【日曜 東京11R 毎日王冠(GⅡ)】
(芝1800m 15:45発走 3歳以上オープン)
◎11.レッドスパーダ
(父タイキシャトル、母父ストームキャット)
昨年、タッチミーノットを本命にした際にも指摘しましたが、この毎日王冠というレースは典型的な前哨戦、すなわち、『G1だと足りない馬』が平気で走るレースです。本番が次に控えているという側面もありますが、東京芝1800mという中途半端な非根幹距離で行われること、後述する『実はマイラーが強い』という傾向から、天皇賞・秋を狙うような(もっと言えば、勝ち負けもできそうな)有力馬がポロポロ取りこぼします。
競馬ファンの間でもG1と同等かそれ以上の人気を誇るレース(実際、私もかつては毎年このレースだけは現地に観に行っていました)。それゆえにスター候補に印が集まるという側面もあって、意外と波乱含みのレース、すなわち、盲点の馬から穴馬券が拾いやすいレースです。
そんな毎日王冠のポイントは以下の通り。
1.マイラーが強い
2.ダンスインザダークでも勝てる
【安田記念とマイラーまたは隠れマイラー】
12年1着カレンブラックヒル(NHKマイルC勝ち)
12年2着ジャスタウェイ(アーリントンC勝ち)
11年2着リアルインパクト(安田記念覇者)
10年2着エイシンアポロン(この後、マイルCS勝ち)
09年1着カンパニー(この後、マイルCS勝ち)
08年1着スーパーホーネット(マイルGⅠで再三好走)
06年2着ダンスインザムード(桜花賞、Vマイル勝ち)
05年2着テレグノシス(NHKマイル勝ち)
このレースの前にマイルで重賞、G1を勝っている馬はもちろん、後にそれらのレースを勝つ馬(これを“隠れマイラー”とします)も含めると、ほぼ毎年、マイラーが好走していることが分かります。天皇賞・秋(芝2000m)の前哨戦、しかも実走距離が1800mということもあってなかなかイメージしづらいかもしれませんが、これが現実です。
『毎日王冠では、マイラー、潜在的マイル適性保持馬を狙え』
ということですね。
さらに、このレースの前哨戦らしさを示すのが、ダンスインザダーク産駒の好成績。過去の成績は(2-0-1-3/6)。07年には8番人気チョウサンが勝ち、11年にはダークシャドウが1番人気に応えて快勝。昨年は9番人気タッチミーノットが9番人気の低評価ながら3着と馬券に絡んでいます。
ダンスインザダーク産駒は、分かりやすく言えば決め手が全くない、勝ち切れない血統です。どの条件を見ても勝率が低く、人気に応えられないこともしばしば。要するに、“主流ズレ”しているわけです。菊花賞では強さを見せますが、1年に1回しかない3000mのG1でしか好走できないところが、ダンスインザダークの主流ズレを証明していると言えます。
そんなダンスインザダークがのべ6頭で3度馬券になるなんて、よほどそのレースが“主流ズレ”していないとあり得ないこと。そのレースが、毎日王冠なのです。
また、これは安田記念の予想コラムでも指摘しましたが、私は根本的にダンスインザダーク産駒はマイル近辺が一番力を発揮できると考えています。菊花賞以外、唯一のG1制覇となったのが安田記念。先ほども申し上げた「安田記念とマイラー」という点とも、ダンスインザダークは絡んできます。
以上のことから、毎日王冠というレースのテーマは
『G1のような主流条件だと少し足りない、マイラー色の強い馬を狙う』
ということになります。
このテーマに沿って、今年買うかどうか検討すべき馬は以下の通り。
1.ダークシャドウ(父ダンスインザダーク)
2.タッチミーノット(父ダンスインザダーク)
7.クラレント(父ダンスインザダーク)
9.コディーノ(おそらく隠れマイラー)
10.ジャスタウェイ(アーリントンC勝ち)
11.レッドスパーダ(マイル重賞2勝)
いかにも前哨戦ホース、◎11.レッドスパーダが今年の穴馬候補。マイル重賞2勝の実績が活きてくることはもちろん、非サンデーのヘイロー系タイキシャトル産駒という点も、若干の主流ズレを匂わせており、それがまた魅力になるわけです。有力馬が構えて競馬をしてくれそうな今回、展開利も見込んで一発あるんじゃないかと狙っています。
境和樹
立教大学部法学部卒。東スポや競馬最強の法則で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。
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境和樹
SAKAI KAZUKI
立教大学部法学部卒。東スポや競馬の天才で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。