[紫苑S攻略ポイント]

まず、血統的な特徴から。
紫苑Sは、かねてから「ボールドルーラー系」が存在感を見せているレース。

もう少し遡ると、09年は、11人気1着ダイアナバローズが上記表にも名前が挙がっているシンボリクリスエス産駒で、4人気2着ラインドリームが母母父ロイヤルスキー、5人気3着エオリアンハープが母母父セクレタリアトと、ボールドルーラー系内包馬が上位を独占しました。
好走例がOP特別時代に多いという点は気になりますが、昨年、久々に該当馬のランドネが人気薄で馬券になったことで、改めてこのレースにおけるボールドルーラー系の存在感に注目すべきという考え方はできると思います。
もうひとつ、紫苑Sに関しては2016年の重賞昇格による変化、これを重視しないわけにはいきません。
【かつての紫苑S】
・春の実績馬にとっては叩き台
・秋華賞に直結しない
【重賞昇格後の紫苑S】
・春の実績馬が断然有利
・秋華賞直結度アップ
かつての紫苑Sは、簡単に言えば夏の上がり馬にとってのチャンスレース。春の時点で王道路線に乗っていた馬は苦戦する傾向がありました。

秋華賞を狙える馬(既に出走可能な立場の馬)にとっては、ここは結果よりも叩き台に徹する場であり、本気度が低い。その隙を、本番出走へ向けて権利奪取が目的の馬に突かれるケースが頻発していました。
また、その帰結としてレースレベルが低くなり、本番である秋華賞に繋がらないという傾向もハッキリ。OP特別時代の紫苑Sから秋華賞に出走した馬の成績は【1-0-2-60/63】。馬券になった3頭のうち2頭は“新潟施行”の紫苑S。残り1頭はオークス馬レディパステルですから、もうほとんど本番ではノータイムで切れる存在でした。
ところが、重賞に昇格したことで紫苑Sはその性質を異にすることになります。
このレースに重賞の冠が付いたことで、単なる叩き台以上の意味が用意され、春の実績馬にとってモチベーションが上がったことが大きい。

昨年も、オークス出走馬が上位に2頭。上記表から明らかなとおり、重賞昇格を境に、明らかに春の既成勢力が順当に結果を出す傾向が強まっています。
また、秋華賞への直結度も格段にアップしています。昨年は1、2着馬がともに秋華賞に駒を進めませんでしたが、17年、16年はともにこのレースから秋華賞勝ち馬が出ています。

というわけで、最新の紫苑Sは、まずは春の実績馬を優先的に考えなければなりません。特にオークス出走の有無は重要な要素。
血統的にはボールドルーラーに注目。また、春の実績馬、特に「オークス出走馬」の評価は無条件に上げなくてはいけません。
今年の候補馬は……
④フィリアプーラ
(オークス10着)
⑥フェアリーポルカ
(オークス16着)
⑭カレンブーケドール
(オークス2着)
⑮パッシングスルー
(母母父シアトルスルー)
④フィリアプーラは、重賞昇格以降、このレースで重要な位置を占めるオークス出走馬。父は2年連続でこのレースの勝ち馬を輩出しているハービンジャーです。
中山コースはフェアリーS勝ちを含み2戦2勝。絶好のコース替わりでもあり、ここが狙い目と言えるでしょう。
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境和樹
SAKAI KAZUKI
立教大学部法学部卒。東スポや競馬の天才で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。