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競馬予想

柏木集保の週末重賞ストラテジー

2013年10月23日(水)更新

トウケイへイローに流れる伝説の血

今週の「天皇賞(秋)」は、台風27号の進路予測に入っているため、早くも雨の影響を受けること必至とされている。28号までいる。

秋の天皇賞は、3年前の2010年にも台風の影響を受け、土曜日の東京競馬は中止となり月曜日に代替競馬が行われている。ただ、日曜の番組はそのままだった。午前中は重馬場だったが、天皇賞のころには「やや重」にまで回復。1分58秒2の速い時計で快勝したのは、4歳牝馬のブエナビスタ(スミヨン騎手)だったという記録がある。なんとか、今年もその程度の影響でとどまって欲しい。

台風の影響を受ける渋馬場の公算大なので、週中のスポーツ紙の紙面をにぎわすのはトウケイへイロー(父ゴールドへイロー)ではないかと思われる。なにせこの上がり馬は、近年ではまれな極悪の重馬場と化した函館の「札幌記念」を、ひとり旅の6馬身差で独走している。勝ちタイムは、2000m「2分06秒5」。レコードは1分57秒8なので、どういう馬場だったか想像がつく。

今回も対戦が予定されている7歳トーセンジョーダン(父ジャングルポケット)は、体調一歩もあったが、5秒2も離された13着であり、5歳ルルーシュ(父ゼンノロブロイ)は6秒0も引きちぎられた15着だった。3歳ロゴタイプ(父ローエングリン)はもうバテバテだったが、1番人気に支持されていたから簡単にギブアップできず、なんとか2秒1差の5着で入線した。だが、その反動は大きく、この秋の天皇賞挑戦などとてもムリな状態に陥って休養している。

トウケイへイローの父ゴールドへイローは、大種牡馬サンデーサイレンスの初期の産駒で1997年生まれ。同じサンデーサイレンス産駒では、皐月賞と菊花賞を制したエアシャカール、日本ダービー馬アグネスフライトと同期になる。

ただ、著名なサンデーサイレンス産駒とはその競走成績が大きく異なり、南関東公営の大井で8戦【5-0-1-2】。故障がちで順調に出走できず、地域限定重賞も勝っていない。

しかし、種牡馬となると早期の出走馬を送る牧場の育成手法もあって、2008年には公営の2歳チャンピオンサイアーに輝いている。母の父は公営のチャンピオンサイアーとして君臨したミルジョージ。案外知られていないが、ミルジョージは1989年には日本の総合種牡馬ランキング「1位」に輝いた名種牡馬である。

ゴールドへイローの産駒は、公営競馬を中心に活躍し、2012年の道営記念を勝ったモエレビクトリー、浦和のニューイヤーCを勝ったモエレエターナル、ゴールドメダルなど、ほとんどが公営の活躍馬。トウケイへイローのようにJRAの芝の重賞を4つも制した産駒は初めてである。

ゴールドへイローの種牡馬としての評価は、その種付け頭数をみるとわかる。2004年に種牡馬となってから、だいたい50頭台の年が多かったが、2008年から今年2013年まで、「…95頭、102頭、25頭、12頭、62頭、53頭」と、激変につぐ激変を重ねている。

種牡馬ゴールドへイローの牝系は、ダイナフェアリー、ローゼンカバリー、ダイナマイン、同シュート、アドマイヤマックス、そして2005年の桜花賞と、NHKマイルCを連勝したラインクラフトが代表馬となる『ファンシミン系』。

名牝系を築くことになった牝馬ファンシミン(父デターミン)は、1972年の輸入牝馬。現在の社台グループの発展に大きく貢献した牝馬の1頭である。

種牡馬デターミン(父アリバイ)は、1954年のケンタッキーダービー馬。その祖母の名はブラウンビスケット(父サーアンドリュー)。名前から想像できるように、1930年代のアメリカ競馬で、伝説の名馬として知られる89戦33勝シービスケット(父はマンノウォー直仔のハードタック)の、3つ下の半妹になるのがブラウンビスケットである。

およそ無名の存在から、やがて米3冠馬ウォーアドミラルをマッチレースで倒すまでに出世したシービスケットの半妹の血が、現代の競走馬に影響を与えることなど、それはまったくありえない。ただ、ブラウンビスケットと、英ダービーを大レコードで勝った1933年生まれのマームード(母マーマハル)との間に生まれたのが牝馬コウビスであり、その産駒がデターミンであるのは現代に通じている。

というのは、日本の生産界に未曾有の影響を与える天才種牡馬サンデーサイレンスの、血統面の最大特徴はマームードのクロス〈4×5〉である。

トウケイへイローの祖母ハイネスポートも、前出の種牡馬デターミンと、父ノーザンテーストに流れるマームードの血量〈5×4〉となる。ゴールドへイローの母ニアーザゴールドにも、その5代前にマームードが登場する。

したがって、トウケイへイローの血統図を拡大すると、そのスピードとスタミナ能力を、何代も経た馬にも影響を与えていると考えられている名種牡馬マームードの血量〈6.7.7×7.6〉となるのである。

でも、これは血統図をながめるときに、遠い時代の名馬との小さなつながりを楽しむため以外にまったく意味はなく、マームードの血量〈6,7,7、×……〉などという馬は、実際には掃いて捨てるほど存在する。もう、血量は6パーセントにも達しない遠い小さなクロスにすぎない。でも、まあ、トウケイへイローのような馬ががんばってくれると、みんな楽しくなることだけは間違いない。

プロフィール
柏木集保

早稲田大学政治経済学部卒業。1973年に日刊競馬新聞社に入社し、以後競馬予想を担当。U局の「中央競馬ワイド中継」の解説者としても人気を博す。血統、過去の走破タイム、ペース配分などから多角的にレースを推理し、出走馬の前評判にとらわれない独自の予想スタイルを貫いている。

柏木集保

SHUHO KASGIWAGI

日刊競馬で40年以上にも渡って看板を務める競馬界のご意見番・柏木集保が今週末の重賞レースのポイントをイチ早くレクチャー。過去データ・ラップ・血統・馬場など縦横無尽な分析でレースの核心に迫る。ここが的中馬券への最初の一歩。

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