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競馬特集

【JC直前企画】清水成駿伝説のジャパンC

2021年11月25日(木)更新

【91年】待望の馬連導入元年!清水の結論は……“外交と同じ”


16年8月にこの世を去った清水成駿。ファンの皆様から追悼メッセージをいただいた中で、「清水といえばジャパンC、ジャパンCといえば清水」というお声を本当に多数頂戴いたしました。

そこで、今年のジャパンC開催を目前に控えたこの季節に、清水成駿が「1馬」在籍時に綴ったジャパンCの予想を、当時の新聞のまま復刻公開!今もなお色褪せない“孤独の◎”の数々をどうぞご賞味ください。(協力:優馬)


第8回ジャパンC

(クリックして画像を拡大)
日本勢はメジロマックイーン1強ムードだったが……
(清水の予想は予想印の最上段)


【1991年:第11回ジャパンC】
外交と同じくやや米国寄りの全方位型
そんな風見鶏的側面こそ、JCの素顔であり正体

第4回でカツラギエース、第5回でシンボリルドルフの日本勢が連覇したものの、その後の第6回~第10回は外国馬が制していたジャパンC。

「今年こそ日本馬が!」とのファンの期待を一身に集めたのが、オグリキャップ引退後の芦毛伝説を受け継ぎ、前走が痛恨の1着入線→降着で春秋盾連覇を逃したメジロマックイーン

天才武豊とのコンビも相まって、人気・実力ともに当時、日本でこの馬の右に出る馬はいなかったが、この馬以外の日本勢はいずれも小粒。

GI勝ち馬はおらず、マックイーンに続いたのは前走・天皇賞秋2着のカリブソング(9番人気)だった。

質・量豊富な外国勢中でも目玉は、ヴェルメイユ賞勝ち&凱旋門賞2着のマジックナイト。凱旋門賞直前、日本人馬主に購買された経緯はあったにせよ、格と勢いを備えた名牝でマックイーンに次ぐ2番人気。

前走・伊GI2着でデットーリ騎乗のドラムタップス、キングジョージ3着など堅実味光るロックホッパーの英国勢がこれに続いた。

日本最強メジロマックイーンか、フランスの名牝マジックナイトのどちらかを本命にする予想家が大半だった中、清水は独り他とは全く違う視点から孤独の◎を人気薄の米国馬に打ち込んだ。


第11回ジャパンC

(クリックして画像を拡大)

【今日のスーパーショット】

淋しい話だがJCは格や実績ではない(※1)ことがよくわかつたはず。要はヤル気であり今現在のデキなのだ。

ところがコメントは全て社交辞令。目を皿にして攻馬を見たところで過去を知らない以上徒労でしかない。

だからこそJCは持ち回りと決めている。外交と同じくやや米国寄りの全方位型、そんな風見鶏的側面こそ、JCの素顔であり正体ではなかったか。

最後の豪州勢が勝ち10年で一周すれば南京玉簾(※2)よろしく元へと戻る。すなわち第1回の優勝国(※3)は?

それが清水の読みであり、近年にない超ハイレベルの仏国本線(※4)。メジロマックイーンは能力よりもツキの有無か。(清水 成駿)

(※1)JCは格や実績ではない……87年(第7回)はGI9勝を挙げ、『鉄の女』と称されたトリプティクが1番人気で4着。翌88年(第8回)には、同年の凱旋門賞馬トニービンが2番人気で5着。90年(第10回)には、同年のキングジョージ6世&QEダイヤモンドS勝ちのベルメッツが1番人気の支持を受けるも7着に敗れていた。

(※2)南京玉簾(なんきんたますだれ)……日本の大道芸のひとつ。様々なモノの形に見立てても、最後は元の形に戻るさまより。

(※3)第1回の優勝国……当特集でもピックアップしたように、第1回の勝ち馬はアメリカのメアジードーツ。

(※4)近年にない超ハイレベルの仏国……ヴェルメイユ賞1着・凱旋門2着の③マジックナイト、70年代最強の名牝ダリアの仔⑦ワジド、GIIIフォワ賞勝ち馬で仏・愛ダービー二冠オールドヴィックの半弟④スプラッシュオブカラーと、この年のフランス馬3頭はいずれも魅力に富んでいた。


確たる逃げ馬不在の中、地方代表ジョージモナークがペースを握り、メジロアルダン、フジヤマケンザンが先行。道中6番手辺りにメジロマックイーンとマジックナイトが並び、ドラムタップス、ロックホッパーは後方に位置。

やや馬群が固まった状態で直線で向かい、内からマックイーンが抜け出しをはかろうとするが、外から勢い良くマジックナイトと米国の伏兵ゴールデンフェザントが進出する。

アッという間に抜け出すとほぼマッチレースとなるが、最後は瞬発力で優るゴールデンフェザントが1馬身半振り切ったところがゴール。

マックイーンは日本馬最先着も、シャフツベリーアベニューに交わされての4着だった。


『外交と同じくやや米国寄りの全方位型、そんな風見鶏的側面こそ、JCの素顔であり正体』 

競馬を俯瞰的に捉え、当時の日本外交になぞらえた清水の言葉。「サイン馬券」等とは一線を画す、画期的な予想概念であったが、その言葉通りに米国馬ゴールデンフェザントが激走。もちろん、当馬の能力や背景を見抜いているからこその“孤独の◎”。

マックイーンの勝利を疑わず、レース後肩を落とした大勢のファンを尻目に、7番人気で単勝1820円。そして何より、この年から導入された馬連……◎○で6670円。

当時の清水ファンにとって美味しすぎる配当。当時から馬単があれば、高め万馬券で狂喜乱舞した者も大勢いただろうか。(文:元1馬・和田)


1991年11月24日(日)
第11回 ジャパンC(G1)

1着[米]⑭ゴールデンフェザント(7人気) 2:24.7
2着[仏]③マジックナイト(2人気)  1馬身1/2
3着[豪]⑪シャフツベリーアヴェニュー(6人気) 1馬身1/2
4着[日]⑤メジロマックイーン(1人気) 1馬身1/2
5着[新]⑬ラフハビット(8人気)  1/2馬身

単勝 ⑭ 1,820円
複勝
⑭ 570円
③ 250円
⑪ 550円
枠連 2-8 3,730円
馬連 3-14 6,670円
(※この年から馬連の発売がスタートしていました)