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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2013年10月18日(金)更新

今週の馬場傾向【東京・京都3週目】


【東京芝】


■週日の雨で路盤が緩んでいる。馬力が求められる


 今開催(4回東京開催)は秋しょっぱなの開催にあたる。中央4場は競馬がローカルに行っている間に芝の更新作業(傷んだ部分の芝を張り替え、芝を育てる作業)をする。したがって今開催の芝が年間でもっとも軟らかく、もっともよい状態である。

  Aコース3週目。気温が下がってきて野芝からはそろそろ緑色が抜けてくる(紅葉してくる)。逆にオーバーシードのイタリアンライグラスがそろそろしっかりしてくる。

 東京は夏の更新作業では昨年と同じスケジュールでシャタリングマシンとバーチドレンを使ったため、芝の状態としては昨年の4回東京と同様であることが期待できるはず、だったが、今年はなんといっても台風がらみでやたら雨が多い。1週目の土曜日に雨に当たって1日中稍重で競馬しただけでなく、今週の週日は火曜日に77㎜、水曜日に105㎜と尋常でない量の雨が降った。

 東京の芝の路盤は水はけがよいから、当日晴れれば良になるにしても、もともとがかなり軟らかめなセッティングなので、このところ予想外に多い雨の影響がないとはいえない。雨が降り続くと地盤が緩んで土砂災害が起こりやすくなるのと同じように、現在の東京の路盤も緩んで相当軟らかくなっている。さらに天気予報を見ると週末の天気も微妙で、雨中で競馬しなければならなくなる可能性もある。

 先週は久々に晴れてタイムも速くなると思ったが、標準時計のままだった。これはスローのレースが多かったせいもあるが、やはり路盤がかなり軟らかくなっているのだろう。

 今週は週日に雨が降ってさらに軟らかくなっているので、先週より遅くなることはほぼ間違いない。雨の競馬にならなかったとしても全体時計で0.5~1秒強遅くなると予想する。ただし傷んでいるのは主に3コーナーの前後なので、良でありさえすれば上がりはそれほど遅くならないはず。通常のペースならば外差しの馬場になると予想する。いずれにせよ馬力型の馬が好戦する可能性が高い。

 雨の量にもよるが、もし雨の中で重以上で競馬することになると1.5秒~2秒以上遅くなるだろう。もともと路盤が緩んでいるのでその場合芝が相当傷む可能性がある。そうなったら内がきつくなるのでさらに外枠有利になる。また前に行く馬が有利になる。



【東京ダート】


■雨が降らなくても0.5~1秒程度速いはず。差し馬に注意


 春競馬終了後に路盤点検とクッション砂の洗浄を行っている。これによって水はけがよくなっている。

 先々週は不良と重の競馬でタイムも2秒近く速かったが、先週はダートが乾いて0.5秒程度遅い馬場になった。

 今週は水曜に降った大量の雨がまだ完全に乾いていないはずで、雨が降らなくても0.5~1秒程度速いはず。重・不良になれば2秒以上速くなるだろう。差し馬に注意。




【京都芝】


■芝の状態は良好も、持続型に注意


 今開催(4回京都開催)は秋しょっぱなの開催にあたる。中央4場は競馬がローカルに行っている間に芝の更新作業(傷んだ部分の芝を張り替え、芝を育てる作業)をする。したがって今開催の芝は年間でもっとも軟らかく、もっともよい状態である。

  Aコース3週目。気温が下がってきて野芝からはそろそろ緑色が抜けてくる(紅葉してくる)。逆にオーバーシードのイタリアンライグラスがそろそろしっかりしてくる。

 京都の夏の更新作業は昨年と同じスケジュールでシャタリングマシンとバーチドレンを使ったため、芝の状態としては昨年の4回京都と同様であることが期待できる。

 今年の秋は他の3場が多かれ少なかれ雨に当たっているのに対して、京都だけはまだ雨に当たってない。1週目はカラカラに近い馬場で1.5秒程度速かったが、先週は週日に30㎜雨が降って標準時計の馬場に戻った。今週も火曜日に29㎜、水曜日に19㎜降っているので、このまま雨が降らず良馬場で競馬が行われる場合、先週なみか、もう少し遅くなることが予想される。

 芝の状態もあまり疑う必要はないはずだ。「向正面直線部に傷みが出始めましたが、その他の箇所は引き続き良好な状態です」とJRA・HPの「馬場情報」欄にあるが、ほぼそのまま受け止められる。ただし芝がかなり軟らかめなので、東京ほどではないが、持続型の馬に注意を払うべきだろう。

 天気予報からは明日の開催前~午前中に雨が降る可能性がある。だが競馬最中の雨でなければ、あるいは少量の雨ならばそれほど芝は傷まないし、切れ味も生きるだろう。ただしオーバーペースでも先行馬が残る(止まらない)ほど速くはなく、前崩れにも一定の警戒を払う必要がある。雨が多い場合はハッキリ先行有利になるが、そこまで大量には降らないものと考える。



【京都ダート】


■週日に雨が降って、先週とほぼ同じ傾向


 春競馬終了後に路盤点検とクッション砂の洗浄を行っている。これによって水はけがよくなっている。

 先週は0.5~1秒程度速い馬場だった。今週は火曜日に29㎜、水曜日に19㎜雨が降っているため稍重に近い良と思われ、先週とほぼ同じく0.5~1秒程度速いと予想される。逃げ・先行有利。


【新潟芝】


■引き続き力の要る馬場で先行・差し互角


 今年の夏新潟は4回中山と並んで大きくイメージを変えた。昨年からシャタリングマシンを導入しているが、今年はその作業を遅らせて実施した効果が大きかった。加えて今年の夏はそれなりに雨も降っていたので、なおさら芝が軟らかくなり、昨年夏に比べると時計的にも約1秒遅くなったし、血統面でもやや力のあるタイプの台頭が目立った。

 夏競馬から約1カ月間のインターバルがあった。その間に、バーチドレンによるエアレーション作業を行った。昨年も同時期にバーチドレンを入れているが、今年はもともとの芝が昨年以上に軟らかかった上に、夏の開催日数も4日間も少なかった。そこへのダメ押しになるわけだから、芝がかなり軟らかくなっていることはたしかだろう。

 Aコース2週目。夏の新潟と同様、この3回新潟でも最後までAコースが使われる。新潟は野芝100%で通年競馬するので、そろそろ芝が紅葉して白く見えてくるはずだ。

 先々週(先週の新潟はお休みだった)の時計は0.6秒程度遅かった。夏競馬の最終週は雨の競馬だったので参考外として、ラスマイ週と比較しても多少遅かった。それが夏競馬後にバーチドレンを入れた効果かもしれない。

 今週は火曜日に10㎜、水曜日に65㎜雨が降っているので、馬場はさらに軟らかくなった状態で、これ以上雨が降らなくても1秒以上遅くなるだろう。天気予報を見ると日曜日に雨が降る可能性があるが、たとえ降ってもそれほど大量に降ることはなさそう。新潟のコース形状通りに差し有利。新潟にしては力の要るタイプに注意が必要だ。




【新潟ダート】


■週日の雨の影響が残ってやや速い


 中央4場と違って新潟のクッション砂洗浄は1年おきで、来年の春に実施される見通し。そのため水はけが多少悪くなっている。

 先々週は標準馬場だった。あれから気温も下がったこともあり、今週は週日に降った雨の影響が残るはず。戻りの稍重に相当し1秒程度速くなると予想する。脚質的には先行馬が多少有利。



プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰める業界屈指の取材力を持ち、 JRA馬場造園課など独自のコネクションも数多く築いている。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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