【東京芝】
■先週より乾いて33秒台の上がりが要求される
中央4場は競馬がローカルに行っている間に芝の更新作業(傷んだ部分の芝を張り替え、芝を育てる作業)をする。したがって秋しょっぱなの芝がもっとも状態がいい。今開催(4回東京開催)がそれに当たる。
Aコース2週目。9月中旬にイタリアンライグラスの種をまいているため、4回東京はオーバーシード開催になる(中山、阪神と違って東京、京都には野芝だけの開催がない)。9月が暑かったため野芝の状態はよく、まだ緑を保って元気な状態。イタリアンライグラスもそれなりに伸びてはいるが、芽を出してから1カ月少々で、まだ草が幼い。今週も8割方野芝の芝コースというとらえ方でいい。
4回中山ではシャタリングの実施を8月に引きつけて実施し、芝が軟らかくなったことを強く印象付けたのに対して、4回東京では、昨年と同じスケジュールでシャタリングマシンとバーチドレンを使った。したがって芝が年間でもっとも軟らかく、もっともよい状態であることは4回中山と同様だが、昨年から今年にかけて中山ほどのドラスティックな馬場の変化はなく、芝の状態としては昨年の4回東京と同様であることが期待できる。したがって過去のデータが比較的信用できるはずだ。
先週の土曜日は午前中にまとまった量が降った上に午後からは弱い雨が一日中降り続き、稍重の競馬になった。そのため土曜日は0.5秒程度遅く、日曜日は午後から良に回復して標準時計だった。開幕週の馬場は頑丈なので、この程度の雨で今週の馬場がどうこうなることはない。
先週の毎日王冠は32秒後半の上がりでワンツーフィニッシュした。エイシンフラッシュもジャスタウェイも切れ味では現役屈指の馬だが、やや遅めの平均ペースで好発から先行した両馬がこの上がりを出したことがポイント。切れ味が生きる馬場というよりも、芝が内外ともびっしり生えて全体的に速い。上がりも速くなるだけにある程度先行していないと残れないし、大きく外を回っていたら間に合わない感じだった。
今週は週日ほとんど雨は降ってないし、週末は久々に秋晴れが期待できる。先週よりも時計は間違いなく速くなる。1~1.5秒速い馬場と予想する。上がりも当然速くなるはず。先行有利、内枠有利。なおかつ33秒台で上がれるかどうかがカギになるのではないか。
【東京ダート】
■先週よりも時計がかかる、先行馬有利
春競馬終了後に路盤点検とクッション砂の洗浄を行っている。これによって水はけがよくなっている。
先週は土曜日が不良になり約2秒速く、日曜日は帰りの重になって、2.5~3秒速かった。
今週は乾いたダートになるので標準時計前後に時計が戻るはず。時計がかかる分さらに逃げ・先行有利になる。
【京都芝】
■多少速くなっただけで前崩れもありうる
中央4場は競馬がローカルに行っている間に芝の更新作業(傷んだ部分の芝を張り替え、芝を育てる作業)をする。したがって秋しょっぱなの芝がもっとも状態がいい。今開催(4回京都開催)がそれに当たる。
Aコース2週目。9月中旬にイタリアンライグラスの種をまいているため、4回京都はオーバーシード開催になる(中山、阪神と違って東京、京都には野芝だけの開催がない)。9月が暑かったため野芝の状態はよく、まだ緑を保っている状態。イタリアンライグラスもそれなりに伸びてはいるが、芽を出してから1カ月少々で、まだ草が幼い。今週も8割方野芝の芝コースという感じでいい。
京都は東京と同様、昨年と同じスケジュールでシャタリングマシンとバーチドレンを使った。したがって芝が年間でもっとも軟らかく、もっともよい状態であることはたしかだが、芝の状態としては昨年同様であることが期待できる。こちらも過去のデータが比較的信用できるはず。
昨年の4回京都開幕週は0.5秒程度速かったが、今年の開幕週(先週)はそれよりも明らかに速く、標準より1.5~1.8秒程度速かった。昨年は開幕前にかなり雨が降っていたのに対して、今年は3週間ほど雨が降らず、乾いた状態で開幕を迎えたのが影響したようだ。
だが今週は水曜日に雨が30㎜降った。それ以降は降ってないし、週末も晴れる公算が強いが、3週間まったく雨が降らなかった馬場と、2~3日前にある程度まとまった雨が降った芝は違う。先週よりは時計は遅くなり、標準より0.5~1秒ほど速い馬場に落ち着くと思う。
開幕2週目で、まだほとんど芝は無傷に近いはず。ただし先週の京都大賞典で、出遅れたゴールドシップが先行しようとしたのは、「開幕週の前残り馬場」で、しかもあのスローペースなら当然の判断だと思うが、それで残れなかったのは単純に速いだけの芝ではなかったからではないか。ペースの割にはどの馬も追走に苦労しているように見えた。
今週は含水してさらに重くなっているし、基本は先行有利でも、オーバーペースでも先行馬が残る(止まらない)ほど速くはなく、前崩れにも一定の警戒を払う必要がありそうだ。内枠有利。
【京都ダート】
■週日に雨がなく、土曜日はやや遅め
春競馬終了後に路盤点検とクッション砂の洗浄を行っている。これによって水はけがよくなっている。
先週は乾いた馬場で0.5秒程度速い馬場だった。今週は週日に30㎜雨が降って稍重に近い良で、0.5~1秒程度速いと予想される。逃げ・先行有利。

城崎哲
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰める業界屈指の取材力を持ち、 JRA馬場造園課など独自のコネクションも数多く築いている。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。