
清水成駿が結んだ絆 ― 優馬JAPAN誕生譚

優馬JAPANは、競馬専門紙「優馬」と競馬専門サイト「競馬JAPAN」の強力なパートナーシップによって誕生しました。
この両社を結びつけ、未来への扉を開いたのが――伝説のカリスマ予想家・清水成駿です。

関東No.1専門紙まで登り詰めた1馬(現「優馬」)局長時代

清水成駿が「1馬」(現「優馬」)に入社したのは1972年、23歳のときでした。
類まれな文章力と鋭い洞察力で早くから頭角を現したそうです。
我が強く遠慮のない物言いから、当初は少なからず反発も買っていたらしいね(笑)
でも、本質的には面倒見のよい温かな人柄。仲間と認めた者を決して見捨てなかったし、大切にしてくれましたね!


その後、異例の35歳という若さで編集局長に就任。盟友・上田琢巳(当時編集デスク)と共に紙面改革を押し進めました。
前後半3Fのラップや最速上がりタイムを全国で初めて馬柱に取り入れたんだ。
当時は手作業の活版印刷だったから、本当に大変な作業だったけど「1馬」自体が絶えず新しいことを歓迎する社風だったからこそ実現できたといえるね。
他に先んじて「馬を使う側の立場」にも着目。唯一無二の視点で切り込んだ清水さんのコラム「スーパーショット」も大人気となり、1馬は売上部数で堂々の関東トップに躍り出たんだ。


伝説の“孤独の◎”~1998年日本ダービー

『スーパーショット』の名場面として今も語り継がれているのが、1998年日本ダービーでの“孤独の◎”。
当時、スペシャルウィークが圧倒的1番人気に推されるなか、清水成駿が◎を打ったのは14番人気のボールドエンペラー。直線で猛然と追い込み、見事2着入線。馬連131倍の万馬券を大本線で仕留め、全国のファンを仰天させました。

(前略)
同じ力で牽制しあう3強の緊張くらい怖いものはない。遡ること30年、ダービー史が証明している。同じ強さでしのぎを削ったマーチス、タケシバオー、アサカオー。が、油揚をさらっていった鳶(とんび)は何と皐月6着の伏兵タニノハローモアであったのだ。
逃げから追込み、形は変えても歴史は繰り返す。
鳶役の◎には同じ皐月6着のボールドエンペラーを指名。むろん6着だけではない、終始外々を回って4コーナー15番手から直線だけで突っ込んだ末脚は36秒5、メンバー中2番目の記録ながらゴール前の鋭さは一番。VTRを50回も回しただろうか、仮にこれが東京なら3強が4強に変わっていたのではないか。
元々が広い馬場でこその馬、同形態の京都で連対率100%なら河内の腕とツキに乗ってみる手はある。皐月賞1~4着馬への均等買いはこの一年、この日の為に大事に大事に膨らませてきた清水のシャポン玉なのだ。
当時、ある競馬場では「清水が◎〇で当てているぞ!」と大騒ぎになったらしい。
昔は「本紙(=看板記者)の印」がオッズにもかなり反映されていた。予想紙として一番力を入れている欄だけに誰もが敬意を持っていたし、清水さんには「看板を張る人間の見方が独特であればあるほど、未来につながる」と教えられたもんだよ。

時代はインターネットへ。競馬JAPAN創設

その後、1馬を退社した清水成駿は、東スポでの予想コラム「馬単三國志」が大人気となる中、2013年に自ら発起人となり「競馬JAPAN」を創設しました。
『常識を疑え。時代の趨勢に合わせよ』というのが清水さんの矜持で、競馬ファンにどんな情報提供が望まれているのか、常に考えておられました。
歴史への造詣も深く、世界を変えていく1番の原動力がテクノロジーであることを見抜かれていたのだと思います。
だからこそ早くからWEB展開を始め、YouTubeが一般化する前から動画配信にも挑戦されていたんです。


2016年、多くのファンに惜しまれながらこの世を去った清水成駿。しかし、その志と魂は、優馬取材班、そしてチーム成駿に確かに受け継がれています。
「どんな相手にも、勝てるチャンスはある。そのために知恵を絞り、秘術や秘策を尽くす」
「戦う前からあきらめていたのではチャンスもなければ、結果としての感動もない。逆転の可能性が最も高い馬に◎を打つのが私の予想だ」
「曇りのち晴れがいい。負けてたまるかと夢に向かって渾身の鞭をふるう。そういう懸命で、嘘のない真心の予想家であれ」
清水さんの教えは今も我々の血肉となり、息づいています。「成駿魂」を絶やすことなく、優馬JAPANを全力で盛り上げていきます!


清水成駿が編集局長を務めた
「優馬」の現場取材力
清水成駿が自ら創設した
「競馬JAPAN」の情報分析力
その両輪がひとつとなり、かつてないほど深く鋭い競馬予想を、すべてのファンに届けていきます。
優馬JAPAN=清水成駿の理想
その真価が今ここに花開き、あなたと共に未来へと歩みを進めます。
成駿伝 孤独の◎は永遠に―
監修・「成駿伝」製作委員会
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