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競馬予想

境和樹:穴馬券ネオメソッド

2013年11月02日(土)更新

【アルゼンチン共和国杯(GⅡ)】変則条件ゆえに問われる適性


【日曜 東京11R 第51回 アルゼンチン共和国杯】
(芝2500m 15:35発走)


◎15.エックスマーク
(父ディープインパクト、母父Acatenango)





1年に2度、このレースと目黒記念しか行われない超が付く特殊重賞。それゆえに、このレースは極めて特殊な適性が問われます。過去の傾向もハッキリしており、それがそのままこのレースで適性の有無が重要であることを示します。

そんなこのレース、過去の傾向から導かれることは以下の通り。

1.ゼンノロブロイ産駒

2.ロベルト系保持馬

3.前走条件馬がとにかく馬券になる


この3点です。血統的なテーマに関しては、春の目黒記念の際にも指摘した通り、東京芝2500mに共通する血統傾向と言っていいでしょう。以下、目黒記念も含めて過去の傾向を示します。

【東京芝2500m重賞で好走したゼンノロブロイ産駒】

13年目黒記念2着ルルーシュ

12年アル共1着ルルーシュ

12年目黒記念3着コスモロビン

11年アル共1着トレイルブレイザー

11年目黒記念2着ハートビートソング


【東京芝2500m重賞で好走したロベルト系保持馬】

13年目黒記念1着ムスカテール(父マヤノトップガン)

12年アル共2着ムスカテール(父マヤノトップガン)

11年アル共3着カワキタコマンド(母父ナリタブライアン)

11年目黒記念1着キングトップガン(父マヤノトップガン)

10年アル共3着コスモヘレノス(父グラスワンダー)

09年アル共2着アーネストリー(父グラスワンダー)

09年目黒記念3着ハギノジョイフル(父タニノギムレット)

08年アル共1着スクリーンヒーロー(父グラスワンダー)

08年目黒記念3着ロックドゥカンブ(父レッドランサム)

ゼンノロブロイに関しては、単行本でも指摘した通り、芝の長距離適性が極めて高い種牡馬。スピードよりも長距離向きのスタミナが武器になる血統であり、そのスタミナがこの特殊条件で開花するというイメージ。
色々と他の要因はあるのでしょうが、ルルーシュなんて馬はその成績を見ると非常に分かりやすいですよね。オープン入り後、まともに走ったのはこの条件くらい。しかも圧倒的な内容で走って能力を感じさせながら、他の条件に行くとコロッと負けてしまいます。この辺りがゼンノロブロイ産駒の特徴であり、同時に、東京芝2500m重賞の特殊性と言えるでしょう。

ロベルト系に関しては、上記好走例が示す通りです。人気の有無にかかわらず、とにかく馬券になりますね。


最後に3番目のポイントについて。

【アルゼンチン共和国杯における前走条件馬の好走例】

12年2着ムスカテール

12年3着マイネルマーク

11年1着トレイルブレイザー

10年3着コスモヘレノス

09年2着アーネストリー

08年1着スクリーンヒーロー

08年2着ジャガーメイル

過去5年分でもこれだけの『前走条件馬』が馬券になっています。表からは漏れていますが、2006年からずっとです。そして、この傾向は目黒記念も同様。該当馬が多かったこともありますが、2010年には前走条件馬が1~3着を独占したこともあったほどです。

これは単なるジンクスなどではありません。この東京芝2500mという条件には、前走で条件クラスを走っていたような馬が好走する下地が存在するのです。それは…

『一般的な条件で勝ち上がるのに時間が掛かったような馬が、特殊な適性を要求されることでパフォーマンスを上げる』

大事なことはコレです。
この時点で前走が条件戦であるような馬というのは、1600m~2000m前後の距離、いわゆる“よくある条件”で勝ちあぐねていた馬、ということですよね。だから、この時期になってもまだ条件クラスをウロウロしていたわけです。スピードが不足している、瞬発力が不足している、成長が遅い、様々な要因が考えられますが、それらのことは、裏を返せば『まだ才能を隠している可能性が残っている』ということにもなります。最近あまり書いていませんでしたね、ここで改めて適性理論の大原則を示しておきます。

「Aの適性を持っている馬はBの適性を持っていない可能性があり、Aの適性を持っていない馬はBの適性を持っている可能性がまだ残っている」

これが適性理論の基本的な考え方です。圧倒的な能力差でAでもBでも無関係に結果を残す馬もいますが、基本的な能力値にそこまで差がない状況、すなわち、適性の差が勝敗を分けるようなケースでは、上記の原則は非常に重要です。そして、この適性の差で能力の差を埋める可能性を追い駆けるのが、適性馬券ということになります。

つまり、一般的な条件で勝ちあぐねていたような馬(=前走条件馬)の方が、特殊条件である東京芝2500mという舞台でパフォーマンスを跳ね上げやすいということです。先ほどの適性理論の原則の後半部分ですね。そして、これが結果で証明されているのが、毎年のアルゼンチン共和国杯(目黒記念も含む)というわけです。

ちょっと抽象論が長くなりましたが、以上の3点をベースに、今年、買うかどうか検討する馬を選びました。

3.ルルーシュ

4.ニューダイナスティ

8.ムスカテール

13.コスモロビン

15.エックスマーク

17.マイネルマーク

18.ホッコーブレーヴ

無難に行くならムスカテールかルルーシュで良いと思いますが、前走条件馬の◎15.エックスマークが面白いですね。ディープインパクト産駒らしからぬこのモタつきっぷりが、いかにも特殊条件で才能を開花させそうなタイプに映ります(最近少しづつ増えてきている“B級ディープ”)。終始促しながら進み、バテそうなところからもうひと伸びするというレース振りを見ても、距離延長は大歓迎でしょう。

境和樹の単複1点勝負馬券

プロフィール
境和樹

立教大学部法学部卒。東スポや競馬最強の法則で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。

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境和樹

SAKAI KAZUKI

立教大学部法学部卒。東スポや競馬の天才で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。

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