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競馬予想

柏木集保の週末重賞ストラテジー

2013年12月11日(水)更新

サクラユタカオー、同バクシンオーの父系

今週の「朝日杯FS」には、牡馬の重賞勝ち馬が1頭も見当たらず、ファンタジーSを勝った牝馬ベルカント(父サクラバクシンオー)が、先週の阪神JFではなくこちらに回ってきた。理由は、「阪神の外回り1600mより、小回り中山の1600mの方が持てるスピードをフルに発揮できるからだ」とされる。2歳の男馬勢はちょっとばかりなめられてしまったかもしれない。

しかし、確かに重賞勝ち馬はいないが、ファンタジーSを逃げ切った牝馬のベルカントにひねられるほど弱いとは思えない。たとえば、人気のプレイアンドリアル(父デュランダル)は、前回の「東京スポーツ杯2歳S」を、初めてのJRA挑戦とあって2着にとどまったものの、東京1800mを1分45秒9で乗り切っている。レコードは昨年のコディーノの1分46秒0だったから、勝ったイスラボニータ(父フジキセキ)とともに、この馬も従来のレコードを更新しているのである。

もっとも、イスラボニータは新潟2歳Sで先週の阪神JF2着の牝馬ハープスターに3馬身もちぎられた馬だから、比較は怪しくなるが、ちゃんと全力を爆発させたときのハープスターならともかく、いかに今年の2歳牝馬のレベルが高いといっても、現時点で、厳しい流れになった東京1800mを1分45秒9で乗り切れる牝馬はいない。先週の阪神JFの勝ち馬レッドリヴェールも、3着フォーエバーモアもそれはムリだろう。

その牝馬ベルカントは、種牡馬サクラバクシンオー(11年死亡。父サクラユタカオー)の晩年の産駒だが、今回の朝日杯FSの出走馬にはサクラユタカオー(その父テスコボーイ)の血を引く馬が非常に多い。

賞金額からみて確実に出走できる馬のうち、ウインフルブルーム(父スペシャルウィーク)は、その母の父がサクラユタカオーである。ショウナンアチーヴは、父方が「ショウナンカンプ…サクラバクシンオー…サクラユタカオー」であり、ショウナンワダチもまた同様に、ショウナンカンプの産駒である。

テイエムキューコー(父テイエムオペラオー)は、母の父にサクラバクシンオーが登場する。 サンデーサイレンス系ならともかく、「サクラユタカオー」の父系の血を持つ馬が、現代の2歳チャンピオンを決定しようかとする朝日杯FSに、最小でも「5頭」も出走してくるのは大変な驚きである。

テスコボーイ(その父プリンスリーギフト)の父系など、若いファンは知っているのが不思議な古典にも属する種牡馬ラインだろう。多くの、というより、ことごとくのサイアーラインは2~3代、あるいは20~30年で姿を消すことになっている。別に日本だけのことではなく、マーケットブリーダーが主力の生産国では避けられないことである。

日本では、ヒンドスタン(シンザンの父)の父系も、チャイナロック(タケシバオー、ハイセイコー)の父系も、カブラヤオーなどの「シカンブル」の父系も、「ラウンドテーブル」のサイアーラインも、イシノヒカルや、バンブーアトラスの「リボー」の父系も消えていった。

「マルゼンスキー」の系統も、ロードリージやスティールハートが代表する「サーゲイロード」の父系も、巨大な種牡馬群を築き上げた「ミルリーフ」の父系も、同じネヴァーベンドの「ブレイベストローマン」の父系も、イエローゴッドなどの「レッドゴッド」の父系も姿を消した。

「ネヴァーセイダイ」の大きな父系も、「スワップス」のラインも、「シーホーク」に代表されるエルバジェの父系も、時の流れとともに姿を消し、別のラインに主流血脈の座を譲っている。これは仕方がないことである。不滅ではないかと思われた時代もあった「ノーザンテースト」の父系も消えてしまったぐらいだから。

ところが「テスコボーイ→サクラユタカオー→サクラバクシンオー→ショウナンカンプ…」が代表するプリンスリーギフトの父系は途絶えない。

この父系の最初のG1(格)の勝ち馬は、1972年の皐月賞を勝ったランドプリンスであり、もう40年以上も前のことである。競馬ではもう古典の世界である。

ところが、40年も経って種牡馬サクラバクシンオーは、GⅠのNHKマイルCを勝ったグランプリボスを送った。グランプリボスは2012年のマイルCSも2着である。

日本で活躍し、さまざまな時代を築いた父系の中で、40年以上にも渡って人気種牡馬として存続し、なおかつGⅠ勝ち馬を送る「父系」は初めてのことである。サンデーサイレンス系でさえGⅠ級の産駒の連続はまだ「19年」にとどまるから、あと20年以上経たないとこの記録に並べないのである。

この父系の直系種牡馬である「ショウナンカンプ」にかかる期待は少ししぼみかけていたが、今年はショウナンアチーヴ、ショウナンワダチがいる。もしこのGⅠを勝ち、さらにグランプリボス級の活躍をみせると種牡馬となれる可能性が生じる。そうすると、サクラユタカオーのサイアーラインはまだまだ途絶えない。前回、馬群をこじ開けて勝ったショウナンワダチは、マイル戦までならトップホースになれる資質があると思える。

プロフィール
柏木集保

早稲田大学政治経済学部卒業。1973年に日刊競馬新聞社に入社し、以後競馬予想を担当。U局の「中央競馬ワイド中継」の解説者としても人気を博す。血統、過去の走破タイム、ペース配分などから多角的にレースを推理し、出走馬の前評判にとらわれない独自の予想スタイルを貫いている。

柏木集保

SHUHO KASGIWAGI

日刊競馬で40年以上にも渡って看板を務める競馬界のご意見番・柏木集保が今週末の重賞レースのポイントをイチ早くレクチャー。過去データ・ラップ・血統・馬場など縦横無尽な分析でレースの核心に迫る。ここが的中馬券への最初の一歩。

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