【中山芝】
■重く力の要る芝から締まった芝へ。土曜日はやや差し有利、日曜はやや先行有利、いずれにしても内有利
《Cコース2週目》
先週の中間は月曜に41ミリ、火曜に100ミリ、木曜に60.5ミリ、金曜に11.5ミリ降り、土曜日のメインレース前後にも2ミリ降った。最初からある程度含水した芝で、しかも乾きかけた頃にまた雨が降ったため、結局土曜日は終日稍重になった。土曜日の時計は0.2秒前後遅かった。日曜日は2Rのみ稍重で、5R以降は良で行われた。日曜日の時計は0.4秒前後速かった。
今週の中間は雨は降らなかったが、土曜は朝から昼過ぎまで雨が降ることになりそう。ただし強い雨にはならず、雨量も多くないものと想定し、稍重と重の間で想定する。先週の競馬による芝へのダメージは小さかったし、2週雨が続いたとしても今週の競馬に影響するような傷みはまだ意識しなくていい。ただし芝の含水は先週よりも多く、いっそう軟らかくなると見込み、0.5秒前後遅い時計を想定する。
日曜の前線の動きが気になっていたが、活動自体が弱いようで、日曜は曇りまたは晴れと考えてよさそう。良馬場を想定し、0.3秒前後速い時計になると想定する。
先週の土曜日は上位の馬番だけ見ると外有利だったように見えるが、軟らかい芝に含水が加わってやや先行馬が失速する傾向があったものの、全体を見るとむしろ内有利だったと思う。今週も基本的には内有利で、土曜日はやや差し有利、日曜はやや先行有利。
かつて4回中山の芝は前が止まらない高速芝といわれたが、今やシャタリングやバーチドレン等の器械の使用で芝自体がかなり軟らかくなっている。もはや前が止まらないというイメージではないが、雨の多い開催を経て路盤もかなり締まってきているはずなので、逃げ・先行馬が侮れるような状況でもない。
能力重視であればビッグアーサー◎はやむを得ないと思う。父サクラバクシンオーにも以前の速い中山芝1200よりも少し軟らかくなった今の中山芝1200のほうが向くと思う。相手はどれが来ても不思議ではないと思うが、個人的にはレッドファルクス、サクラゴスペル、スノードラゴン、ネロ、ベルカントあたりが気になる。
【中山ダート】
■含水量多めで締まったダート。やや先行有利、やや外有利
先週の中間は月曜に41ミリ、火曜に100ミリ、木曜に60.5ミリ降り、金曜も11.5ミリ降り、土曜日のメインレース前後にも2ミリ降った。その後は降らなかったが、土日を通じて重発表になった。土曜は重といっても不良に近い含水量があったはずで、2.5秒前後速かった。日曜は1.4秒前後速かったが、最近の関東には珍しくスロー目のレースが多かったので、実際には2秒前後速かったと考えてよさそう。
先週は中間の雨が多かったので、砂が内めに寄っている可能性があると指摘した。たしかに結果的に外の馬の活躍が目立ったが、内を通って好走した馬も多く、先週の中山ダートの砂が内に寄っていたということはなさそうだった。
今週の中間に雨は降ってない。土曜の早朝から雨が降り出すとすれば、1Rが始まるまでに砂は十分水を含んだ状態になりそう。土曜は稍重から重での競馬になることを想定し、1.3~1.8秒速い時計を想定する。日曜には雨は上がるものの、曇ってダートの乾きは遅く、良まで回復したとしてもかなり含水ある状態だろう。1秒前後速い時計を想定する。やや外有利、やや先行有利。
【阪神芝】
■土曜は重く力が要る芝でやや差し有利、内外互角。日曜は多少速くなり、やや差し有利、やや内有利
《Bコース2週目》
先週は月曜に40ミリ、火曜に47.5ミリ、水曜に22ミリ、木曜に12.5ミリ、金曜の早朝にも1.5ミリ降った。土曜は午前中晴れたものの午後は曇り、結局一日中稍重だった。時計は0.3秒前後速かったが、6レース中5レースが牝馬戦で、スローペースも多かったので、ゲタをはかせて0.5秒前後速かったものと考える。日曜日は朝から曇りで馬場発表は良になり、時計は0.7秒速かった。
今週の中間は月曜日に9ミリ、水曜日に31.5ミリ、木曜日に7ミリ降った。金曜日にも小雨が断続的に降っていて、金曜正午の馬場発表が"稍重"だった。その後も小雨が降り続いていたが、土曜早朝の段階で馬場発表は"稍重"のままだ。
阪神はこのまま雨が上がって曇りになる予報。先週の土曜と比べると含水も低そうなので、良まで回復することを想定し、0.4秒前後速い時計を想定する。芝は全体として重く力が要るが、まだ秋開催4週目、Bコース替わり2週目の段階で、稍重までなら内を通るメリットは残っているハズ。やや差し有利、内外互角。
日曜は前線は停滞するものの活動が弱く、一日中曇りの予報だ。スタートから良と想定する。0.6秒前後速い時計を想定する。やや差し有利、やや内有利。
【阪神ダート】
■締まって速いダート。先行差し互角、やや内有利
先週の中間は月曜に40ミリ、火曜に47.5ミリ、水曜に22ミリ、木曜に12.5ミリ、金曜の早朝にも1.5ミリ降った。土曜は一日中曇りで馬場発表も一日中稍重だった。時計は0.5秒前後速かった。日曜の天候は一日中曇り、馬場発表も一日中良で、0.6秒前後速い時計だった(日曜は夜に雨が降ったが、競馬には関係なかった)。
今週の中間は月曜日に9ミリ、水曜日に31.5ミリ、木曜日に7ミリ降った。金曜日にも小雨が断続的に降っていて、金曜正午の馬場発表が"重"だった。金曜の夜から土曜の朝にかけても小雨が降ったが、馬場発表は重のまま。重から稍重までの間を想定し、1.5秒前後速い時計を想定する。
日曜は一日中曇りの予報で、稍重から良の間を想定し、1秒前後速い時計を想定する。いずれにせよ締まって速いダートで、先行差し互角、やや内有利。
城崎哲
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。
城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。