【デイリー杯2歳S】素質馬2頭のマッチレース/距離短縮時が絶好の狙い目!【武蔵野S】
素質馬2頭のマッチレース
FILE:11/15(土)京都11R
デイリー杯2歳S(GⅡ)
各馬一斉のスタートから大方の予想通りハナを奪ったのは、最内枠に入った函館2歳Sの覇者エイシンディード。
スプリント重賞を逃げ切った馬が作り出すよどみのない流れで、後続の馬も競りかけることなく、全馬ほぼ一団のレース展開になった。
3コーナー手前で、掛かり気味に内から好位に迫ったのがカヴァレリッツォ。その後ろで虎視眈々とコレをマークしていたのが、アドマイヤクワッズ。アイガーリーが好位の外目で我慢する展開。
直線に向くと荒れていた内を避けたのか、逃げていたエイシンディードが馬場の真ん中に進路を変え、粘り込みを図った。ポカッと開いた内をついて一旦先頭に立ったのがカヴァレリッツォ。
更に内をついて先頭に並びかけたのがアドマイヤクワッズ。その後は2頭のマッチレースとなったが、叩き合いを制したのはアドマイヤクワッズ。
1.33.1秒の2歳コースレコードで坂井騎手は去年に続いてこのレース連覇となった。
アタマ差競り負けての2着がカヴァレリッツォ。向正面の坂の登りで口を割ってしまったのが痛かったが、これだけ動けたのは力のある証拠だろう。
逃げたエイシンディードが粘りそうなところをゴール前で差し切ったアイガーリーが3着に入線。人気のグッドピースは大幅な馬体増で6着、キャンディードはレース中の鼻出血で8着と敗因はハッキリしており今後の巻き返しに期待したい。
─次はココに注目!─
6人気4着
エイシンディード
距離がマイルに一気に延長されたが、高い順応力を見せゴール前まで渋太い粘りを見せていた。初めての当日輸送だった事も考慮すると、評価できる内容だろう。門別のダートで連勝した後、すぐに初芝の函館2歳Sを逃げ切ったセンスの高さは流石と言えるもの。調教でも遅れが目立っていた現状で、まだまだ伸びしろは十分。今後の成長次第では名スプリンターになりうる資質の持ち主、と言っても過言ではない。
(執筆:持木秀康)
FILE:11/15(土)東京11R
武蔵野S(GⅢ)
距離短縮時が絶好の狙い目!
コスタノヴァは今回もスタートをうまく出られず最後方から。単身で逃げたアサカラキングが前半3Fは35.3秒と平均的なペースで流し、番手以降の馬群は比較的固まっていた。直線に入るとルクソールカフェが外から持ったままで進出。各馬が追われる残り400mでも余裕タップリの手応えで、ラスト300m過ぎにゴーサインが出ると、アッという間に後続を突き放す大楽勝で重賞初制覇を飾った。
レースの上がり3Fが11.9秒-11.8秒-11.8秒。最後の11.8秒は勝ったルクソールカフェ自身が踏んだラップな訳だが、他馬が苦しくなる中でも全く失速しなかったのが3馬身半の着差に表れている。
春のチャンピオンが出し切ったと言えないとはいえ、決して他の面々の質が低い訳でもない中、3歳の身でのこの圧勝劇には底知れぬ凄みが感じられた。
スタートだけで5馬身ほどのロスを被ったコスタノヴァだったが、芝の切れ目までには押して馬群の最後方には挽回し、直線は外から凄まじい脚を見せ何とか2着は確保した。
使った上がりは勝ち馬を上回る34.8秒。ポテンシャルで負けたとは言えないが、前走に続いてゲートを出なかったことは非常に大きな懸念材料。どう立て直すか、厩舎の力に期待したい。
2番人気オメガギネスは7着。勝ち馬の後ろから一瞬は伸びかけるも前走ほど良い脚が長続きしなかった。『滑っていた』との鞍上回顧だが、元々ムラなタイプであり明確な敗因は特定しづらい。
─次はココに注目!─
8人気5着
ロードフォンス
道中は鞍上が宥めるのに苦労するくらいの行きっぷり。内枠もあってストレスのかかる位置での競馬になったが、気持ちを切らさず直線に向くと、最後まで横並びの2着争いをよく踏ん張っていた。ただ、満点に近いレベルの走りをしながら、前走のグリーンチャンネルCと同様に詰め切れなかったのは事実としてある。
前走に関しては南部杯の予定を前倒す形での出走で斤量が60キロ、今回も相手強化という敗因らしい敗因はある訳だが、道中での制御に苦労するくらいの行っぷりや、レース後の鞍上から出た『やはり1400mの方が良いかも』との呟きがあら、この条件がちゃんと噛み合っているかは怪しいところ。
距離短縮で評価を上げるべき、というのは強く意識しておきたい。
(執筆:久光匡治)
優馬1面の名奉行
優馬
持木秀康
栗東の調教班に所属。優馬の1面にてコラム「オフコース 持論(もちろん!)」を掲載、2016年天皇賞・春にてカレンミロティック(13番人気2着)に単独◎を打ったことは現在でも語り草。推し馬サロンでは関西トレセン捜査班にて予想を提供。
二天一流ホースマン
優馬
久光匡治
YouTube出演中
従来、専門家がその道一本で務めあげる取材と調教。その双方を股にかけ、場所を選ばず活躍する二天一流ホースマンとは彼のこと。馬・人の両側面からあらゆる可能性を探り、時には上位人気馬を印から切り捨てることも辞さない予想スタイルはまさに天衣無縫。優馬の産んだサムライが、今日も未踏の道を征く。


