【マイルCS】本番でこそ真価を発揮する馬も?持続力血統にも注目!
ポイント①お釣りを残して本番へ
7週連続GⅠの第2幕。今回取り上げるレースはマイルCSだ。
今年の秋のマイル王の座を掴むのは一体どの馬になるのか!
今年も好メンバーが顔を揃えたね。
中でも注目は、安田記念の上位3頭がそのまま上位を占めた富士S組だよね。
レベルの高さは折り紙付きだと思うけど、まずはこの組について、ブライアンの見解を聞いてもいいかな?
富士Sは、いかにも「叩き台」という仕上げで臨んできた馬が何頭かいたのがポイント。
その代表格が、ジャンタルマンタルとソウルラッシュだな。
ジャンタルは、レース後に川田が「前哨戦という造りの中よくやれた」とコメントしていたし、ソウルの団野も「次はもっと良くなる」と言っていたんだ。
この2頭は十分お釣りを残した状態で、本番に臨めるというわけだね。
毎日王冠を制したレーベンスティールについては、どう思う?
レーベンスティールに関しては、ノーザンファーム天栄がココへ来てレーンを鞍上に配してきた点に着目したいな。
今回は以下の3頭が出走予定の天栄。この鞍上配置を見るに、おそらくチェルヴィニアよりも、レーベンスティールの方が勝負になると見込んでいるんじゃないかな。
アスコリピチェーノ:ルメール
レーベンスティール:レーン
チェルヴィニア:マーカンド
しかも、レーベンスティールはノーザンファームの自家生産馬ではないんだよね。
にも関わらず、コチラに有力騎手を乗せてくるというのは、なかなか意味深い選択だよね。
ああ。あと、他の路線から一頭挙げるとすれば、府中牝馬Sを制したラヴァンダだな。
エリザベス女王杯に向かうという噂もあったが、陣営としては、最初から秋の大目標をこのマイルCSに定めていたようだ。
この馬の距離適性については、色々な見方があるけれど、ココは現場のジャッジを信じたいところだね。
それでは、私からはこのレースの血統傾向の話を。
ポイント②持続力が求められる一戦
このレースは、瞬間的なキレよりというよりも、長く脚を使うことが求められるレースでね。
以下のように、 「持続力血統の馬」 が本当によく来ているんだ。
エルトンバローズ:24年2着
(父ディープブリランテ)
ナミュール:23年1着
(父ハービンジャー)
インディチャンプ:19年1着
(父ステイゴールド)
ダノンプレミアム:19年2着
(母父Intikhab)
ステルヴィオ:18年1着
(母父ファルヴラヴ)
ペルシアンナイト:17年1着、18年2着、19年3着
(父ハービンジャー)
その中に、ハービンジャー産駒が2頭いるというのが興味深いな。
京都のマイルは、それだけ水が合うということだろうか。
そうだね。マイルCS以外で京都のマイルで行われたGⅠといえば、昨年変則開催となった阪神JFと朝日杯FSがあるけど。
その阪神JFでも、ハービンジャー産駒のアルマヴェローチェが勝利している。特徴あるコースだからこそ、産駒傾向もこうして強く表れるんだ。
ワンターンで右回りと言うと、阪神マイルと近い印象があるんだが、実際のところはどうなんだ?
実は京都と阪神のマイルは、似て非なるものでね。
というのも、阪神のマイルは直線に急坂が控えているのもあって、ギリギリまで脚を溜めようという心理が働きやすいんだよね。その分、瞬発力の要求度は高くなる。
それに対して、京都は3~4コーナーの下りでスピードが上がるし、直線も平坦だから溜める意識は薄く、長く脚を使う展開になりやすいんだ。
そこで、浮上するのが持続力血統なんだよ。
なるほどな。となれば、今回もそうした持続力に長けた血統の馬には要注目だな!
今回は、各前哨戦の上位馬のジャッジに加え、この舞台で「持続力血統」が浮上する理由についても解説してきた。
ここから年末に向けて、GⅠ戦線はさらにヒートアップ!思い切り楽しんでいこう!それではまた来週!
ブライアン梶田
チーム成駿の初期メンバー。「勝ちたければ使う側の視点に立て」という清水成駿の教えを自信の背骨とし、”陣営の思惑”を馬券に落とし込む。東西問わず、あらゆる業界人と関係を築き上げており、闇に埋もれる情報を掬い上げる。長年培った勝負勘から厳選指名する金脈馬は必見。
境和樹
東京スポーツで予想コラム執筆、『ラジオ日本 土曜・日曜競馬実況中継』にてメイン解説を担当。立教大学法学部卒、合格率2.8%の司法書士試験を合格した頭脳を駆使し穴馬を仕留め続ける。得意の血統分析はもちろん、馬場、展開、舞台適性など、あらゆる角度から期待値の高い本命馬を導き出す。


