秋華賞は、底知れぬ魅力秘めるセナスタイル!
10/19(日)京都11R 秋華賞(GⅠ)
秋華賞のポイントは、カムニャックが連勝を伸ばして2度目のGⅠをゲットするか否か。
確かに、少しでも油断するといつ引っ掛かるか分からぬ危うさがある上に、直線の短い設定はキャリア初と隙が生じそうではある。
唯、少々緩かった前哨戦が格好の叩き台となった分、余裕を持ちつつの長目追いを消化できた1週前があって、直前の坂路は前回時を2秒近く上回る時計。二冠獲得に待ったなし。
やはりライバルは同じ組からで、まずはテレサ。
けれども、ひと夏を超えてもまだ440キロに満たないといった華奢な面は消えていないのに加え、木曜の最終追いがやはり坂路55秒台。立ち回りの上手さでどこまで。
ローズSで最も驚かされたのは、3着セナスタイル。
けれども、骨折によるブランクゆえ、8月に漸く2勝目マークと完全に経験値で大きく劣った状況。また、コースロスがなかったとはいえ、進路を切り替えながら伸びたのは脚力のなせる業で、類稀なポテンシャルが露わになったわけ。
何より、体質と相談しつつの仕上げだった先月と異なり、今回は直前でもコースでの6F追いを敢行して、それがCWでの自己ベスト。ヒロインの座を射止めて不思議なし。
問題は、桜花賞馬エンブロイダリーの取り扱い。
つまり、1.32.2秒だったクイーンCからの連勝で一冠目をゲットしたマイルがピンポイントだということ。ダイナミック過ぎるフォームが両刃の剣になるわけで、京都内回りには一抹の不安を感じる。
少々重目が残りながら身体能力を見せつけた1週前から栗東入厩と、2走前の成功体験をなぞったとしても押さえの評価にならざるを得ぬ。
賞金的に出走が確定しているグループの中、美浦で調整を進めたのがマピュース。
が、年長馬は封じた中京記念は、前半3F35.4秒の超スローの番手と如何にも恵まれた。
2月の2着から桜花賞4着といった一連で見せた、長く脚を使えぬ弱味共々、2000mでは俎上に載せられない。
最後に是非取り上げたいのがパラディレーヌ。
また、リフレッシュしたにも関わらず、帰厩後の追い日1本目を含め、春同様のしまい重点。対して、今回は坂路主体とパターンを変えて、自身にとっては速い53秒台突入があるのだ。
これが刺激になるとの予感があり、TRからの1F延長も。状況が好転している分、巻き返す余地十分としたい。
10/18(土)東京11R 富士S(GⅡ)
3週目を迎える府中は、土曜メインの富士Sに注目が集まる。同じGⅠへのステップレースで、既存勢力にひと押しがなかった先週のスワンSとは逆に、こちらは春の安田記念で鍔迫り合いを演じたグループが参戦するのだから、そのレベルを根拠に大きな波乱なしと捉えることができる。
その中、主役はジャンタルマンタルをおいて他なし。
確かに、淡々と流れた中、前目で捌く戦法に利はあったが、上手く収まりをつけた道中からして盤石。
加えて、外厩から帰って追い日3本、1週前が最も負荷をかけるパターンが前回同様なら青写真通りと決めつけられる。初の59キロでも。
その安田記念で復活を遂げたのがガイアフォース。
しかし、ブリンカー着用で最後の最後でひと脚使えるように。とはいえ、道中で上手くセーブできた上に、直線での誘導がパーフェクトで嵌った感否めず。
しかも、渾身の追い切りを経た直近と異なり、追い切りの54.8秒が物足りぬ。少々疑いを挟むのが妥当に。
それならばソウルラッシュ。
だけなく、中山記念での1.45.0秒からドバイでの強敵撃破と更に幅を広げている。休養前の一戦で思いのほか、伸び切れなかった反面、結局は2着争いに加わったのだから掛け値なし。
府中より、京都でこそといった面が致命的になるとは思えない。
昨年の覇者ジュンブロッサムは本来なら見限れぬ筈。
現に、去年は夏・新潟で目途を立てて臨んだのとは違い、4カ月以上開けたにも関わらず、当時よりコース追いが1本足りない。
分の悪い関東勢の中、唯一絡む可能性にあるのがシャンパンカラーだ。
唯、4月からは直線に賭ける戦法でバージョンUP。特に、大きく出遅れたことで負担なく追走できた前走が上がり最速と手応えを得たのだ。
加えて、一杯に追っても11.7秒のラストと、重目を感じさせた1週前を経て絞れた上に、ハリだけが目立つ造りに。坂路での入りが13秒台と、前回時より強度を上げた最終追いも根拠として挙げておきたい。
あとは3歳、マジックサンズ。
そして、今回は成長を促す休養から在厩期間もタップリと陣営の期待のほどが知れる。
何故なら、直前が坂路54秒台と軽くできるほどそれまでのコースが実にハード。中でも、長目から行って最後までビッシリだったCWでの5F63.6秒は出色で、勢力図を覆すまである。


