【朝日杯FS】スター誕生の予感☆クラシックを占う一戦を深堀り
ポイント①来年のクラシックにも繋がる一戦
ドウデュースやジャンタルマンタルもここから飛躍。
今回取り上げるのは、2歳王者決定戦・朝日杯FSだ!
牝馬は戦線離脱してしまった馬が多いけど、牡馬は前哨戦を勝ち上がってきた馬たちが、順調に駒を進めてきているよね。
2歳王者を決めるにふさわしい面々が揃ったね。
今年は、世代の有力馬が朝日杯とホープフルSにバランスよく分かれた印象。
どちらも、来年のクラシックを見据えるうえで重要な一戦となりそうだ。
リアライズシリウス
(新潟2歳S→朝日杯FS)
ショウナンガルフ
(札幌2歳S→ホープフルS)
エコロアルバ
(サウジRC→朝日杯FS)
アンドゥーリル
(アイビーS→ホープフルS)
バドリナート
(萩S→ホープフルS)
アドマイヤクワッズ
(デイリー杯2歳S→朝日杯FS)
ジャスティンビスタ
(京都2歳S→ホープフルS)
年によっては、両レースの間でレベル差が大きくなることもあるけど、今年はどちらも見応え十分のレースになりそうだね。
ちなみにブライアンは、朝日杯とホープフルSという2つの選択肢が存在することが、陣営や馬自身にどんな影響を与えていると思う?
メンバーが分散される分、阪神JFに比べて賞金ボーダーが緩くなりがちではあるよな。
その影響で、前走が新馬戦や未勝利戦だった馬にも出走枠が回ってくるケースが多い。
ただ、実はそうした馬たちが、意外としっかり結果を出しているんだよな。多くが秋以降のデビューやキャリアの浅かった馬。こうした馬にも、注意は払っておきたいな。
24年1着:アドマイヤズーム(未勝利)
24年3着:ランスオブカオス(新馬)
23年3着:タガノエルピーダ(新馬)
22年3着:レイベリング(新馬)
20年1着:グレナディアガーズ(未勝利)
19年3着:グランレイ(未勝利)
牡馬は牝馬に比べてデビューが遅めで、有力馬が秋以降にデビューするケースも珍しくないよね。
こういう馬たちって人気の盲点になりやすし、実は“隠れた大物”だったなんてこともよくあるよね。
ただ、今年はさっきも言ったように有力馬がシッカリとココに駒を進めている。実力比較をした上で、慎重に考えたいね。
それとこのレースは、ドウデュースや昨年2着のミュージアムマイルのように、その後クラシック戦線へ向かう馬も少なくないんだよな。
今年もリアライズシリウスやエコロアルバといったマイル重賞勝ち馬が、ホープフルSとの両睨みで調整されていたくらいだしさ。
確かに、今年は例年以上にクラシックを意識した陣営の動きが目立っているよね。
それでは、私からもこのレースの傾向について。
ポイント②ペースの割に延長馬は苦戦
このレースも阪神JFと同じで、短距離志向の強い馬が結構出走してきてね。
序盤から10秒台のラップが刻まれるのは、もはやお約束といった感じなんだ。
23年:12.5 - 10.9 - 10.7 - 12.0 - 12.3 - 11.9 - 11.2 - 12.3
22年:12.4 - 10.4 - 11.3 - 11.6 - 12.1 - 11.7 - 12.0 - 12.4
21年:12.6 - 10.6 - 11.1 - 11.9 - 12.1 - 11.9 - 11.2 - 12.1
20年:12.5 - 10.4 - 10.8 - 11.5 - 11.7 - 11.6 - 11.8 - 12.0
19年:12.2 - 10.5 - 11.1 - 11.6 - 11.8 - 11.8 - 11.6 - 12.4
となると、阪神JF同様にハイペース耐性の高い馬には注目だな。
戦績で言うと、1400m実績のある馬が優勢と見ていいのか?
求められる適性の方向性としては確かにそうなんだけど、実は距離延長組の成績はあまり芳しくないんだよね。
その背景には、牡馬の最大目標があくまで“ダービー”にあることも関係していると思うよ。
延長:【1-2-3-56/62】勝率1.6%、複勝率9.7%
同距離:【6-5-5-43/59】勝率10.2%、複勝率27.1%
短縮:【2-2-1-20/25】勝率8.0%、複勝率20.0%
確かに牝馬の場合、どうしてもスピードタイプが多くて、 無理に2400mに照準を合わせてレース選択をする場面はあまり見られない。
有力馬を1400mで使うことにも、抵抗はないはずだよな。
ご名答。一方で、牡馬の場合は期待馬を2歳から1400m戦で使うケースは稀でね。
自ずと長めの距離のレースの方がレベルも高くなるし、そこで揉まれてきた馬の方が能力も高いってこと。そういう馬たちが、結局能力で凌駕しちゃうんだよね。
素質>適性というワケだな。血統面はどうなの?
そうだね。血統的な偏りはほとんどないと言っていいだろうね。
強いて言うなら、キングマンボ系(ロードカナロア、ルーラーシップなど)やダイワメジャーは比較的相性が良い方かな。
ダイワメジャーは、阪神JFでも名前が挙がっていたな。仕上がり早の血統は、やはり積極的に狙うのが吉というわけだな。
今回は、例年とのメンバー構成の違いや、距離延長組が意外と苦戦している点について解説してきたぞ。
来年のクラシック戦線にも繋がる重要な一戦なので、シッカリと深堀りしておこう!それでは、また来週!
ブライアン梶田
チーム成駿の初期メンバー。「勝ちたければ使う側の視点に立て」という清水成駿の教えを自信の背骨とし、”陣営の思惑”を馬券に落とし込む。東西問わず、あらゆる業界人と関係を築き上げており、闇に埋もれる情報を掬い上げる。長年培った勝負勘から厳選指名する金脈馬は必見。
境和樹
東京スポーツで予想コラム執筆、『ラジオ日本 土曜・日曜競馬実況中継』にてメイン解説を担当。立教大学法学部卒、合格率2.8%の司法書士試験を合格した頭脳を駆使し穴馬を仕留め続ける。得意の血統分析はもちろん、馬場、展開、舞台適性など、あらゆる角度から期待値の高い本命馬を導き出す。


