[毎日王冠(GⅡ)攻略ポイント]
もう少し遡れば、13年6人気2着、12年12人気2着ジャスタウェイは母父ワイルドアゲイン。12年1人気1着カレンブラックヒルは母父グラインドストーン。12年9人気3着タッチミーノットは母父ミスタープロスペクター。
以前はダンシングブレーヴやニジンスキーの血が目立っていたこのレースですが、最近はかなり母系米国血統の比重が高まっています。高速上がりが常識のレースなので、高速耐性に秀でた米国血統が走りやすくなるという構図です。
昨年の勝ち馬リアルスティールは、ドバイターフを勝っていましたが、国内のGⅠでは皐月賞、菊花賞2着、ダービー4着と、どうしてもGⅠタイトルに手が届かない馬でした。
一方、安田記念を勝っていたサトノアラジンは2着止まり、ダービー馬マカヒキは2人気で6着、そして、オークス馬ソウルスターリングは1人気を背負って8着に敗れました。
もう少し古い例を出せば、09年4人気1着カンパニー、08年2人気1着スーパーホーネットなどの名前も出てきます。典型的なGⅠ善戦キャラ(カンパニーがGⅠを連勝するのは、このレースの後)が勝ち切っていることが、毎日王冠というレースの本質をよく表しているといえるでしょう。
直後に天皇賞・秋を控える時期。さらに、GⅠが組まれていない非根幹距離の芝1800という条件。これらが相まって、既にGⅠを勝っている馬よりも、GⅠで善戦止まりに終わっている馬の方が期待値が高くなるわけです。
芝1800という非GⅠ距離の適性に秀でた善戦キャラが絶好の狙い目になることは、同じ舞台で行われるエプソムCの結果と直結しやすいということからも証明されます。レースレベル的にはGⅠに及ぶべくもないエプソムCの結果をリンクが強いということは、それだけコースに対する適性がモノを言うということ。
上記例の他、昨年の勝ち馬リアルスティールは3歳時に共同通信杯を勝っていました。国内GⅠでは善戦止まりだった、非根幹距離重賞実績馬という好走パターンだったわけです。
②ケイアイノーテック
(母父スマーティージョーンズ)
④サトノアーサー
(今年のエプソムC勝ちのGⅠ未勝利馬)
今年はこの2択だと思います。
血統的には②ケイアイノーテック、馬キャラ的には④サトノアーサー。
2頭揃って馬券になる可能性もあると思うので、どちらを引いても正解という結末もありますが、これまで書いてきた通りなら、GⅠ馬の②ケイアイノーテックは勝ち切れず2~3着になる公算が強い。つまり、②ケイアイノーテックは複勝のオッズが勝負処。そうなると、当日ギリギリまでオッズは見るにしても、1.8倍~3.0倍程度のリスクが勝ったやや買いづらいオッズになりそう。
ならば、いかにも毎日王冠勝ち馬っぽいタイプの④サトノアーサーが、例年のように、居並ぶGⅠ馬を破って勝ち切るシーンを狙う方が得ではないかと考えます。
最終的に②ケイアイノーテックの複勝オッズの下限が2.5倍を超えるようなら少し考えますが、現時点では、単勝6.0倍から8.0倍程度あたりのオッズを想定して、④サトノアーサーの単勝狙いが面白いと思っています。
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プロフィール
境和樹
立教大学法学部卒。東スポや競馬最強の法則で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。
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境和樹
SAKAI KAZUKI
立教大学部法学部卒。東スポや競馬の天才で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。