【日曜 京都11R 第30回 マイルチャンピオンシップ】
(芝1600m 15:40発走)
◎7.サンレイレーザー
(父ラスカルスズカ、母父Cozzene)
マイル戦線の常連ダノンシャーク、距離初経験ながら未知の魅力を秘めるトーセンラー、さらに昨年3着のドナウブルーに伸び代のある3歳馬レッドオーヴァル、前走で復調の兆しが見られた安田記念覇者リアルインパクトと、今年のマイルCSはディープインパクト産駒に有力馬が揃いました。これをどう見るか、最大の焦点はここにあると考えています。そして、私の結論は『反ディープ』です。そもそもディープ産駒が人気になるレースで穴を狙うなら、ディープ以外の馬を選ぶのが定石ですし、後述しますが、このレース自体がディープインパクトに向いていないと考えることは可能だと見ています。ならば、上位人気が予想されるディープ産駒にケンカを売ってもいいでしょう。
まず、マイルCSの血統傾向から。昨年も予想コラムで指摘しましたが、かつてはサンデーサイレンス産駒のために用意されていたようなG1だったこのマイルCSは、近年、その様相を明らかに変えています。サンデー産駒の瞬発力が活きるレースから、真逆とも言えるダート的持続力が活きるレースへ…。それが直近のマイルCSというレースです。
【マイルCSとダート血統保持馬の好走例】
11年1着エイシンアポロン(父ジャイアンツコーズウェイ)
10年1着エーシンフォワード(父フォレストワイルドキャット)
10年2着ダノンヨーヨー(母父フォーティナイナー)
09年2着マイネルファルケ(母父パークリージェント)
09年3着サプレザ(父サーム:ミスプロ系)
08年1着ブルーメンブラット(母父トップサイダー)
08年2着スーパーホーネット(母父エルセニョール)
07年2着スーパーホーネット(母父エルセニョール)
昨年はダート血統保持馬の好走はありませんでしたが、勝ったサダムパテック(父フジキセキ)、2着グランプリボス(父サクラバクシンオー)ともに1400m適性の高い血統と実績を持っており、ダート的な持続力が要求される舞台に適性があったと説明することは可能(芝1400mはダート的な持続力が問われやすいので)。やはり、昨年も直近の傾向から外れる決着ではありませんでした。そして、この傾向自体、ディープインパクト産駒のスピードと瞬発力とは違った分野ということになります。
また、根本的に京都芝1600m外回りという条件において、ディープインパクト産駒は信頼度が低いという傾向も存在します。
【京都芝1600m外過去3年上位血統】
順位 | 種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | アグネスタキオン | 7- 7- 7-34/55 | 12.70% | 25.50% | 38.20% | 134 | 99 |
2 | ディープインパクト | 7- 6- 9-45/67 | 10.40% | 19.40% | 32.80% | 48 | 69 |
3 | フジキセキ | 5- 0- 3-34/42 | 11.90% | 11.90% | 19.04% | 77 | 58 |
4 | ダンスインザダーク | 3- 3- 1-31/38 | 7.90% | 15.80% | 18.40% | 71 | 41 |
5 | サクラバクシンオー | 3- 2- 2-21/28 | 10.70% | 17.90% | 25.00% | 133 | 107 |
勝数ベースで見ると確かに2位にランクされますが、これはディープインパクト産駒の成績からすればハッキリと落第点です。何しろ、他場では勝率15.0%超えは当たり前、連対率30.0%超えも珍しくないほど、圧倒的な安定感を誇る種牡馬。それがこの数値ということは、能力の違いで好走するケースはあっても、本質的に適性がズレている可能性を否定できません。というか、おそらくズレているんだと思います。でなければ、天下のディープ産駒がのべ出走頭数60頭以上のコースでこの程度の成績に収まるはずがありませんから。ちなみに、今年の京都金杯をダノンシャークが勝って以降、このコースにはのべ22頭のディープ産駒が出走していますが、勝ち馬は1頭も出ていません。このことに起因して、マイルCSでも、これまでディープインパクト産駒は7頭出走して馬券になったのは昨年3着のドナウブルーのみという平凡な成績。ディープ産駒が上位人気になるであろう今年のマイルCSですが、状況はそう楽観できるものではないということになります。
そんなディープ産駒が人気になるなら好都合、ディープと逆の適性を持った馬から狙ってみたいところです。
今年のマイルCS、そのテーマは
1.反ディープ
2.ダート血統
3.1400m的な持続力
今年、このテーマをベースにして買おうかどうか検討した馬は以下の通りです。
4.ダイワマッジョーレ
7.サンレイレーザー
9.ダノンヨーヨー
12.クラレント
15.ダークシャドウ
面白いのは◎7.サンレイレーザーだと思います。スピードと瞬発力が武器のディープ産駒に合わない舞台と読むのであれば、血統的にはほぼ真逆と言えるものを選ぶ方がいいでしょう。ならば、ノーザンダンサー系ラスカルスズカ産駒。持続力の権化とも言われるコマンダーインチーフの血を引くこの馬が浮上します。母父コジーンも1400m適性の高い米国血統ですから、その意味でも先に挙げたマイルCSのテーマを満たします。
データ的に、このレースは二桁着順からの巻き返しがかなり困難なレースとのことですが、血統的には一発の要素を含んでおり、ダノンシャークやグランプリボスと接戦している実績を考えても、実はそう見劣ることはないと見ています。
境和樹
立教大学部法学部卒。東スポや競馬最強の法則で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。
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境和樹
SAKAI KAZUKI
立教大学部法学部卒。東スポや競馬の天才で人気上昇中の血統予想家。血統傾向からレースの適性を探る。