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競馬コラム

城崎哲:馬場トレンドジャッジ

2016年07月02日(土)更新

今週の馬場傾向【中京のメンテナンス方法に変化?】


【福島芝】


■開幕週らしいしっかりした芝。内有利、先行有利


《Aコース1週目》

かつては芝が傷みやすい芝コースの代表格だったが、今は芝があまり傷まなくなった。中京同様に開催数が減ったことが一番大きいが、冬の開催が多い中京に対して、福島には冬の開催がない。その分中京よりも先に芝が傷まなくなった。

中京同様に1回福島終了後にイタリアンライグラスを除草して野芝の育成に努めた。したがっていかにも開幕週らしいしっかりした芝になっているはず。

今週の中間は火曜日に16.5ミリ、水曜日に6ミリ降った。土曜日は曇り予報だが、日曜日の朝に多少雨が降りそうだ。だが影響するほどの雨量は降らないものと想定する。0.7秒前後速い時計を想定する。内有利、先行有利。




【福島ダート】


■路盤砂全面洗浄で時計がかかり気味に。内外互角、やや先行有利


1回福島が終わってからダートコースのクッション砂を全面的に洗浄した。それによってダートは多少時計がかかるようになっているハズ。それでなくとも福島のダートは昨年から少し時計がかかり気味だった。

今週の中間は火曜日に16.5ミリ、水曜日に6ミリ降った。金曜日正午の馬場発表は“稍重”だった。土曜日は曇り予報だが、アサイチから良になりそうだ。日曜日は朝に多少雨が降るという予報があるものの量的に大勢に影響ないものと考える。土日とも0.5秒前後遅い時計を想定する。内外互角、やや先行有利。




【中京芝】


■野芝が十分に育った芝コースで新装開店!先行有利、内有利


《Aコース1週目》

2回中京では高松宮記念の週の芝が『超高速芝』であるとして話題になったが、それはこれまでの中京芝が野芝ベースのコースにしてはあまりに遅すぎた、という面もある。

中京は昨年から2回開催と3回開催の間にイタリアンライグラスを除草し、いったん野芝だけにするメンテナンス方法に変えた。雑草を草むしりすることで野菜を育ちやすくするのと同じように、このひと手間をかけるだけで野芝がよく育つようになる。それによって実際に中京の芝は昨年あたりから少しずつ速くなっていたのだ。

3回中京の芝は、いったんイタリアンライグラスを取り除いたのち、あらためてイタリアンライグラスの種をまいているので、緑の比率としては野芝とイタリアンライグラスが半々くらいの状態だが、イタリアンライグラスはまだ幼草なので、むしろ野芝の性格が強く出た馬場になっている。

今週は月曜日に4.5ミリ、火曜日に33.5ミリ、水曜日に3ミリ降っているので、ことさら散水はしていない。今週の予報は土日とも曇りだが、雨が降る心配は少なそう。であればある程度速い芝になると考えるのが自然だろう。1.5秒前後速い芝を想定する。芝の性格が変わることで内外、前後ろの関係もこれまでのデータとは真逆に振れる可能性が高い。先行有利、内有利。




【中京ダート】


■やや乾き気味の標準的な速さの良のダート。やや外有利、やや先行有利


2回中京と3回中京の間には路盤の点検だけしかしてないので、ダートの性質が大きく変化することはないはず。今週の中間は月曜日に4.5ミリ、火曜日に33.5ミリ、水曜日に3ミリ降った。カラカラではないが、やや乾き気味の標準的な速さの良のダートを想定する。0.2秒前後遅い時計を想定する。やや外有利、やや先行有利。




【函館芝】


■雨が降り始めるとどんどん内が緩んでいく。やや外有利、先行有利


《Aコース3週目》

2014年以降の函館の芝はそれほど傷んだことがなかった。それは開催日数が減ったことと天候に恵まれたことの相乗効果によるものだ。だが今年は1週目と2週目が続けて雨中の開催になった。しかも今週も雨の予報が出ている。晴れの競馬が続く限り洋芝だってかなり丈夫だが、雨が3週続けばそれなりのダメージがあると考えなければならない。

先週は月曜に25ミリ、火曜日に1ミリ降り、それ以降は止んでいたが、土曜は早朝から強い雨が降り、午後に止むまでに24ミリ降った。土曜の馬場は一日中稍重で、日曜日も曇り空の下一日中稍重のままだった。時計は土日とも0.3秒前後遅かった。

今週は週日に雨は降ってない。だが午後からまとまった雨が降るという予報が出ている。日曜日には雨は上がるが、曇りで気温も本州に比べればだいぶ低いので、砂もそう簡単に乾かないはず。土曜日は稍重→重、日曜日は重→稍重という馬場を想定する。土日とも1秒前後遅い時計を想定する。

今期函館のもともとの芝はかなりしっかりしていたようだが、1週目2週目の雨の競馬でかなり傷んでいる。雨が降るまでは持ちこたえたとしても雨が降り始めるとどんどん内が緩んでくるはず。やや外有利、先行有利。




【函館ダート】


■乾いて力の要るダート→含水高く速いダート。やや外有利、先行有利


先週の中間は月曜に25ミリ、火曜日に1ミリ降り、それ以降は止んでいたが、土曜は早朝から強い雨が降り、午後になって止むまでに24ミリ降った。土曜いっぱい不良で2秒前後速かった。日曜は不良→重と推移したが、時計は速いままで1.7秒前後速かった。

今週は週日に雨は降ってない。土曜は午後からまとまった雨が降るという予報が出ているが、ダート戦は早い時間に集中しているため、雨の影響を受けるのは最後の9Rだけかもしれない。週日に雨が降ってないので砂は乾いているハズなので、それ以前のレースはある程度遅くて力の要る馬場になるかもしれない。土曜は0.5秒遅い時計を想定する。

雨が降ってきた場合9Rのみ若干速くなるだろう。日曜の砂は全体が濡れて速くなると考えて、1秒前後速い時計を想定する。函館のダートは出走頭数が少なめなのでそれほど内外の偏りは目立たないが、実はかなり外め有利。先行有利。



プロフィール
城崎哲

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。


城崎哲

JOSAKI TETSU

1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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