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競馬予想

柏木集保の週末重賞ストラテジー

2018年06月30日(土)更新

秋に向けて熟成された大器

4月の中山芝1800m「山藤賞」を圧勝して2戦2勝となったフィエールマン(父ディープインパクト)のタイムは、1分48秒1。2馬身半差の完勝とはいえ、表面上はさして目立たない。しかし、その中身は強烈。前半1000m通過61秒5の緩い流れを、出負けした同馬は後方にひかえてゆっくり追走していたが、3コーナーあたりから自身のピッチを上げると、外を回ってひとまくり。「11秒9-11秒7-11秒6-11秒4」と尻上がりにピッチの上がった流れを楽に抜け出した。

差し馬の場合、平坦に近い小回りコースの福島では、一瞬の切れも必要だが、むしろロングスパートの可能なタイプの方が信頼できるケースが多い。2戦目でこの内容なら、フィエールマンは文句なしに合格だろう。

1歳上の半姉ルヴォワ―ル(父ハーツクライ)は3戦2勝のあと休養中。母リュヌドールの産駒は完成するまであまり無理のできない傾向があるとされるが、身体の成長を見守りつつ急いで出走させることなくここがまだ3戦目。秋に向け、オープンに出世しておきたい。母は2400~2500mの仏GⅡを2勝しているから、距離延長は歓迎だろう。

母の父グリーンチューンに関係する話題。1973年生まれのグリーングラス(菊花賞、有馬記念など8勝。オーナーは福島の半沢氏)が活躍したころ、欧州には1歳上の世代にグリーンダンサー(72)がいた。この2頭、ともに長く30歳近くまで生き、同じ2000年に死亡している。

グリーンダンサーは、種牡馬としてきわめて長く産駒を送り続けた。日本でもっとも良く知られるのは『ノーザンダンサー(61)→ニジンスキー(67)→グリーンダンサー(72)→ノーアテンション(78)→スーパークリーク(85)…』と続くライン。この父系は、なんと25年間に5回も世代交代した超高速回転ラインだった。

でありながら、28歳まで種牡馬だったグリーンダンサーは、孫の世代になる前出の菊花賞馬スーパークリークが種牡馬となりその産駒が走ったころ、つまり、その名が日本で知られてから10年近くのちに輸入された外国産馬エイシンプレストン(97年生まれ。香港のGⅠ3勝など10勝)の父でもある。

高速の世代交代で知られたグリーンダンサーは、やがて、恐ろしく回転の遅い血を伝える種牡馬となっている。期待の注目馬フィエールマンは、「グリーンダンサー(72)→母の父グリーンチューン(91)→母リュヌドール(2001)→フィエールマン(2015)」。こちらの世代交代は44年間にたった4回である。

フィエールマンが受け継いだのは、急いで結果を求める初期のグリーンダンサーではなく、秋に向け、さらに広がる未来に向けたタフなグリーンダンサーの血だろう。秋のビッグレースに向け、ここでキチッと答えを出しておきたい。

プロフィール
柏木集保

早稲田大学政治経済学部卒業。1973年に日刊競馬新聞社に入社し、以後競馬予想を担当。U局の「中央競馬ワイド中継」の解説者としても人気を博す。血統、過去の走破タイム、ペース配分などから多角的にレースを推理し、出走馬の前評判にとらわれない独自の予想スタイルを貫いている。

柏木集保

SHUHO KASGIWAGI

日刊競馬で40年以上にも渡って看板を務める競馬界のご意見番・柏木集保が今週末の重賞レースのポイントをイチ早くレクチャー。過去データ・ラップ・血統・馬場など縦横無尽な分析でレースの核心に迫る。ここが的中馬券への最初の一歩。

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