【皐月賞】呼吸乱れぬ逃走劇、隙なきレース運びで完勝!/久々でも揺るがぬ地力の高さ【福島牝馬S】

04/19 (日) 妙味解析!回顧ファイル

呼吸乱れぬ逃走劇、隙なきレース運びで完勝!

FILE:4/19(日)中山11R

皐月賞(GⅠ)

逃げたのはロブチェン。トップスタートを控えた共同通信杯とは違い、今日は出脚に逆らわず自らレースの主導権を握った。ジワッと出たリアライズシリウスにとっては願ってもない先導役。前の隊列はすんなり収まることになった。前半1000mは58.9秒。9R、2勝クラスの牝馬限定戦で59.4秒の通過なのだから、GⅠレベルではスローペース。結果、前の2頭が叩き合って行った行ったの決着になった。

ロブチェンは好発を控えてリズムを崩した共同通信杯が良い経験になった印象。芝がCコースに替わるタイミングも強気に乗れる一つの要素であり、逃げ自体は新馬戦でも経験済み。道中で鞍上との呼吸も一切乱れず、素晴らしいレース運びだった。マイペースで折り合われた挙句、後半1000mを57.6秒でまとめられては後続には手の出しようがないだろう。

キャリア4戦全てが違うシチュエーションで結果を出せているのは高いポテンシャルが成せる業であり、東京2400mでも崩れるシーンは全く想像が付かず、混戦から頭一つ抜けたと考えて良い。ダービーの最有力候補になった

直線入り口で一旦は先頭に立ったリアライズシリウスは最後差し返されての②着。レース運びとしてはこれ以上ないと言えなくもないが、この馬自身は前後半でもう少しイーブンなペースになった方がより持ち味が発揮されたかもしれない。

ロブチェンに対して今回はシンプルな切れ負けといった印象。実際にこれまで勝ったレースは自ら主導権を握っての早目抜け出しの形であり、ハナを切っていれば或いは…と想像できなくもないか。本番では平均的に速い脚が使える強みを生かせる仕掛けができるかどうかになる。

既に周知されてはいるが、結果的に2頭しか出ていなかった共同通信杯組のワンツー決着だった点は注目点か。引き続きCコース1週目に皐月賞が定着するのであれば、東京の速い馬場とよりリンクしていく可能性は高く、今後もこのローテーションからの活躍が頻発するかもしれない。

最後に③着に飛び込んだライヒスアドラーは4コーナーから外目を回ってきたことを考えると相当に強い。スタートで一歩遅れたり前半も馬込みで若さを出していたことからすれば、まだまだ良くなる余地を残した競馬で、今日に関しては前の2頭にペースも馬場も味方した状況である。当然ながら勝負付けが済んだ着差ではないだけに、広い東京に替わって逆転の目は十分に残されているだろう。

④着アスクエジンバラは攻めた位置取りから最後は突き離されての入線。現状でできることは出し尽くした競馬にも映り、上位馬との力差がそのまま出た結果に思える。

33.8秒の上りで追い込んだ⑤着フォルテアンジェロはスタートで2、3馬身ほど遅れてしまったのが致命的。内にこだわった進路で鞍上のリカバリーは完璧だったが、やや不完全燃焼の競馬に なってしまった。ゲートに関しては直行ローテの影響もあったように思えるし、ここはダービーへ向けた明確な修正点。ホープフルS勝ち馬が勝ったならば力量差と割り切るにはまだ早く、巻き返しの可能性は残された1頭か。

─次はココに注目!─
3人気13着
カヴァレリッツォ

Cコース替わりのレコード決着で外枠や後方待機勢に不利な状況下だったことを思うと、次走で巻き返してきそうな馬は複数頭いると思われるが、最内枠からロブチェンの真後ろという絶好位置を取りながら⑬着にまで沈んだカヴァレリッツォの負け方は中山2000mへの適性に求めて良さそう。純粋な距離というよりは、ツーターンのコースで器用に立ち回る競馬はまだまだ経験値不足といった印象。その点では、現状のこの馬にはワンターンのマイルがベストの舞台に思える。

当然、次走がNHKマイルカップであれば巻き返しの大チャンスと考えて良いし、マイラーの切れが必要とされるダービーならば、皐月賞より舞台設定は悪くはない。いずれにせよ次走はGⅠ勝ちの底力を改めて見直すタイミングと言えそうだ。

(執筆:久光匡治)

久々でも揺るがぬ地力の高さ

FILE:4/19(日)福島11R

福島牝馬S(GⅢ)

パラディレーヌ、ケリフレッドアスクが出遅れ。レーゼドラマが先手を取り、その後ろにテレサ、ブラウンラチェットなどがそれに続く形だったが、向正面でレーゼドラマが後ろを離す形。

直線でもレーゼドラマが粘っていたが、残り1F過ぎた辺りで馬場の中ほどからコガネノソラが抜け出して勝利。前で粘ったジョイフルニュースと後方から差してきたカニキュルの2着争いは、僅かにジョイフルニュースがハナ差先着。

〈レースラップ〉
12.4 - 11.3 - 11.9 - 11.7 - 11.5 - 11.4 - 11.9 - 11.9 - 11.6

2015年の時計を0.4秒更新するレースレコード。前半58.8秒は過去10年で2番目に速いタイム。その後も11秒台が続く流れで先行勢はもちろん厳しい流れだが、差す方もなかなか厳しい。スタミナと上がり性能のどちらも必要となるレースで、例年の当レースとは全く違うレースだった。

勝ったコガネノソラは福島記念以来の実戦だったが、道中は中団の外目で運び、3角辺りからジワジワ進出。最後まで脚色衰えずに差し切って見せた。元々、斤量差があったとはいえ、好メンバーのクイーンSを勝ち切った実績のある馬。流石であった。とはいえ優先権をとったヴィクトリアマイルとは求められるものが違う印象だが…スタミナを問われる形になるなら買いたいところだ。

ジョイフルニュースは前受けした馬の中で好走。マイルで好走してきた馬で、時計が速くなるのは全く問題なかったが、流石に1F長かった分終いが甘くなって僅差になったと思う。ただ、何より賞金が積めたことが大きい。

カニキュルは終い勝負だと強い。元々こちらも能力を評価されていた馬だし、格上挑戦とはいえハマればこれくらいはやれる。とはいえベストはマイルだとは思っているので、次開催の東京か新潟で自己条件なら。

─次はココに注目!─
1人気8着
パラディレーヌ

パラディレーヌは出遅れが全て。時々出遅れるが、それがここで出てしまった。ただ、使って上げてくるイメージのある厩舎なので、次走も注目。ただマイルは短いと思うので、ヴィクトリアマイルはどうだろうか…。

今開催の福島は本当に時計が速い。夏もこの傾向だと、狙いの形は変わってきそうだ。

(執筆:土屋龍太郎)

土屋龍太郎
優馬の若きドラゴン

土屋龍太郎

データ 穴党 分析班
重賞◎
連載コラム

取材力が核となる専門紙の世界において、卓越した馬券への才覚のみを買われ第一線に抜擢された若き昇り龍。大舞台に強く、直近でも2025年NHKマイルC◎パンジャタワー(9人気1着)を射抜くなど数々の特大万券を輩出。年齢のフレッシュさとは裏腹に、その予想には猛者の風格が香り立つ。

久光匡治
二天一流ホースマン

久光匡治

調教 取材 美浦
GⅠ・重賞◎
YouTube

従来、専門家がその道一本で務めあげる取材と調教。その双方を股にかけ、場所を選ばず活躍する二天一流ホースマンとは彼のこと。馬・人の両側面からあらゆる可能性を探り、時には上位人気馬を印から切り捨てることも辞さない予想ス タイルはまさに天衣無縫。優馬の産んだサムライが、今日も未踏の道を征く。 (担当厩舎:青木、奥村武、粕谷、加藤士、萱野、根本、堀内、和田郎)