[クイーンC攻略ポイント]

ここ4年くらいで微妙にレースの質が変わってきているクイーンC。
以前は、トニービン、ニジンスキーやサドラーズウェルズといった欧州血統が幅を利かせていたこのレースですが、個人的には、ここ4年ほどで好走血統に変化が生じているという印象を持っています。

ここ3年、続けて馬券に絡む活躍を見せているのがクロフネ。
クロフネといえば、ご存知の通り、典型的な前哨戦血統。2歳後半から3歳クラシック直前までが稼ぎ処で、トライアルまでは活躍しますが、本番になると軒並みパフォーマンスを下げるのが特徴。要するに、底力に欠ける面があって、完成度勝負に強い。欧州的な重たさではなく、ダート的なパワーが武器。

同じ対象期間では、米国血統も好走を続けています。米国血統の本質も、先ほどのクロフネと類似しています。
もちろん、この間に欧州血統の好走がないわけではありません。16年は母父オペラハウスのメジャーエンブレムと父メイショウサムソンのフロンテアクイーンのワンツー。ここ2年の勝ち馬は、テトラドラクマ(父ルーラーシップ)、アドマイヤミヤビ(父ハーツクライ)と、ともに凱旋門賞血統のトニービンを内包しています。
しかし、血統傾向以外にも、15年以降とそれ以前で明らかに異なる点が存在します。
それが時計の出方。
15年を境に、このレースは高速化しています。ほぼ1.0秒近く決着時計が速くなっているんですね。

このように、ここ4年のクイーンCはそれ以前と比べてかなり時計が速くなっています。そのタイミングで浮上してきたクロフネ、米国血統の流れ。レース自体が高速化したことで、底力の要求値が下がり、スピードや完成度が問われやすくなっている可能性が考えられます。
血統傾向の変化と時計変化のタイミングが符号する以上、かつての欧州血統優勢の姿勢は見直さなければいけないのではないか? そう考えさせられるわけです。
今年は、阪神JFの上位馬が2頭出走。しかも、両方ともクロフネ持ち。血統傾向にピッタリ嵌っています。その意味で、波乱の余地は少ないのかもしれませんね。
その中で、残る空席ひとつを狙う穴馬候補といえば
①マドラスチェック
(父マリブムーン)
②レッドベルディエス
(母父アンブライドルズソング)
⑦カレンブーケドール
(母父スキャットダディ)
①マドラスチェックは、ボールドルーラー系マリブムーンを父に持ち、母父がミスプロ系のミスターグリーリー、そして、母母父にはストームキャット。
いわゆるコテコテの米国血統で組成された馬で、ダート的なパワーと完成度の重要性が高まっているというスタンスを取るなら、これくらい極端に振ってしまう手もありでしょう。字面だけならダートを使いたくなる、芝対応可能なタイプ。これが最新のクイーンC向きの馬だと見ています。
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境和樹
SAKAI KAZUKI
立教大学部法学部卒。東スポや競馬の天才で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。