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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2013年08月01日(木)更新

先週の馬場傾向【函館の傾向が一変!】


【新潟芝】標準的な開幕週。馬場による有利不利はナシ




新潟は1年間オーバーシードなしで行う【完全野芝100%】の競馬場。とくに今開催は開催時期が野芝の最盛期の真夏なので、野芝自体がやたら丈夫。



他にも真夏に開催する競馬場はあるが、他の競馬場はいずれもオーバーシードしているのに対し、新潟はイタリアンライグラスを抜いて馬場を造り直す手間が不要な分、野芝自体が丈夫なのが特徴的。



2回新潟12日間すべて【Aコース】で行われるが、丈夫な野芝の馬場なので、極端な雨での競馬にでもならない限り、馬場はそこまで悪化することはなさそうだ。

ただ、開催が進むにつれて、内外の荒れ方には差が出てくる。いずれにしても馬場状態の推移には注意しながら、傾向を確認していきたい。



開幕週の時計の出方はそこまで高速化せず、レコードがバンバン出るような馬場にはなっていない。時計にして『マイル以下で0.5秒、中距離で1.0秒ほど速い馬場差』で、開幕週では標準的。

特に馬場の観点から有利不利は見られないので、2週目も各馬の能力通りの評価で狙っていける。




【新潟ダ】ほぼ標準の馬場。逃げ・先行馬優勢




この時期はどうしても雨が降りやすく、週中の雨量、そしてレース中の雨量によって大きく時計面が左右されがち。コース毎の脚質の有利不利に加え、馬場状況の変化をシッカリと把握して狙い馬を定めていく必要がある。



開幕週は週中およびレース中に降雨があり、終始「稍重」での競馬が続いたが、そこまで馬場が高速化することもなく、土日ともにほぼ『標準』の馬場で推移した。



基本的に逃げ・先行が有利なコース(特に1800m)であり、馬場や展開が極端でなければ傾向通りに収まりやすい状況にある。「まずは逃げ先行馬をチェック」このスタンスを変えずに臨むので問題ない。




【小倉芝】スピード優先!内ラチ沿いの先行馬を狙え




夏の小倉も【野芝100%】で行われ、見た目にも絶好のコンディション。一年で最も速い時計が出ることで知られる。



早速、開幕当日の芝1200mの2歳新馬戦で1分7秒台のレコードタイムが記録され、翌日の準OPでは1分6秒台の快時計がマークされた。



他場と比べても2秒近い馬場差があり、とにかくスピード勝負になりやすい。また、芝の根付きがいいこともあって、少々の雨量であれば時計面に影響が出ない。



開催後半になれば馬場が傷み始め、外差し馬場にシフトしていくが、開催前半はとにかくスピード優先で、内ラチ沿いを先行出来る馬を中心に狙っていきたい。




【小倉ダ】小回りを意識した展開予想に重点を




■ダ1000m


下り一辺倒のコース形態で、テンから速いスピード争いになりやすい。ハイペースが想定されても基本的に前狙いは変わらない。



■ダ1700m


きつい坂を上ってだらだらと下るコース形態。逃げ切りは難しく、かと言って後方一気も難しい。先行勢の抜け出しが目立っており、強い先行馬を狙うのが鉄則



予想の入り方としては、やはり小回りコースだけに展開予測(逃げ・先行馬がどれだけいるか)から入るべき。馬場状態や時計面を気にするのはその次のステップでイイ。




【函館芝】イン優勢の重い馬場。イン突き騎手に注目!




これまで速い馬場を保っていた函館の芝だが、先週は週中の雨によって一気に馬場が重くなった。馬場差にして土曜で1.0秒、日曜は更に2.0秒近く時計が掛かるようになっている。



ここまで馬場が重くなると、少しでも距離ロスがあると途端に終いの伸びに影響を及ぼす。先週の芝のレースでは、上位を占めたほとんどが内ラチ沿いを通った馬で、コーナーリングを外から押し上げた組はほぼ全滅に近い。それだけポジションとコース取りが重要な要素となった。



コース取りや仕掛けを決めるのは馬ではなく騎手であり、予想段階で「どの騎手が今の馬場を理解しているか」を考えることは何よりも大事。岩田丸田吉田隼あたりは馬場を理解してイン突きの意識を高く持っていたので、今週以降も狙えるジョッキーと言える。




【函館ダ】一気の高速化!馬場差に注意した能力把握を




こちらも雨の影響により馬場は湿ったままで、馬場が一気に高速化。ダ2400mでレコードタイムが記録されたように、各条件で軒並み速い決着となった。



しかし、これらはあくまでも馬場によるもので、先週の時計は額面通りに鵜呑みにするのは危険。



例えば、先週のダ1700mで1.46.0で駆けたとしても、2週前のダートで1.47.0で駆けた馬のほうが馬場差換算をすれば上と見ることも可能。これで次走、同じレースに走ったとして、前者のほうが人気ならば迷わず後者を狙い撃てる。



このように、シッカリと馬場差と走破時計の価値を見極めて次の馬券に作戦に生かしたい。



プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰める業界屈指の取材力を持ち、 JRA馬場造園課など独自のコネクションも数多く築いている。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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