シリウスSは、“鮮度”が問われるレース。
ダート路線で勝ったり負けたりを繰り返しているような馬より、芝実績のある馬や、最近になってダートに転向してきた馬の激走多数。
また、前走まで条件戦を走っていたような上がり馬の台頭も目立つレースです。
問題は、なぜそんな特性があるのかということ。
本来の施行条件である阪神ダ2000のコース形態がその一因でしょうが、それ以上に重要なファクターと考えられるのが、「周辺に地方交流重賞が複数組まれている」ということ。
白山大賞典や日本テレビ盃といったJBCを見据えた高額交流重賞の存在が、出走馬の分散に繋がる。しかも、バリバリの重賞級は地方交流重要に向かいがち。
結果として、このレースには、交流重賞出走枠に入らないような馬が集まることになります。つまり、ダート戦線の常連たちは、ほとんどが一線級から一枚劣るレベル。その結果として未知の面を残している馬の方が期待値が上がるわけです。
その“未知の面”を表象するファクターが、「最近まで芝を走っていたような馬」や「条件戦上がりの格下馬」というわけです。
ここまでで言及したこのレースの性格は、舞台を中京ダ1900(これまで重賞はおろかOP特別すら行われていない)に移しても変わることはないと考えられます。
というわけで、舞台が変わってもこれまでの傾向を尊重する方針。

かつては、あのブエナビスタを破って札幌記念を制していたヤマニンキングリーや、つい最近まで芝を走っていたアウォーディー、ピオネロなど。
芝の高額条件に実績のある馬や、近走まで芝を使っていた馬が狙い目になるのがこのレースの特徴。

ある程度底が見えている馬や、地方交流重賞の出走枠に入るほどの賞金を持っていないような馬よりも、まだダートで底を見せていない、伸び代に期待できる馬も同様の理由で狙えます。
前走で条件戦を走っていた馬が勢いに乗って台頭するというケースは、今年も警戒しておくべきでしょう。
「芝実績馬」「前走条件戦出走馬」というテーマで、今年の候補馬を抽出。
⑤ランスオブプラーナ
(前走芝)
⑦エムオーグリッタ
(前走3勝クラス勝ち)
⑧サンデーウィザード
(新潟大賞典勝ち)
⑨ダノンスプレンダー
(前走3勝クラス勝ち)
⑬キメラヴェリテ
(若葉S2着)
⑨ダノンスプレンダーは、前走で3勝クラスを勝ち上がったばかりの格下ですが、こういった馬の期待値が高いのがこのレースの本質的な特徴。今年、最も鮮度のあるこの馬を狙います。
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境和樹
SAKAI KAZUKI
立教大学部法学部卒。東スポや競馬の天才で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。