【日曜 中山11R 第65回 朝日杯FS】
(芝1600m 15:25発走)
◎11.ショウナンアチーヴ
(父ショウナンカンプ、母父サンデーサイレンス)
まずは、過去の朝日杯FSの血統傾向の分析です。
【朝日杯FSの注目好走血統】
12年1着ロゴタイプ
(父ローエングリン)
12年3着ゴットフリート
(父ローエングリン)
11年2着マイネルロブスト
(父ゼンノエルシド)
11年3着レオアクティブ
(母父オペラハウス)
10年3着リベルタス
(ローエングリンの弟)
09年2着エイシンアポロン
(母父サドラーズウェルズ)
09年3着ダイワバーバリアン
(父マンハッタンカフェ)
サドラーズウェルズの系統、ニジンスキー系、サンデー系の中でもスタミナ色と底力に優れたマンハッタンカフェ産駒。このレースのポイントは『欧州的なスタミナと底力』だと思います。
実は、昨年までは「持続力が必要なレースで、ダート血統有利」と考えていました。前半から淀みないペースで流れることが多く、直線でバテ合いになること、また、過去の好走馬がダート的側面を持っていたことから、結構長い間「朝日杯はダート血統」としていたのですが、どうも上手く行かないケースが多く、もう一度考え直してみたところ、持続力は重要でも、ダート的な馬力で押す持続力ではなく、苦しくなった終いでひと踏ん張りする底力に裏打ちされた持続力がより重要なのではないか?と思い立ったわけです。
考えてみれば当然の話で、このレースは中山マイル戦らしく、前半で11秒台が並ぶ前傾ラップになりやすく、おまけに最後に急坂が待ち構えていることから、かなり過酷なレースになります。その過酷なレースに対応できる力が要求されるのは当然の話で、そうなれば「欧州的な底力、スタミナ」の重要性は高まるわけです。
※ちなみに、「底力」という言葉の意味について、私は「苦しいところでひと伸びできる力」と定義づけています。この力を持っている馬は、激流のバテ合い競馬やレベルの高いGⅠに強いです。基本的には米国血統よりも欧州血統の方がこの力を持ち合わせていると考えています。
こういう言葉って一般的に使われていますが、ちゃんと定義づけてもらいたいですよね~(上記はあくまで私の使い方です。これが正式というわけではないかもしれないのであしからず)。
閑話休題。朝日杯FSの過去を検証してみても、冒頭に記したように欧州的な血統を持った馬が意外に好走しており、欧州的な底力の重要性を示唆しています。
ちなみに、こういう発想の転換に思い立ったのが昨年のローエングリンの1、3着(プラス弟リベルタスの好走歴)。ローエングリン産駒と言えば、当欄で何度も指摘している通り、『レコードが出るような競馬で強さを発揮する』という特徴があります。レコードが出る競馬というのは、道中のアップダウンが少なく、平均的に脚を使い続ける競馬です。そういった競馬に適性があるということは、すなわち、苦しい流れを追走し、なお最後にもうひと踏ん張りできる力があるということに他なりません。
今回はちょっと抽象的な話が厚くなってしまって申し訳ありませんが、要するに、朝日杯FSで要求される能力は
「欧州的な底力」
だと考えるわけです。血統的に言えば『欧州血統』『スタミナ血統』『消耗戦に強い馬』
をピックアップするべきでしょう。
と、ここまではスラスラ書けるわけですが、今年は本当に参っています。何しろ、テーマに該当すると見ていた馬が揃って除外(ちなみに、ピークトラムとモーリスでした)。相当厳しい選択になったことだけはお伝えしておきます。
悩んだ末に、◎11.ショウナンアチーヴにしました。母ショウナンパントルは12.4-11.1-11.7-12.4-11.8-11.7-11.6-12.5という、5ハロン目からペースアップし、上がりにガクンとラップが落ちる消耗戦の阪神JF勝ち馬。それを母父サドラーズウェルズ系の血が支えたとすれば、それを母系に据える形になるショウナンアチーヴも厳しいレースで真価を発揮する可能性はあるかなと。正直、誰の目から見ても明らかなとおり、父ショウナンカンプでは威張れるものではありませんが、ココは母系の底力にのみ注目することにします。
境和樹
立教大学部法学部卒。東スポや競馬最強の法則で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。
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境和樹
SAKAI KAZUKI
立教大学部法学部卒。東スポや競馬の天才で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。