【東京芝】
■開幕週の多少速めの馬場を想定。やや先行有利、内有利
《Dコース1週目》
昨年秋の東京は8月の日照が少なかったので最初のうち芝の定着がイマイチだったが、9月以降日照が戻り、開催を消化しながら徐々に芝の状態を戻してきた。だがCコースは2週使われ、1週目が雨の開催、2週目は除雪後の開催で、条件はあまりよくなかった。
Dコースは冬の開催でのみ使われる。Cコースを4日間しか使ってないし、ましてDコースなら芝の疲労度は少ないだろうと思いがちだが、中山に比べて府中は平均気温が2~3℃低い。その影響はけっこう大きいようで、この開催は例年芝が傷むスピードが速い。
だが今週はあくまでDコースの開幕週だし、金曜日を境に気温がぐっと上がってきた。今週のところは芝の傷みを考える必要はないだろう。
東京はずっと晴れが続き、木曜日に散水した。週末も晴れ・良で競馬できそう。金曜日は全国的に風が強かったが、土日にはそれも収まるようだ。多少速めの時計の出る馬場と考えて、タイム差なし前後の時計を想定する。やや先行有利、内有利。
【東京ダート】
■乾いた力の要るダート。やや内有利、やや先行有利
今週の東京ダートは凍結防止剤をまいてない。金曜日から気温が暖かくなり、凍結の心配が解消したからだ。調べてみると昨年の1回東京の1週目もまいてなかった。
東京には10日ほど雨が降ってないし、金曜日は風も強かったのでダートはカラカラに近い良になるはず。気温がある程度上がっているので凍結防止剤はまいていないが、凍結防止剤なしのダートとしては目いっぱい遅くなると考えて、タイム差なし~0.5秒前後遅い時計を想定する。やや内有利、やや先行有利。
【京都芝】
■Bコース替わりで速め~標準の芝。先行有利、内有利
《Bコースの1週目》
先週は土日ともみぞれ混じりで1ミリ前後の降水があり、稍重の競馬になった。若干土色が出て傷みが見えていた。時計は土曜日が1.4秒前後遅く、日曜日は2.7秒前後遅かった。だがそれにしては馬群が外に逃げることなく、内の馬が依然として伸びていた。
今週もぐずぐずした天気が続いたが、降水量自体は少なく、週末は晴れの予報だ。今週からBコース替わり、しかも前回のBコース開催のときは天候がよく、Bコースはあまり傷んでいない。金曜日を境に気温も上がって条件がよくなった。このところぐずぐず天気の開催で遅い時計になることが多かったが、今週は晴れ・良の競馬で、かなり時計を戻すはず。タイム差なし前後の時計を想定する。先行有利、内有利。
【京都ダート】
■凍結防止剤が残り多少力の要るダート。内外互角、やや先行有利
先週は金曜日0.5ミリ、土曜日1ミリ、日曜日1ミリ降り、重~稍重の競馬になった。凍結防止剤の粘りが強く出て、通常なら1秒程度速い時計を見込めるところ、土曜日が0.5秒前後遅く、日曜は0.3秒前後遅い時計になった。
月曜日にさらに0.5ミリ降ったが、それ以降は降ってない。気温が上がっているので凍結防止剤の追加はないが、中間にそれほど雨が降ってないので、先々週まいた凍結防止剤がまだ砂中に残っているハズ。今週は晴れで良を想定した上、残っている凍結防止剤の効果を多少考えて、0.6秒前後遅い時計を想定する。やや先行有利、内外互角。通常よりスタミナ・パワー重視で。
【中京芝】
■芝の傷みは限定的で速めの芝。内外互角、先行差し互角
《Bコースの3週目》
先週はほぼ1週間雨が降らない状態で週末を迎え、土曜日が0.5ミリ、日曜日にも0.5ミリ雨が降った。馬場発表はずっと良のままで、時計は土曜日が0.5秒前後速く、日曜日が0.7秒前後速かった。実際には土曜日の平均時計はそれより遅いが、なずな賞他のレースのレベルが低かったとみて修正した。
今週も晴れ・良で競馬できそう。先週の競馬を見る限り芝の傷みは限定的で、少なくとも先週並の時計は出そう。0.5秒前後速い時計を想定する。内外互角、先行差し互角。
【中京ダート】
■凍結防止剤が残り多少力の要るダート。やや先行有利、内外互角
中京は冷え込みが激しく、1月13日と1月18日の2度にわたって凍結防止剤をまいた。先週は1週間雨が降らないで週末を迎え、土日とも0.5ミリずつ雨が降った。京都ダートのところでも述べたように、凍結防止剤入りのダートがもっとも時計がかかるようになるのはそういう状況で、土曜日が0.3秒前後遅く、日曜日は0.9秒前後遅かった。
月曜日以降雨が降っていない。凍結防止剤はまだ砂の中に残っているハズ。今週は晴れ・良の競馬だが、凍結防止剤が残っている影響はまだあるだろう。土日とも1秒前後遅い時計を想定する。やや先行有利、内外互角、通常よりスタミナ・パワー重視で。

城崎哲
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

城崎哲
JOSAKI TETSU
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰め、独自の視点から競馬を追及するのが持ち味で、コース予想の分野を切り開いた。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。