【天皇賞秋】ここは、タスティエーラが主役を譲らない!
11/2(日)東京11R 天皇賞秋(GⅠ)
錚々たるメンバーが揃った天皇賞は、恐らく暮れまでを通しても頂点として良いようなレース。
その中、まず触れなければならないのが昨年の2着馬タスティエーラ。
にも関わらず、絶対王者ドウデュースに対しての0.2秒差だったから大威張りできるわけ。更に、そこに至るまでの3戦が見せ場なし。
スランプから立て直すのに困難を極めた上に、3週前の時点では活気といった点で今ひとつだったのだ。それを思えば、入厩当時からハリのある馬体を誇った今年は全く違うし、現に1週前などは1F10秒台突入で抜群の推進力をアピール。
堀厩舎ながら水曜追いが定番となっているこの馬の直前が、追走態勢から結局は追い詰められず、1馬身遅れといったことに不安を覚える向きもあろうが、バランスに秀でた体を駆使したアクション自体は目を惹くレベル。
5Fの時計自体も3走前より1秒以上速いのだ。GⅠで1勝2着1回なのが府中といった事実も含めれば主役は譲れず。
木曜追いは3歳マスカレードボール。
入りが15秒台と緩かった点には不満が残るが、コースでの7F追いを経てだから、強度としては及第点として良いし、その1週前には勢いで外に劣ったが、稽古駆けするソールオリエンスを追走した挙句だったから、自身の質も着実に上げたわけ。
元々、【2-1-0-0/3】と得意としているのが府中で、2着だった直近でさえ最後にはクロワデュノールを追い詰めたほど。
2歳時から際立っていた長い直線向きの決め手が56キロで更に研ぎ澄まされる筈。
同じ世代のGⅠ馬ミュージアムマイルも同等の評価で良い。
更に、+4キロながら余裕を持たせた仕上げで、決め手比べだったから前哨戦としては格好になった9月を経て、負荷をかけた先週などは同じOPを子供扱いにしての3馬身先着。
パートナーの質UPがあった上に、追い切りの坂路も一杯追いと前哨戦とは格段に違う中身に。
マイルでも通用する末脚は府中2000mの高速決着に如何にもマッチしそう。
4歳勢からはメイショウタバル。
特に、春のGPは4F目から12秒台と息を入れられた一方、3角過ぎから早目に来られる形を凌ぐどころか、一旦は迫ったベラジオオペラをゴールでは突き放す無類の強さ。
従って、2走前からの安定味は本物と見做せるし、1週前にビッシリ追うパターンを踏襲したのに加え、中間には5Fの自己ベストをまたまた更新する61.5秒さえ。不安は極端に速い時計の決着になった時だけ。
逆に、アーバンシックには首を傾げたくなる。
むしろ、リズム良く運ぶには緩急があって注文がつく長丁場より嵌りは良くなる筈だし、3歳秋にはGⅠ制覇を含め、ほぼワンサイドでの2連勝があって底力は折り紙つき。
けれども、糸を引くような伸びだった最終追いでの先着があったとはいえ、強度を上げた1週前は5F67.1秒ながらラストではフォームが乱れた。数字以上に鈍重な感じで立派に映る馬体が足枷に。
シランケドを侮ってはいけない。
無論、その2着馬にとっては大一番に向けての叩き台。唯、持久力と切れを兼ねた脚での豪快な差し切りが進化の証しで、2走前より距離適性で上を行くのであれば一線級の牡馬相手でも臆することなし。
その新潟記念、取消のアクシデントがあったのがクイーンズウォーク。
それが当距離でのアピールポイントになる。
11/1(土)東京11R 紅葉S(3勝クラス)
府中の他では土曜・紅葉SをピックUP。
伸び盛りでOP間違いなしといった3歳(ヒシアマン、ウォーターガーベラ)は強力だが、カニキュルも負けていない。
逆に、2走前にはスローでも前目で収まったまま、直線に入っても見せムチだけで10.9秒~11.1秒を刻んだラストが。それが初マイルだったから軟弱な相手だったにしても次元が違ったわけで、当カテゴリーでの伸びしろは計り知れぬ。
更に、3歳秋以来だった分、最終追いで間に合わせた感じだったのと違い、1週前の併せ馬で態勢を整えた結果、抑えを利かせた道中といったしまい重点の追い切りが流れるようなフォームに終始。テンションを抑えながらといったテーマに則ったメニューで思い通りの仕上げが叶ったのだ。いずれにしても、先に挙げた2頭を含めた三つ巴。
11/1(土)京都11R ファンタジーS(GⅢ)
阪神JFを目指す面々なのは確かだが、そことは距離が異なる分、先週の府中・アルテミスSほどの繋がりはない。しかし、仮にもGⅢで現時点での芝1400mに対する適性と能力がベースになるのは間違いない。
その中、注目の的になっているのはフェスティバルヒル。
しかも、その新潟2歳Sは1000m通過が1分に近いユッタリとした流れで、折り合い重視と少々ゴチャつく綾があったゆえ、ほぼ直線だけで挽回した結果の上がり最速だったから価値は上がる。
また、長距離輸送を控えた直前が4F追いと控え目だった影響で+12キロだったのに対し、今回は6F行き出しでしまいを伸ばす意図通りにラストは11.3秒。
前向きな気性と既に証し立てられている切れの相乗効果が生まれる、ここ2走からの1F短縮なら更に。
唯、その牙城を脅かす関東馬が。ベレーバスクだ。
けれども、宥めつつの前半でロスが生まれたが為、結局はメリハリを利かせられぬままだったにも関わらず、11.2秒~11.1秒を刻む中でも脚勢衰えずだったのなら一定以上の収穫を得たわけ。
加えて、直前が5F70秒を超える時計だった反面、その遅いラップでも道中はピタリと折り合ったし、前2頭を瞬く間に捉えた直線では弾力性に溢れる見事なフォームで申し分なし。
早目の仕掛けで後続に水を開けたデビュー戦の衝撃度を掛け合わせれば格上挑戦は形だけと断言できる。


