイム差なし~0.3秒前後遅い時計を想定する。やや先行有利、内有利。



プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。


城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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