[菊花賞攻略ポイント]
今年の菊花賞は、以下の2つのポイントを重視したいと思います。
・長距離GⅠ血統を重視
・ディープ産駒の台頭
まず、先ほども掲載した過去の好走馬血統を色分けした以下の図をご覧ください。
近年の好走馬は、そのほとんどが現役時代に3000超のGⅠを勝った馬、または、種牡馬として3000超のGⅠ勝ち馬を送り出した馬を、父か母父に持っています。
すなわち、「長距離GⅠ血統保持馬」ということ。
キングカメハメハ【0-1-2-8/11】
ハーツクライ【0-1-0-10/11】
A級種牡馬の中で、どうしても菊花賞に手が届かないキングカメハメハとハーツクライを例に出すと、より鮮明になる長距離GⅠ血統の重要性。
この2頭の種牡馬は、ともに現役時代に3000超のGⅠ勝ちがなく、また種牡馬としても長距離のGⅠ勝ち馬は出せていません(ハーツクライは、天皇賞・春の穴種牡馬ですが、【0-5-3-15】とあくまで複穴としての活躍)。
ちなみに、昨年、1人気のブラストワンピースを送り出し4着に敗れたハービンジャーは、過去、菊花賞に6頭の産駒を送り込み一度も馬券になっていません。ハービンジャー自身に3000超の距離実績がないことに加え、種牡馬になってから産駒の3000超レースの成績は【0-0-1-10/11】です。
菊花賞は、3000という距離自体にほとんど意味がないレース。たまたま3歳限定のGⅠが3000で行われるというだけで、3000という距離を狙って出走してくる馬ばかりではないからです。したがって、春の実績馬については、長距離適性に疑問符が打たれるような場合でもそう簡単には軽視できないもの。3歳馬同士の能力差で、多少の距離適性はカバーしてしまいます。
しかし、その一方で現実に3000という距離を走るという事実も軽視はできません。その意味で、少なくとも実績で劣る馬が台頭するためには、3000という距離に対する適性が必要不可欠。この適性で上位馬との能力差を埋めなければならないからです。そして、それを表象する最も分かりやすいファクターが、「長距離GⅠ血統保持馬」であるということになります。
続いて、菊花賞とディープ産駒について。一言でいえば、近年の菊花賞はディープ産駒がパフォーマンスを上げやすいレースに変貌してきていると言えます。
未曾有の極悪馬場だった17年は参考外として、近2回の良馬場施行時に連勝しているのがディープ産駒。そして、そのディープ産駒が勝った2年には、ラスト3Fの上がり比べだったという共通項があります。人気馬を含めてディープ産駒が揃って凡走した14年、12年と比較すると、その差は明らかと言っていいでしょう。
かつての菊花賞は、後半4Fの持続力比べがデフォルトでしたが、近年はその傾向が崩れており、その結果として上がりの脚とスタミナで勝るディープ産駒が結果を出しやすくなっていると考えられます。
今年のメンバーを見渡すと、どうしてもハナにこだわるという馬はおらず、ダッシュの鈍い馬も多いことから近2回の良馬場施行時に近いスローからの上がり比べが想定されます。となれば、今年もやはりディープ産駒の重要性は高くなると考えておいた方がいいことになります。
長距離GⅠ血統であり、かつ、想定されるスローからの上がり比べに対応できるディープ産駒から本命を選びたい今年の菊花賞。
⑤ワールドプレミア
⑭サトノルークス
⑱メイショウテンゲン
⑤ワールドプレミアが最新の菊花賞向きのタイプ。
今回人気に推されるであろうヴェロックスには連敗中。ただ、少なくとも前走に関しては「権利獲り」という命題があったレースで、ハナから勝ち負けにこだわる意味がありませんでした。つまり、ヴェロックスとは違う次元で競馬をしていたということ。あの差をもって勝負付けが済んだと見るのは早計。
兄ワールドエースがきさらぎ賞、マイラーズCと京都外回り重賞を2勝している母系から、阪神から京都外回りへのコース替わりは大歓迎。前走とは違い、今回は勝つことが目的の一戦。強敵逆転の可能性は決して少なくないでしょう。
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境和樹
SAKAI KAZUKI
立教大学部法学部卒。東スポや競馬の天才で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。